余りに表面的な/ MSのタブレットはマス消費者に浸透するか?

おやおや、Techcrunch ともあろうものがこんなピンぼけとは。「一般消費者製品であり、敵はiPadだ。」って、それより前に Android だろう。Windows 8 端末を作ってくれるメーカーは Android 端末を作っているメーカーだ。まず、Android への資源を Windows 8 に振り替えてもらわないといけない。iPad と一線交えるのはそれからだ。

 あと、「しかしSurfaceの場合は、ひとつのアプリのユーザがモバイルとデスクトップにもいることになるし、またMetroのタッチスクリーンもある。だから最初から意外と、デベロッパが関心を持つだけの大きさのユーザベースがあるかもしれない」というのも話にならない。Metro のタッチスクリーンも Windows 8 もまだ一台も市販されていないのにどこにユーザベースがあるというんだろう?それに、デスクトップとモバイルは全く異なる UI が必要だ。モバイルでも画面のサイズによって立てに使われるか横に使われるか違うし、UI の要素もプラットフォームごとに最適化しないと使いやすくはならない。プラットフォームが変われば最適化するのに多大な開発負荷がかかる。これは、Android 開発者が Android プラットフォームのフラグメントによって直面していることだ(iPad だって専用のUIで快適に使えるものはまだ多くはない)。UI を一から作りなおさなければならなければ一つのユーザーベースとはいえないのだ。

 また、ARM 版と intelCore 版を同時に同じ名前でリリースするらしいが、混乱しないか?同じアプリが使える(バイナリ互換)のならいいが、そうでないならここでも既にフラグメントが発生していることになる。

 まあ、何にしても価格が問題だ。同じ事をできる端末は山ほどある。

Microsoftの10.6インチWindows 8タブレットSurfaceはマス消費者に浸透するかな?

“本機はハードウェアとソフトウェアが一体化している。仕事にも遊びにも、どちらにも最高だ”、とロサンゼルスのMilk Studiosで今日(米国時間6/18)行われた派手な発表会で、Steve Ballmerはこう述べた。Microsoftは、AppleのiPadと本気でたたかう気らしい。〔ハンズオン記事。〕

MicrosoftはSurfaceを、“Windows 8のための檜舞台”として作った。厚さ9.3ミリ、標準サイズのUSB 2ポートがあり、大型のスタンドも付いている。それでいて重さは1.5ポンドと軽い。ケースはマグネシウム製だが、この素材をMicrosoftはVaporMgと呼んでいる。ディスプレイの表面はGorilla Glass 2が張られている。液晶表面に硬質ガラスを直接張る技術は、MicrosoftがSurfaceで実現した新特許らしい。すなわち、あくまでも一般消費者製品であり、敵はiPadだ。

OSがWindows 8だからMetroがあるが、通常のWindows機としても使えるし、またXboxの機能もある。今月初めのE3でMicrosoftがXboxのSmartGlass機能を発表したのは、当然、Surfaceの前宣伝だ。

いくつかのアクセサリもMicrosoft自身からのご提供となり、たとえばキーボード兼カバーは厚さ3ミリと薄い。装着が磁石方式なのは、iPadのSmartCoverの真似か。裏には、本体と同幅の巨大なスタンド*がある。〔*:スタンドはアクセサリ製品ではない。詳細はこの仕様表を見てください。〕

Surfaceは2種類あって、ひとつはARM機*、もうひとつがIntelだ。〔*: OSは正規のWindows 8ではなくWindows RT。しかし上述の“軽く”て“薄い”のはこっちのほう。〕

どんなすばらしいハードウェアも、ソフトなければただの箱だが、Ballmerは発表の席でWindows環境の強みを強調した。つまり、Metroとおなじみのデスクトップ環境の両方がある。Skyrimなどごく一部のソフトを除いては*、従来のWindowsソフトがすべて動くはずだ。〔*: デスクトップ機でないと無理、の意味。〕

しかしMicrosoftは、デベロッパの量と質でAppleに対抗できるだろうか? iPadで稼いでいる零細デベロッパたちは、従来からMicrosoftを無視している。タブレットも、iPadほどユーザ数の多い製品はほかにない。しかしSurfaceの場合は、ひとつのアプリのユーザがモバイルとデスクトップにもいることになるし、またMetroのタッチスクリーンもある。だから最初から意外と、デベロッパが関心を持つだけの大きさのユーザベースがあるかもしれない。

なおストレージは、ARMバージョンが32GBまたは64GB、Intelバージョンが64GBまたは128GBだ。発売日は未定だが、お値段は“競争に勝てる価格にする”、と彼らは強調した。

それは希望じゃなく妄想。>露と消えた日本メーカーの希望 MSの自社製タブレット発表で

日本メーカーがAndroid市場においても完全な負け組である事には賛同する。が、このライターはまだ分かっていない。日本メーカーは負け組の Android の一角ではない。「日本メーカーは Android 市場の中での負け組で一角というような存在感を持っていない」が正解だ。Android 市場では Samsung と Amazon だけが現状の生き残り組だろう(2012-1Q で kindle fire は失速したという報道もあったが)。

 それと、この記事では、Windows 8 タブレットを MS が出すことで、息の根を止められたような論調だがこれも間違い。Microsoft が Windows 8 タブレットを出す前から Windows 8 端末で日本メーカーの名前なんか全然聞いていない。Windows 8 市場が成功するか失敗するかはわからないが(慎重ww)、その市場の中での競争は Android 市場と一緒だ。Windows 8 端末を発表しているメーカーは全て Android 市場の上位を占めるメーカばかりだろう。Android 市場で全く歯が立たない相手と Windows 8 市場で戦ったって結果は見えている。

 そういえば、iPad 2012 の仕様が発表になった時に、「日本メーカーにもチャンス」と言ったらしい日本メーカーの技術者は Windows 8 をどう考えているのだろう。

露と消えた日本メーカーの希望 マイクロソフトの自社製タブレット発表で – Japan Real Time – jp.WSJ.com

次世代基本ソフト(OS)「Windows(ウィンドウズ)8」に、急成長中のタブレット端末市場への参入に対するかすかな希望を託していた日本の電子機器メーカーにとって、マイクロソフトが自社製品でタブレット市場に参入すると発表したことで、その希望はほぼ打ち砕かれてしまった。

タブレット市場はアップルの端末「iPad(アイパッド)」の独壇場となっており、日本メーカーもグーグルのOS「Android(アドロイド)」を採用する負け組の一角に位置している。ソニーやパナソニックをはじめとする日本メーカーにとって、アンドロイドを採用するか、最初のタブレット端末ブームに乗り遅れるか、それ以外にほとんど選択肢はなかった。だが、アンドロイド搭載端末の場合、多くの競合が同じOSを使用しているため、差別化は困難だとメーカー幹部らはもらしていた。

そのため、圧倒的市場地位を誇るマイクロソフトのOS「ウィンドウズ」の次世代版「ウィンドウズ8」にわずかな期待を寄せる向きが業界にはあった。ウィンドウズ8が発売されれば、タブレット市場がもっと多くのビジネスユーザーに開放され、日本メーカーにとってはたとえ時間がかかるとしても、世界のタブレット市場でシェアを獲得できるチャンスが訪れる可能性があるとみていたためだ。

だがマイクロソフトの自社製タブレット開発の決定によって、そうしたもくろみは外れることになった。それはマイクロソフトにとって、他社製コンピューターで実行可能なソフトウエアを開発するという従来のビジネスモデルとの決別を意味する。ウィンドウズ8搭載タブレット端末を他のメーカーが開発するにしても、今後はマイクロソフトとも争うことになる。

マイクロソフトは新型タブレット「Surface(サーフェス)」の価格を公表していないが、自社製タブレット開発の発表は簡易ブログサイト「ツイッター」で大きな話題を呼び、「タブレット」「サーフェス」「マイクロソフト」の3語は日本でトレンドのトップ5に入っている。