E-Band インプレ 02

かなり余っている。
かなり余っている。
  とりあえず巻いてみた。

 センサー部分はかなり厚い。センサー部分の横のベルトも厚く硬いので、手首の細い人間の腕のカーブには沿わない感じがする。腕時計をしている時と大差のない存在感が有る。センサー部分の幅もあるので、腕時計をしている人が腕時計側の手に巻くことは絶対に無理。この機種は普段腕時計を付けない人向けだ。

 フリーサイズなのでかなりベルトは長い。余りがセンサー部分(腕時計のムーブメントが入っているところ)に掛かりそうだ。ベルトの穴はあと二つ残っているが、小柄な女性だと一番奥でも緩いかもしれない。まあ、そこまで細いとセンサー部分がはみ出してしまうだろうが。シリコンなので邪魔な部分は切ってしまえばいいが、長く使う気はないのでこのままにしておく。誰かにあげるかオークションにかけるかするときにオリジナルの状態のほうがいいから。

歩数表示。ボタンを押した時だけ表示される。
歩数表示。ボタンを押した時だけ表示される。
 ボタンを押して歩数計を表示したところ。

 モードは、[時計・電池残量、歩数計、睡眠、音楽再生操作]の4モード。時計はスマートフォンにダウンロードしたアプリと同期されるのでデバイスで合わす必要はない。というより、デバイス単体では時計を合わせることもできない。

 デバイスの設定は全てスマートフォン上のアプリで行う。Bluetooth 4 対応なので、電池に対する悪影響は無いと言い切っている。

E-band fitness tracker 到着 01

箱は最小限。Amazon 見習えww
箱は最小限。Amazon 見習えww
 朝、郵便で届いた。

プラスチックのきれいなケースに入っている。これなら家電量販店に並んでいても違和感はない。
プラスチックのきれいなケースに入っている。これなら家電量販店に並んでいても違和感はない。
 プラスチックのケースの複雑な形状も正確に取れてるし、バリもない。Apple の iPod shuffle のプラケースほどではないが、この価格帯のケースとしては米国ブランドのものと遜色はない。

 世界中に輸出することが前提なのだろう。しょぼい紙の箱にでも入ってくるかと思っていたので意外だった。

 後、このバンドが “E-band” という名称だということを初めて知った。サイトには “Free shipping NEWEST smart bracelet for IOS and Android smart fitness wearable wristband 6 colors available” としか書かれていなかったから。「ようそんなもん買うたな」という指摘は正しい。もう、待ちきれなかったのだww

同梱品。バンドとUSBケーブル、取説だけ。
同梱品。バンドとUSBケーブル、取説だけ。
 中はバンドとUSB充電ケーブルと取説。USB充電は専用コネクタなので、このケーブルが必須だ。デバイスの大きさが小さいのでしかたがないかもしれないが、これは不便。

 後、大問題なのが、取説が中国語しかないこと。これは予想外だった。対応言語として中国語、英語、フランス語と有ったので、当然取説も3ヶ国語併記のものが入っていると思っていた。全く意味が分からない・・・

ボタンが見えるかな?
ボタンが見えるかな?
 見えにくいだろうが、側面の小さな四角い部分がボタンになっている。このボタンで動作モードの切替や時計表示をしなければならない。ボタンを押さないと時計表示もしない。

 防水性を重視した結果なのかもしれないが、突起が浅く小さいので非常に押しにくい。このボタンを押さないと時計表示できないのだからボタンはもっと大きくして欲しかった。

充電コネクタ。このカバーがちぎれたら防水はアウトだな。
充電コネクタ。このカバーがちぎれたら防水はアウトだな。
 操作ボタンの反対側の充電コネクタ。シリコンのフタが付いていて、このフタが防水上はキーとなる。他に水が進入するような箇所は全くないが、このフタがちぎれたらアウトだ。

 しかし、フタの有無はあまり関係はない。水泳でもしない限り浸水することはないだろうから。そして、このバンドは水中の活動をモニタすることができないので、水泳の時に付ける意味は無いからだ。

Box
バックルはなく、穴に金属棒をはめるだけ。不安・・・
 充電ポートフタより不安なのが、経年劣化に弱そうな、ベルト自体の材質だ。センサー本体の故障よりベルト劣化により使えなくなる方が先のような気がする。特に不安なのがこの固定方法。ベルトの弾力に依存しているので、穴が広がったり切れたりしたらベストな位置で付けられなくなる。

 後、失敗したのは色。白いシリコンは汚れに染まる可能性が高い。もうちょとプラスチックっぽいものかと思っていた。

Epson の誤算:「お前は何と戦っているのか」

 「画竜点睛を欠く:日本企業の負けパターン EPSON Pulsense」にコメントを頂いたので、他のメジャーなフィットネストラッカーのサイトと比較してみた。”Pulsense”、”Jawbone”、”Fitbit” で検索した結果の最上位(CMサイトは除く)。

pulsense Pulsense:Epson 内の Pulsense ページ。 島耕作に憧れるような、週末にジムに通うような「できるエグゼクティブ」にアピールしたいんだろうかwww

 その評価は個人差があるとしても、上のEPSON共通のボタンがアカン。Epson のサイトの間借りになってしまっている。Epson はこれをプリンタやプロジェクターなどと同じ製品群の一つと思っていて、知名度の高い Epson という名前の冠を頂いたほうがいいと思っているのかもしれないが、大間違い。

 プリンタ、スキャナー、プロジェクターはパソコン周辺機器として共通点がある。「うちのプリンタはEPSONやから、フィットネストラッカーもEPSONのにしよう」なんて思うはずがない。また、フィットネストラッカーを見に来た人間にとってプリンタのページに飛べることがあるかどうか考えたら分かるだろう。

 「EPSON 以外は専業メーカーだから」という批判は当たらない。消費者が検索して出てきた結果が「興味を持って検索してきた見込顧客を惹きつけるものになっているかどうか」という視点で見ているのだ。

Jawbone Jawbone:「フィットネス・トラッカーは Jawbone Up3 に決定」で取り上げた Jawbone。Up3 は未だ日本では発売されていないが、「Up3 を売るから待ってて」という意志が伝わる。

 しかし、仕様についての説明がないことは残念。英語のページでもいいから仕様を紹介することが必要だろう。
 

fitbit Fitbit:「ドン・キホーテか?「Fitbit、正式にアップルストアから消える」」で取り上げた Fitbit のサイトがこちら。こちらも、次世代の未発売品を「来春発売予定」として掲載している。

 来年発売される製品についても詳細な紹介ページや動画が用意されていて、質量ともに圧倒的。ヘルスケアに正式非対応でなければなぁ・・・でも、どうなんだろ。Fitbit は多くのヘルスケアアプリとの互換性があるから、そちらのアプリ経由でヘルスケアにデータをコピー出来ないだろうか。

ドン・キホーテか?「Fitbit、正式にアップルストアから消える」

500_28545939 ヘルスケアに対応することが必須と書いたが大手の Fitbit は逆の選択をした。Apple store での販売をさしとめられても痛くないという判断らしい。

 自分としてはこの判断は残念ではある。ヘルスケアでつながるデバイスが増えれば増えるほどエコシステムが充実し選択肢が増えるからだ。

 だが、ビジネスとして正解かどうかは現時点ではわからない。Epson がヘルスケアに対応しないことは失敗だと断言できるが、Fitbit は分からない。なぜか、シェアだ。自己申告なのでどこまで正解かは分からないが、老舗といっていいことは間違いない。すでに大きなユーザコミュニティを持っている。USBケーブルと PC/Mac アプリも持っているので、iOS ローカルのヘルスケアに対応する必要がないという判断だろう。

 Android 4.4 と iPhone 4S 以降の端末だけを相手にするより、世界中に広がっているチープ Android や Windows PC を相手にするほうが市場が大きいという判断だろう。確かに、見込顧客の数はこちらが圧倒的に大きいだろう。それは Android 端末の販売台数で見れば分かる。

 問題なのは、競合他社の存在だ。DealExtream のような通販サイトを見たら、似たようなデバイスが $50 くらいでゴロゴロある。聞いたことのあるメーカーも有れば、読み方が分からないようなメーカーのコピー商品みたいなものまである。アクションカメラのように価格は半額で機能・性能は同等のものも並んでいる。Fitbit はこういった端末と戦うことになる。

 自分なら、ヘルスケアと同期できない Fitbit を買うくらいなら(DIGICare Waterproof Bluetooth Pedometer w/ Sleep Monitor, Thermointegrator, Alarm, Message Prompt – Free Shipping – DealExtreme$65)で構わない。

Fitbit、正式にアップルストアから消える : ギズモード・ジャパン
続きを読む ドン・キホーテか?「Fitbit、正式にアップルストアから消える」

画竜点睛どころか足を描き忘れてたよEPSONは

 Pulsense が発売されて、購入者の元に届き始めたようだ。友人の元にも届いて、睡眠や消費カロリー・摂取カロリーの記録をアップしていた。羨ましい。

20141113_pulsense Pulsecse のカロリーの摂取と消費グラフは効果的だ。その日の収支が一目瞭然だ。摂取カロリーを手入力する必要があるが、これは Pulsense に限らない。このグラフで消費が摂取を上回る生活を続けていれば体重は落ちるだろう。精神論など関係ない。

 ところが、Amazonと価格ドットコムのレビューを読んだら袋叩きだった。その批判も当然と思えるものが並んでいる。アプリとファームウェアのバージョンアップで改善される可能性が高いトラブル(大半が Bluetooth がらみ)なので、恐らく改善されるとは思うが、いつになるかはわからない。

 それにしても、EPSONともあろうものがこんなお粗末な対応とは。前に、「画竜点睛を欠く」と書いたが、龍の絵ではなく蛇の絵を描いたとしかいいようがない。前のエントリには、書いてあることがちゃんと機能した上でヘルスケアへの対応が必要と書いたが、広告に「こんなことができます」と提示していたことすら出来ていないらしい。

 一番ひどいのは、対応機種の条件を狭めたことだ。最初は「Bluetooth 4.0 対応の Android 4.4 端末」としていたのに、発売後に対応機種を書き加えたのだ。これは販売前に提示すべき情報だ。ただし、対応端末と書かれている機種を使っていても安心はできないらしい。Nexus 4 でも繫がらないという報告もあった。

 500 なら液晶モニタで情報を見ることが可能だが、100 でスマートフォンに繋らないと装飾用ブレスレットでしかない。スマホでいう「文鎮」だ。

 一刻も早くファームウェアのアップデートを実施しなければならない。500 の場合には USB 経由で PC から書き換えられるかもしれないが、100 の場合には Bluetooth 以外の通信方法がないので、送り返す必要があるだろう。500 を使っていても win PC を持っていないと送り返すしかない。

 「画竜点睛を欠く:日本企業の負けパターン EPSON Pulsense」に書いたとおり、「良いハードを作って店に卸す」のがメーカーではない。その製品がユーザのもとで使われて、スマートフォンと繋がれて、アプリのデータが SNS にアップロードされるようになる。ここまでがEPSONがやらなければならないことだ。アクションカメラを調べている時に JVC と GoPro のサイトの違いを認識したが、それと全く同じ図式だ。

 「良い物を作って単体で機能する」などスタート地点にも立っていない。エコシステムと連動して初めてスタートを切れる。勝負はそこからだ。Pulsense は控室からスタート地点に向かっているところで転けて捻挫したといったところだ。

 GoPro や Jawbone などのサイトが訴えるのはハードの性能や機能ではなく、ライフスタイルだ。「これを使えば、生活がこうなる」という提案だ。EPSON のページが訴えるのは製品だ。

 「PULSENSの製品情報ページ。日本国内のEPSON(エプソン)製品に関する公式サイト 。」のURLがhttp://www.epson.jp/products/pulsense/ はあかんやろ。Jawbone や Fitbit はいいんだ。なぜならフィットネス・トラッカー専業だから。Epson の場合は様々な機器を売っている。本気でこの市場で成果を出すつもりならドメインをとるべきだ。物理的にどこに置くかは関係ない。pulsense で検索された時にトップに出る URL にしろというのだ。コストはたいして掛からないんだから。

画竜点睛を欠く:日本企業の負けパターン EPSON Pulsense

フィットネス・トラッカーは Jawbone Up3 に決まった。フィットネス・トラッカーについて調べている際に日本企業の負けパターンに遭遇したので書き留めておく。

 企業は EPSON。EPSON が心拍を記録できるフィットネス・トラッカー(Pulsense)を発売するという情報をTLで知って調べた。しかし、サイトには EPSON のそれが iOS のヘルスケアと同期できるかどうかわからなかった。

 そこで、問い合せ先を調べたがなかなか見当たらなかった(減点10)。製品別の問い合わせ先には電話とメールという選択肢があったが、メールの問い合わせをするには製品登録しなければならない仕様だった。発売されいない製品を登録しているはずがないのにだ(減点10)。自分はたまたま EPSON のプリンタを使っているので、アカウントを持っていたから良かったが、そうでなければこの時点で諦めてしまう人も多いだろう。

 Pulsense のお問い合わせページの「ホームページからのお問い合わせ」ボタンをクリックして表示されたフォームにアカウント情報を入れて現れたフォームはプリンタ用のものだった。フィットネス・トラッカーのページから入っているのにプリンタ用の選択肢が入力必須だ。製品別になっている意味が無い(減点10)。仕方なく、持っているプリンタと使用環境を入力し、質問の内容を問い合わせ内容に入力して送信した。

 すぐに受付メールが返信され翌日には正式の返事が届いた。ここはちゃんとしている。さすがEPSON(加点10)。

 答えは、「お問い合わせいただきました、iOS 8のヘルスケアとの連携の件につきましては、誠に恐縮ではございますが、現在のところ、予定がございません。」(減点50)

 結果 ハードウェア(90点) – 80 + 10 = 20 点 不合格

講評

 
 問題点は二つ。せっかく興味を持って来た見込み顧客に対して期待に添えないサイトとハードだけ作って終わりという姿勢。

 まず、 サイトから。発売前後の商品に対しては質問が集中するし、購入前なのだから EPSON のユーザアカウントを持っていない可能性が高い。そういうユーザこそが見込顧客なのだ。なのに、それを受け入れる用意がない。新商品への質問はその後の製品の改良につながる重要な情報だ。メーカーが思っているのと違う用途の提案があるかもしれないし、競合他社の情報を仕入れられる可能性もある。

 次が致命的だが、自社の持つノウハウや製造技術を活用することだけ考えて、作ったらそれっきりという発想。「いいものを作れば売れる」というのは競合他社がいないような市場だけだ。フィットネス・トラッカー市場はライバルが次々参入している。来年には iWatch が発売される。いいものを作ったからといって満足して止まっていたら置いて行かれる。他社は走っている。心拍を取れるフィットネス・トラッカーは珍しかったが Jawbone が発表してしまった。しかも、Jawbone は iOS 市場で実績がありヘルスケアにも対応済だ。

 こういうデバイス、スマートフォンとの連携を前提としたデバイスは、デバイスのエコシステムに食い込むことが何より重要だ。ハードが同等の場合、サポートするアプリが多いということはそれだけ価値が高いということだ。これは Dropbox が未だにプラットフォームオーナーのサービスと互角に戦えていることからわかる。Dropbox は iCloud、OneDrive、GoogleDrive より先に iOS エコシステムに食い込み、他社のアプリとの連携を可能にした。その基盤を基にOS間をまたぐオンラインストレージになった。だから、巨大な Apple、Google、Microsoft に対して優位に立てているのだ。Dropbox の成功直後に雨後の筍のように現れたストレージサービスの多くが消えたのはこの差だ。

 2014/10。Apple がヘルスケアにより、iOS での健康管理サービスを再定義した。これまで、様々なヘルス管理アプリはバラバラで閉じられていた。これからは、違う。フィットネス・トラッカーを他社の製品にしても、ログはヘルスケア上で引き継がれる。ヘルスケアとの互換性は必要条件だ。この点で EPSON はヘルスケアのエコシステムへの参加を降りたのと同じだ。

 なぜヘルスケアにこだわるのかというと、iPhone ユーザという市場がフィットネス・トラッカーの市場として相関が強いと考えられるからだ(Apple が掘る次の鉱脈はヘルスケアか?)。フィットネス・トラッカーを使っているユーザで iPhone を使っていない人は多くないのではないか。しかも、iPhone は最新バージョンの OS への移行が圧倒的に速い。iPhone 4S のような古い端末からアップデートを可能にしていることもあり、市場に出回っている iOS デバイスの大半が最新 OS にアップデートされる。Android の端末の大半が最新 OS にアップデートされずに終わるのと正反対だ。Android OS シェアは iOS よりはるかに大きいかもしれないが、大半はチープ端末で Bluetooth 4 に対応していない物も多い。OS も古いバージョンを搭載した機種が新機種として売られている。これが収束することはない。だから、iOS 8.1 のヘルスケアは見込顧客の数が圧倒的に多い市場なのだ。

 一番問題なのは、この状況を EPSON が把握していないように見えることだ。自分が担当者なら、すぐにでも開発に HealthKit への対応を進めるように依頼すると同時に、サイトのアプリ紹介ページに「現在のアプリはヘルスケアに対応していませんが、アップデートで対応する予定」と明記する。その姿勢を見せることで iPhone ユーザは安心して EPSON を買うことが出来る。アップデートに時間がかかるようだと批判を浴びるかもしれないが、EPSON の開発陣が HealthKit 対応にそれほど手間取るとは思えない(まあ、開発は外注先かも知れないが・・・)。

 心拍をとれるフィットネス・トラッカーは未だ多くない。Jawbone Up3 もまだ発売されていない。今がチャンスだ。頑張れ EPSON。Jawbone Up3 が日本で予約開始される前にヘルスケア対応へのアナウンスがあれば EPSON の[エプソン パルセンス]EPSON PULSENSE 腕時計 脈拍計測機能付活動量計 PS-100を買うから。

フィットネス・トラッカーは Jawbone Up3 に決定。

Jawbone Up3 ヘルスケアを知って、フィットネス・トラッカーに興味を覚え、色々と調べた。

 まず、友人が新しく出る EPSON の Pulscan というフィットネス・トラッカーを買うというので、サイトに行ったが、ヘルスケアに対応しないことがわかったので却下(後で書く)。

 その後、Fitbit や Nike fuel、Jawbone という以前からあったフィットネス・トラッカーを調べたが、心拍を取れるものは存在しなかった。心拍を取れるのはもれなく時計型のウェアラブル・デバイスだった。しかし、自分は iWatch のような高機能なデバイスはいらない。メールやSNSの通知なんて知らなくてもいいし、電話がかかってくることもない。

 「EPSON がヘルスケアに対応してくれるのを期待してEPSONを買うか、心拍は諦めてブレスレット型のどれかにするか」ともやっとしていたところに、「Jawbone's new Up3 is its most advanced fitness tracker ever | The Verge」という記事を見つけた。「”most advanced” だと?」とひとりごちながら開いてみたら、心拍を取れるということがわかった。しかも、どういうアルゴリズムかは分からないが、自転車に乗っていることを認識するらしかった。

 これで決まり。サポートアプリは既にヘルスケア対応済みだし。EPSON さんにはお気の毒だが、Pulsense は発売前から過去の機種だ。少なくとも iOS 8 ユーザは Pulsense は買ってはいけない。Android ユーザも Bluetooth 4(smart) に対応しているかどうか確認してからでないと買ってはいけない。

 Jawbone は日本では2万円以上になるだろうから、Pulsence よりかなり高額だ。しかし、ヘルスケアに対応しているかどうかはその差を補って余りある。アメリカでもまだ発売されていないし日本では発表すらされていないが、日本で予約を受け付けるようになればすぐにオーダーする。楽しみだなぁ・・・

Apple が掘る次の鉱脈はヘルスケアか?

Health icon iWatch を筆頭にウェアラブルデバイスが各社から発表・発売されている。スマートフォンの次の金鉱をここに見出すハイテク企業は多いようだ。

 自分は時計型のウェアラブルデバイスには興味が無くてスルー気味だったが、iPhone 6 にあるヘルスケアというアプリを見て俄然興味がわいた。何の操作・設定もしていないのに歩数や歩行距離が記録されていたのだ。iPhone 6 (5s)は M8(M7) コプロセッサによって勝手に情報が取得されるのだった。しかも、ほとんど電池の使用量に影響を与えずにだ。

 そして、ヘルスケアの管理項目を見ると実にたくさんの情報を管理できることがわかった。単体では得られない情報でも、ヘルスケアに対応するセンサーを身に付ければ身体や生活に関する情報を一元管理できるのだ。面白い!

 これまで、こういった情報はデバイスを作っているメーカーが提供するアプリに依存していた。アプリ間でやりとり出来るものもあったが、一元管理には程遠い。また、センサーデバイスを他社品にしたらログは引き継がれない。

 iOS 標準のヘルスケアなら、様々な単機能のセンサーデバイスを統合することができ、センサーデバイスを買い替えてもヘルスケアの記録は引き継がれる。つまり、オムロンの体重計を使っていて、タニタに買い替えても一つのグラフで表示されるということだ。これなら、センサーを揃える意味がある。

運動の記録を取るセンサーは以前から多かった。これに、自転車の走行記録(心拍)、体重・体脂肪を合わせられれば、センサー好きの自分には楽しい。今使っている体組成計は SD カード記録機能があり、自動的に体重や体脂肪率が記録されているらしい。「らしい」というのは見たことがないから。SDカードを抜いて PC で見るのがめんどくさい。PC、しかも Windows PC が必須なので、Windows で起動しなおさなければならない。結局、これが面倒で、計測結果を見たことがない。

 タニタの体組成計はトラブルが多く、しょっちゅう使えなくなるのも、使おうとういう意欲を失う原因だ。図ろうと思って乗ったら、年月日設定画面ということがよくある。そうなると、次に設定をしてでも測りたい気持ちになるまでの数ヶ月放置だ。電池ケースの設計が悪く電池の接触不良が頻発するのが原因だということが分かったが、体重を測るモチベーションが失われてしまった。そうこうしているうちに脂肪は順調に育ち、体重も体脂肪率も大幅に上がってしまったorz…

 心拍については、現在は SUUNTO T6 で記録して Movescount で管理できている。が、現時点では Movescount がヘルスケアに対応していないのでヘルスケアに自転車と心拍の記録を持ち込めない。心拍と自転車の記録をヘルスケアに取り込めるセンサーが有ればすべてのアクティビティが統合できる。

 自分は腕時計型デバイスが嫌いだが、ヘルスケアと Apple pay という iOS を取り巻くエコシステムによって他のプラットフォームのデバイスとは一線を画する魅力は感じた。ヘルスケアは地味だが、生活に密着したゲームとは別の活用法を提示してくれる。

 近所を自転車で走っていても、ランナーやジョガー、ウォーカーとすれ違うことが多い。老若男女がそれぞれレのペースで運動を楽しんでいるようだ。このときにヘルスケアが有効であるという認識が広がれば iPhone のさらなる後押しになるだろう。Apple はデジタルデバイスから金融サービスや健康管理サービス分野にまで触手を伸ばそうとしているのだろうか。iPhone や iPad は革新的アップグレードがないと揶揄される(ここでも完成期に入って、大きな変更はないのではと書いた)が、Apple pay とヘルスケアによるユーザの生活への侵食こそが iOS デバイスのここ2年の革新なのかもしれない。この視点で考えれば、iPhone 5s の指紋認証、iOS 7 の Passbook、6 の NFC といった一見地味な機能の搭載はユーザの生活に食い込むための全段階だったのかもしれない。

 そして、Siri の AI によってこれらすべてを統合しコントロールするのが Apple の未来か・・・

iPhone 6 ,Apple watch

要素技術

 iPhone のハードウェアスペックが Android のそれと比較してショボイと批判する人は物事の一面しか見ていない。iPhone は iOS を動かせる唯一のハードウェアプラットフォームということを忘れている。iPhone を選ぶときには iPhone のラインナップの中からしか選べない。これは Mac と一緒だ。

 A8 プロセッサが 20nm プロセスルールになった。短期間に大量の製品が必要となる iPhone の場合プロセスルールを更新するのは難しい。これが、ハイエンド機種の出荷台数が少ない Qualcomm や Samsung のプロセッサに遅れをとりがちな理由だろう。A7 プロセッサに対して 50% の性能向上というのは体感的には大きな差はないだろう。

 自分はiPhone 5s が長寿機種になると考えている。64bit アーキテクチャのチップが境目になるとかんがえるから。iPhone 5c は 5s より先に脱落するはずだ。

サイズ

iPhone 6 simulator
iPhone 6 simulator
  明治の板チョコの大きさがほぼ iPhone 6 と同じ(plus は ガーナチョコに近い)らしいので、試してみたのが右。片手では上部付近のボタン操作は不可能に近い。

 メニューボタンを2回タップすると画面上部が下がってくるというUIを披露していたが、アホかと言いたい。そんなことをする前に上の端に操作用のボタンを配置しないユーザインタフェースガイドラインを作るべきだ。今の iOS の UI は3.5インチ液晶を前提に設計されている。それに手を加えずに、小手先で対応を済ませようという発想に問題がある。Twitee という Twitter クライアントはこれに対するひとつの回答だ。

 Android は画面下に三つのボタンが配置されている。戻るボタンとメニューボタンがここにある。このため画面遷移の操作で上部のボタンを押す頻度が少ない(元々大きすぎて片手で操作できないから気にもならないかもしれないが、それは別問題)。これに対して、iOS のアプリは戻る(キャンセル)や完了ボタンが上端に配置される。フルスクリーンの画面遷移を伴う操作ボタンは押し間違えないように上部に配置するというガイドラインがあるのあろう。それは分かりやすいが、iPhone 6 のサイズには向いていない。

 何度も書いているように、「物理的なサイズが変われば最適なUIも変わる」ということだ。

 iPhone 6 が 5s と同じ液晶サイズを踏襲していたらすぐに予約していただろう。

カメラ

 iPhone の画素数が上がらなかったことは自分的には高評価だ。画素数競争はとっくの昔に終わっていると思うから。iPhone のカメラの画素数が Android のそれより少ないことを根拠に、iPhone のカメラの画質が悪いと言っていた人の iPhone 6 のカメラの評価はどうなんだろう。

 個人的には、モード切り替えでマニュアル操作(焦点と露出を別に設定できる)可能なUIを用意して欲しい。後、どうせ出っ張るようになったなら光学ズームも。

Apple pay

 「NFCなんて Android には前から入っていたよ」というのも浅い。Apple が追随することで NFC プラットフォームが決済システムとして「使える」フェーズに入るかもしれないと、NFC関係者が期待しているのだ。現状では Android の NFC を使って決済してる人なんかほとんどいないし、Apple の Passbook も使ったことはないが。

 個人的には電子小額決済は、現時点では使いたくない。Apple の NFC を使ったシステムが普及してJRの定期としても使えるようになれば考えるが。ferica と NFC の互換性が解決されないと読み取り機レベルで無理だろうし、これまで Ferica 規格に投資してきた日本のインフラ企業にとって一朝一夕には受け入れがたいだろう。

Apple watch

 これについて、Woodstream の木沢さんと意見が一致した。木沢さんは高級腕時計を結婚時に奥さんからプレゼントされて使っているらしい。だから、これ以外の腕時計を付けるつもりはないと仰っていた。同じことは前にも書いたとおりだ。

 「今、腕時計をする週間のない人が増えているから売れない」というのは分析が甘い。今、腕時計をしていない層がターゲットだ。

 じゃあ、今腕時計をしていない自分が Apple watch を買うかと問われると可能性は低い。今、自分が SUUNTO T6 を持っていなければ、心拍計を買うつもりで Apple watch が選択肢に入るかもしれないが。

 Apple pay の支払インフラが完成しJRの定期としても、コンビニ決済端末としても使えるようになれば欲しくなるかもしれない。

It’s too late > Why the Moto 360 can’t get here fast enough

 Moto 360 についての興味深い記事。「チラ見せばっかりしているうちに新鮮さが失われた。しかも、ライバルが新製品を出すことがわかっているのだから早くしないと」といったところ(もっと長いので興味の有る方は全文をどうぞ)。Moto 360 についてというより腕時計型の端末についての懸念は「デカイやろWW 優れたデザインのAndroid WearウォッチMoto 360」に書いた。

 ここでは、この時期にモバイル端末を出すというマーケティング上のミスについて考えたい。

 アメリカでは、9月が入学時期なので、PCなどのセールが行われることが多い。AppleもBack to schoolキャンペーンを打っていた時期がある。なので、この時期に新製品を出すことは、多くの製品では誤りではない。11月末頃からクリスマスにかけての商戦に対する準備も整う。新製品の爆発的な需要があったら供給ルートが混乱するし、売り切れによる取りこぼしが多くなる(クリスマスの贈り物にしたい場合には他の製品にしてしまう)。なので、9月か10月に発売し年末までに初期の需要爆発を収束させる必要がある。

 しかし、3年前からこれは Apple だけが考えれば良くなった。Apple は iPhone 4S 以降、毎年10月か11月に発売してきた。そして、ユーザは Apple の新製品を見るまではと秋まで機種変更を控えるようになった。更に、2年前に新型の iPhone(今年なら iPhone 5)を買ったユーザの2年縛りが解ける。これらにより秋の発売時には iPhone の新型の需要は爆発する。このサイクルが定着しつつある。

 デジタルデバイスを出すメーカーはこのサイクルを意識しなければならない。iPhone が訴求するかしないかは別として、デジタルデバイスに敏感なヲタクは Apple の iPhone 発表までは新しいデジタルデバイスを試す気にならない。なぜなら、買った端末が数カ月後に周回遅れに見えるようになる可能性がある。しかもそれが携帯電話なら、2年間は我慢して使わなければならないのだ。

 更に、iPhone を買うかどうか分からないが機種変更を控えていて iPhone ではなく Android を買ったユーザも新機種購入後は新しいデジタルデバイスに手を出す可能性は低いだろう。新しい端末を試すのに忙しいし、新しい端末用のアクセサリ(液晶保護シートやケースなど)購入の出費もかさむ。

 こんな状態で、新しい種類の Android 周辺機器が売れるだろうか?絶対に無理だ。それはこの Moto 360 が示してくれるはずだ。この構図は XOOM の時と同じだ(2月に発表して絶賛された XOOM だが、発売までに発表・発売された iPad 2 に完膚なきまでに叩きのめされた)。

 この記事の題では「なぜ早くしなければならないか」となっているが、もう手遅れだろう。今から9月に噂されている Apple の新製品発表までにモバイル端末を買うのは情弱だけだ(数は結構多いがww)。

Why the Moto 360 can't get here fast enough – CNET
The excitement of the Moto 360’s look is starting to fade

The Moto 360 no longer feels like a surprise. We saw it once in March. We saw it again, in person, in June. We’ve seen it again and again. We’ve seen leaks of its final features. Can a single product sustain this type of extended hype?

The first time the Moto 360 debuted, most people I knew were smitten with how amazing it looked. When I saw it again at Google I/O and shared pictures of it on Twitter, there were mixed reactions: some still thought it looked amazing, while others thought it was far too big and chunky. Lately, as more pictures leak on a seemingly daily basis, a lot of attention’s been paid to the Moto 360’s not-quite-fully-round display, with its black bar on the bottom.

When we see the Moto 360 again at an official launch event, what can Motorola reveal that will get people’s attention again? It’s going to be a challenge. Maybe some of its unique features, or its price, or even extra watchbands or design variations, can be shown off. After using Android Wear and seeing what the Moto 360 looks like, it doesn’t feel like there’s a lot of surprise left. Maybe I’m wrong. Of course, if it’s great, it won’t matter how surprising it is.