[[毒薬の手帖/集団殺戮の時代/03]] ヘップ、テップ 1934年ドイツの製薬会社バイエルの研究所で、ジャガイモの害虫駆除のためタバコ の毒ニコチンに変わるものとして、有機リン剤ヘップとテップの合成に成功。 日本農業の花形はベンゼン環をもった「パラチオン」で、食糧難時代、米の増産に 貢献した。しかし、その毒性のため各地で中毒が発生した。 軽症では、手足の脱力感やしびれ、頭痛、めまい、おう吐、腹痛、下痢であり、 重症になると意識混濁、全身けいれんで死亡する。パラチオンは1955年、特定毒物 に指定され、71年より使用禁止。現在は弱毒性のマラソンが広く使われている。 有機リン剤は神経ガス(毒ガス)の生まれ変わりであり、神経のない植物には影響 を与えないため、農業にとってこれほどありがたい毒はなく、農業生産の主役に なった。その結果、山野の動物、水生昆虫が死滅した。[[毒物番付>http://www1.odn.ne.jp/~caa76010/doku2.htm]] :オブジェ