GIANT を選んだ理由

 昨日、増谷自転車で GIANT のクロスバイク ESCAPE RX3 を発注してきた。このエントリでは、RX3を選んだ理由ではなく、GIANT 縛りで機種を探した理由について整理する。

 311の地震の際に、多くの企業や個人が救援物資を提供した。その中で、特に印象に残ったものが GIANT からのものだったから。その時に「次に自転車を買う機会があったら絶対に GIANT にする」と決めたのだった。だから、フラットバーロードが他から出ているかどうかは一切無関係に RX3 にしたのだった。

 あらためて、GIANTの支援物資についてまとめておきたい。GIANTの東日本大震災復興支援にMTB1000台を提供。(2011.4.5)災害復興支援マウンテンバイク 寄贈のご報告(2011.05.31)をご覧頂きたい。

 GIANTが現金ではなく自転車を送ることにしたのは、生活物資を搬送する必要があるが被災地は被災地は交通網が分断していて自動車では通行できない所がある。ガソリンの入手が困難になっている所がある。お金を送っても、そもそも物資の供給ができていない段階では意味が無いことが予想されたからだろう。そして、GIANT は自転車ならこれらの問題を回避できるし自社の強みを活かせると考えたのだろう。

 他の業種の企業がすべて真似できることではないし、フェーズによっては現金が必要になる。なので、現金を送った企業が卑下する必要は全くないが、役立てる技術を効果的に使うという発想を持ったところは賞賛されていいと思う。また、自転車乗りとして、その仕様には感激させられた。

  1. 道路状況を勘案しブロックタイヤのROCKを選択
  2. リアキャリア(最大積載量25kg)と荷ゴム装備
  3. サイドスタンド装備
  4. フロントヘッドライト装備
  5. 使用者の安全性を最優先として、被視認性が高いイエローxレッドのフレーム色を採用。
  6. 公共的な使途を促進するため、車体中央部に「震災復興支援品」と明記し、市販の製品との差別化を図りました。
  7. メンテナンス用として、フロアポンプ(空気入れ)とハンディツール(携帯工具)、チューブ1台分(2個)を5台に1セットずつ同梱。
  8. 国内の輸送は提携の日本企業に依頼し、被災者に一切の負担をかけずに届けた。
  9. 356mm/XS (適応身長155-165cm) x 400台,406mm/S(適応身長160-175cm)x 600台

 震災の被災地の物資搬送に使うという特殊用途を考慮した仕様。自転車屋がないであろうことを想定した、本来付属しない用品類までつけてくれてること。これらは、本当に自転車を生活必需品として日常的に使っている人間だから思いついた仕様だ。GIANT がビジネスとして自転車を扱ってるだけの企業ではなく、自転車を作るビジネスをしている企業であることが伝わった。

 それだけではない。この仕様のうち、色が通常では存在しないものであることが分かる。これが意味することは大きい。自転車でフレームの塗装はかなり組み立ての最初の工程だ。つまり、この自転車は日本に送られるために色を塗るところから始めて組み立てられたということを意味する。さらに、この発表記事が4月5日のものということは、地震後1ヶ月未満で1000台の特注自転車を創り上げたということだ。

 地震が起きてから、救援物資として自転車が使えるとわかってから、仕様を決定し工場の生産計画を変更し、デザインを起こし、フレームや備品を調達し、生産を行う。1,000台もの生産を急遽ラインに割り込んでそれを実際の製品まで短時間で持ってこれるという生産能力。調達力(在庫していたかもしれないが、その場合にはそれだけの在庫ができる体力)は、世界一の自転車メーカーの名に恥じない。GIANT が世界一の生産量の自転車メーカーではなく世界一の自転車メーカーであることを示したと思う。

 そして、何より素晴らしいのはビジネスのスピードだ。トップが意思決定をし、デザイン部門や調達部門、生産管理、製造部門、営業(発送の手配や日本企業との折衝は営業がやったはずだ)、すべての部門の末端までが意思統一されて、有機的に動いて初めてこのような対応が可能になる。GIANT が自転車メーカーとして一流であると同時に企業として一流であることを思い知らされた。

 台湾は小さな国土と少ない人口なのに多額の義援金を送ってくれた。このことは忘れてはいけない。そして、東北の被災された方はまだ GIANT の自転車を買う余裕はないかもしれない(ホームセンターのママチャリと比べると高いのは間違いない)。だからこそ、被害の小さかった地方に住む自転車乗りとして GIANT の自転車を買おうと思った。

 こういうと、GIANT の自転車がこういう気持ちがないと買えないようなものであるような印象を持ったかもしれないが、全然そんなことはない。GIANT はツール・ド・フランスに出るチームのサポートも行なっていて、その自転車は何度もステージ優勝を飾っている。また、現在ではスタンダードとなっているTTバイクのフレームワークを最初に出したのも GIANT だった。後、GIANT の自転車は通常は通販では入手できないので、Amazon のリンクを貼ることはできない。少しでも興味を持ったらお近くの自転車屋さんに行って欲しい。ホームセンターやスーパーでは売っていないので自転車専門店に行く必要があるGIANTディーラー

 ただ、GIANT は自転車界の iPhone のようなものかもしれない。初めてスポーツ自転車を買う人に、「GIANT の中から選べばいいよ」と言っても後で恨まれることはない安心ブランドだ。面白みがなかったり、個性的でなかったり(なんせ数が多いから)するかもしれないが、「ちゃんとした自転車」を選ぶ母集団として文句ない。

自転車屋詣(GIANT RX3発注)

修理

trek7100 息子のTREK7100のリアシャフトが折れていた。とりあえずクイックを締めこんでしのいでいたが、今日三田の自転車屋(増谷自転車)に行って修理してきた。

 TREK7100を買ったのは4年半前で息子が高校入学の時だった。当時はクロスバイクが流行し始める前くらいで、クロスバイクの方向性が定まらない時期でマウンテンバイクをロード風にしたものやロード専用のものなどがゴチャゴチャだった。TREK7100はその中で少しオフロードよりの仕様の自転車だった。Fフォークがサス付きでVブレーキにマウンテン用の変速機がついていた。リアは135mmでボスハブだった。ここが弱点で、ほぼ一年に一回シャフトが折れてきた。3本目を折ったときにホイールごと交換したが、そのホイールのシャフトが今回折れたのだった。

 この規格のホールを使っているスポーツバイクは現在のラインナップにはないらしく、店にはシャフトが無いらしかった。後ろや棚を漁って互換性のあるシャフトを使って修理してくれた。シャフトを探すのに時間がかかったのに加え、フレ取り、リアブレーキシュー交換、調整もやってくれたので、トータルで2時間近くかかった。

次期通勤バイク

GaryFisher 一昨年の夏に駅で GaryFisher の Hoo Koo E Koo というモデルのマウンテンバイクを盗まれてから通勤用の自転車をどうするか迷いに迷ってママチャリで通勤してきた。
OCR-F2011 年春に GIANT が世界最大の自転車メーカーとして見せた東日本大震災救援自転車に感謝する気持ちを表すためにも、通勤自転車は GIANT に決めた。そして、ラインナップの中に OCF-F というフラットバーロードがあることを知り、決めた。フレームのグレード的にはRX3と同じ(ジオメトリは違うが)ハイドロフォーミングによる3次元成形アルミだったが、コンポがロード用(コンパクトクランクの2枚Fギアにキャリパーブレーキ)であることとクランクの長さが165mm(ロードと同じ長さ)を選べるということ、Fフォークがカーボンということが魅力だった。しかし、リアル店舗で自転車を買うことのめんどくささのために放置しているうちにラインナップから OCR-F は消えてしまった。

 その後、GIANT の2012年モデルでフラットバーロードにカテゴライズされるものは FCR しかなくなっていた。しかし、FCR は9万前後と高いのとフレームがエアロフォルムで、こんな目立つフレームを駅においておくのは盗んでくれと言っているようなものだから却下した。残るは RX3 かクロモリの TRADIST だが、雨ざらしになることもある通勤用に鉄のフレームはちょっと怖い(ママチャリは鉄でも平気だが・・・)。そこで、迷いに迷って放置していた。

RX3 今日、店頭に並べられている中に GIANT RX3 があり、価格が昨年モデルより1万円近く下がっていることに驚いた。コンポのグレードはそれなりのものだが、通勤用なら十分すぎるくらいなので、決めてきた。

 決める前に試乗させてもらった。サイズは自分にジャストのXSだった。ハンドルが近くて高いので Hoo Koo E Koo よりコンパクトな感じだったが、サイズを上げるとハンドル位置が高くなってしまう。ハンドルとサドルの間の距離はステムで調整するつもり。ちなみに、 Hoo Koo E Koo も購入後にステムを交換していたしハンドルも一番低くしていたので、当然かも知れない。

 店の在庫は白だけだったので青を取り寄せてもらうことにして帰ってきた。

one more thing

 ママチャリ用の電球を買ってきた。