ヘップ、テップ
1934年ドイツの製薬会社バイエルの研究所で、ジャガイモの害虫駆除のためタバコの毒ニコチンに変わるものとして、有機リン剤ヘップとテップの合成に成功。
日本農業の花形はベンゼン環をもった「パラチオン」で、食糧難時代、米の増産に貢献した。しかし、その毒性のため各地で中毒が発生した。
軽症では、手足の脱力感やしびれ、頭痛、めまい、おう吐、腹痛、下痢であり、重症になると意識混濁、全身けいれんで死亡する。パラチオンは1955年、特定毒物に指定され、71年より使用禁止。現在は弱毒性のマラソンが広く使われている。
有機リン剤は神経ガス(毒ガス)の生まれ変わりであり、神経のない植物には影響を与えないため、農業にとってこれほどありがたい毒はなく、農業生産の主役になった。その結果、山野の動物、水生昆虫が死滅した。毒物番付
:オブジェ