GPSロガーについて考える

k1375605886 先日大川瀬ダムに行った時、iPhone でルートを確認しようとしたら圏外で地図が表示されなかった。携帯回線依存型地図デバイスでは不可避な事態だ。あまりに久しぶりな事態で驚いたが、GARMIN eTrex Vista HCx(以下 eTrex) の地図でルートを確認して事なきを得た。というと、完全に迷子になったように思えるが、方向は分かっていたから、遠回りになるかもしれないが、勘で走ってもほぼ目的のルートに行けた。最悪でも来た道を引き返せばいいので大した問題ではなかったが。

 後で思い出したが、自分は Mapfan を買っていたので困る必要はなかったのだった。「初めての道で圏外」というのが久しぶりだったのでちょっと冷静さを失っていた。そこは近所に集落があって人が住んでいる場所で市街地から遠くないから圏外になることを想定していなかったのだ。softbank 3G の圏外の場所は未だに多いし、自転車で走っていても圏外になる場所はある。が、自分がよく知っている場所なら地図を確認する必要はないし、事前に圏外と分かっている場所では iPhone を取り出そうとすらしない。

 そんなことや iMac に Windows 8.1 をインストールしてログ取得環境構築を行っていたら GPS ロガーが欲しくなった。eTrex は自転車の走行ログをとるという自分の用途にはオーバースペックだ。走行中に小さな液晶画面の地図を見ることは不可能だし、止まって地図を確認するなら iPhone がある(今回はミスったが Mapfan があるので圏外でも関係ない)。そこで、ログを取ることしかできないが軽くて小さな専用機があればと思ったのだ。

 今のロガーは優秀でコールドスタートでも1分程度で補足が完了するらしい(eTrex は最初の一個はもちろん数十秒で捕まえるが、衛星を十分な数補足して安定するまでは3分位かかる)。中には、Bluetooth で Mac と接続してログをダウンロードできるものもあるらしい。

 これまでは、eTrex のログをカシミール 3D のダウンロードツールで取り出すしか無かったので、Windows 環境やドライバが必要だったが USB マスストレージデバイスとして使えることが分かり eTrex を使う上での不便さが大きく解消された。(今考えれば、eTrex の CF カードを取り出して PC にマウントしてしまえばよかったのかもしれない。)軽さや小ささは専用ロガーのアドバンテージだがそれだけになってしまった。

Another choice

igotU i-gotU というブランドのロガーが充実していた。小型の GPS ロガーは前から知っていたが、液晶付きレシーバーやサイコン型、腕時計型もあって、サイクルコンピュータ用のセンサーや心拍センサーもあった。そして、前に書いたように、Bluetooth を使って iPhone アプリでログを記録できるらしい。iPhone がサイクルコンピュータや心拍計の本体代わりになるということだ。

 このソリューションは非常に魅力的だ。他にどんなデバイスを持っていても必ず持っていく iPhone(Androidでもいいが)が本体代わりになるなら、自分なら Cateye V2 と Sunnto T6 の本体が不要になる。

 問題は iPhone 4S の電池だ。iPhone の電池が切れたら全てのログがとれなくなる。それだけでなく、電話や地図の確認といったサバイバル用途も使えなくなる。iPhone 5s の M7 チップならこういったことを低消費電力でこなせられるかもしれないが 4S では無理だろう。それに丸2年間、ほぼ連日放充電を繰り返しているというハンデもある。iPhone のために電池を持っていかなければならないのなら本末転倒だ。

地図好きおやじの GPS 遍歴

A5502K

A5502K GPS レシーバーを初めて使ったのは A5502K という携帯電話だった。自律測位できない機種だったが、逆に補足は速かったし制度も十分に高かった。しかし、当時のパケット従量課金プランでは地図データを継続的にダウンロードするのは怖くてできなかった。また、端末で撮った写真の exif タグに位置情報を埋め込むこともできなかったので不便だった。写メール掲示板に投げる時(今考えれば instagram の先を行っていた)に本文に位置座標を入れるくらいだった。

Magellan for Visor

1975133667 しかし、GPSに対するあこがれは強く、palm visor prism 用の Magellan 社の GPS Companion を買った。日本では使えない地図データしか付いていなかったので、ウェブサイトの地図(Google map はまだなかった)をキャプチャしつなぎあわせて地図データを作り、その地図上にポイントされるのを喜んでいた。その頃の地図は測地系が日本ローカルのもので、Magellan は世界測地系なので苦労したものだった(300m くらいずれた)。はっきり言って実用度はゼロだったが、GPS 衛星の補足情報やその仕組、測地系の違いなどはこの時に学習した。Visor prism が壊れて CLIE になった時点で Magellan とはお別れした(visor の springboard という拡張スロット用だったので CLIE では使えなかった)。

Garmin eTrex Vista HCx

 その後、自転車でツーリングするときのために地図が見れる実用に耐える GPS レシーバーが欲しくなり GARMIN GARMIN eTrex Vista HCx を買った。Wiggle から買ったので英語版地図は国内の開発者から別途購入してインストールした。GPSログは windows XP のカシミール 3D でダウンロードして管理していた(HCX をマスストレージデバイスとしてマウントできたので Windows が不要だったということを先日知った・・・)。GPS ログを Alps lab route というサイトにアップロードして楽しんでいたが、Alps lab が Yahoo に買い取られてその間のログは消えた。iMac 2007 の Windows XP に残した gpx ログも HDD トラブルと同時に消えた。

iPhone

 A5502K から Nokia N73 を経て iPhone 3GS になってから GPS がさらに身近になった。eTrex は地図上の現在位置を確認するには十分だが、検索ができない。海外であればできるかもしれないが、自分が持っている地図ではできない。これが iPhone の地図と大きく異なる所だ。eTrex はロガーとしてしか使わなくなった。

 iPhone が 3GS から 4S になっても特に変化はなかったが、2014 年にして Movescount によって更に用途が拡大した。Suunto T6 と GPS ログは完全に独立した存在だったが Movescount によって同じログDBに入れられるようになった。Suunto T6 のログに gpx ログをインポートできるようになれば完璧なんだが・・・

Movescount for iPhone

2014115_suunto_movescount Suunto T6 のログを管理する MovescountMovescount for iPhone があったので入れてみた(無料)。

 スタートと終了をするだけでいい。一度クラウドとリンクしておけば自動的にアップロードされるので PC と繋ぐ必要もない。非常にお手軽でGPSのトラッキングも正確だ。しかし、ノイズを拾うのか変なログが有る。通勤経路の最低標高がマイナスになっていた(自宅から駅まで標高が100m以下のところはない)。このため、上りと下りの獲得標高がでたらめな数字になってしまっていた。更に、最高速が107km/hになったりもしていた。SUUNTO は時々 200km/h をオーバーするがそれを踏襲してるんだろうか(^^;

 移動ログを取れるアプリは山ほどあるし、機能的には平凡というか貧弱かもしれない。しかし、Suunto T6 のログと一括管理できるのは自分には大きい。残念なのは、iPhone app では心拍は取れず、T6 では GPS ログが取れないこと。T6 のログに GPS のデータをインポートできれば楽しさが倍増するんだがなぁ・・・(T6 に GPS pod を付ければいいんかな。T6 に GPS ログを記録する機能あったかな?)

 http://www.i-gotu.jp/ のセンサーを使えば一挙解決・・・かぁ

ジオキャッシュ

 先月のいつだったかに、auのjavaアプリでGPSを使った宝探しゲームについて書いたエントリをどこかで読んだ。それで、TidBitsの記事を思い出した。

TidBitsテキスト版683号
インターネットで体を動かそう: みんなで宝探しを!

 そこで紹介されていたジオキャッシングには日本のサイトもあった。しかし、日本でしか絞り込めないので、近くにあるものを探すのは面倒。というか、密度も低いので、たまたま生活圏内にある場合はいいが、そうでない場合は(大半はそうだろう)何時間か車で走らなければならない。

 このゲームはGPS携帯と親和性が高そうだ。俺のprism+GPScompanionでもできなくはないが、地図がないので、座標だけで探さなければならない(^^;

追記:良く考えたら、geocachingでは示されるのが座標だけなので、A5502Kでは登録できなさそう。それに、座標系が違う可能性もあるし(A5502Kがどちらなのか調べてないからはっきりとは分からないが)。
確実なのは、サイトで拡大地図をプリントして持っていくことだが、それじゃ楽しさ半減だよな・・・

A5502K Ezナビウォーク・ヘッダ情報

□Ezナビウォークに対する誤解。
 と書くと、Ezナビウォークについて書くと思われるかもしれないが、全然書かない。Ezナビウォークは全く使っていないからだ。通信料金以外に月額料金のかかるサービスに加入する気はない。

 書くのは、GPS機能について。俺は、Ezナビウォークを使わないとGPS機能が使えないのかと思っていた。ところが、座標の取得や地図の表示は可能だということに今頃気付いた。ということは、この端末の売りである、Ezナビウォークや電子方位磁針は使えないものの、GPS端末として座標の送信は可能ということだ。

 メールを作るときにGPS情報に関するメニューが有り、事前に登録したスポットのデータを入れたり、その場で取得することが可能だったのだ。

 いやあ、完全に諦めていただけに嬉しい。「なんだ、この端末は。Ezナビウォーク使わなきゃGPS端末以下じゃん」と思っていたのだ。失礼しました、auさん。

 メールで取得すると以下のような文字列がメールの一行目に挿入される。(下記の座標は実際に取ったものを加工しています。ここがさしているのが個人の家であっても、記事とは全く関係有りません)

【GPS情報】http://walk.eznavi.jp/map/?datum=0&unit=1&lat=+34.82392&lon=+135.25788&fm=0

 ここまではだいぶ前に書いていた。エントリの下書きだけして満足してしまったのだった(^^; そんなときに、俺にとってビッグニュース(でもないか)があった。

ITmediaモバイル:使いたいときだけ「EZナビウォーク」†都度課金の「おきがるコース」が登場

 auは4月下旬から、A5500シリーズで提供しているマンナビゲーションサービス「EZナビウォーク」に、都度課金の「おきがるコース」を新設する。申し込んでから24時間利用可能で、料金は95円。月額課金の210円コースと同じ機能を利用できる。

 これはいい。日常生活でナビを使う必要のある人は少ない。使うのであれば、月額210円というのはそれほど高いわけではない。ユーザーの心理として、初めての場所に行くとき、最寄りの駅から目的地に移動するためだけのために、月額料金を徴収されるのがいやなのだと思う。

 国内旅行に行ったときなどに数日間だけ使いたいというユーザーが大半だと思う。そういう使い方ができれば楽しいとは思っていた。俺自身はかなり懐疑的だったEzナビウォークが急に身近に感じた。もちろん、地図のパケット代が気になるから、長距離の移動には使わないだろうが、最寄り駅からの数百メートルでは威力を発揮するだろう。

 前に、公園に駐車場があるのに、駐車料金をケチって路上駐車をする車が絶えないので、30分以内を無料にしたところ、路上駐車は減り駐車料金収入も増えたという記事を読んだ。ユーザーは、使ったものに使った分だけ支払うのには抵抗がないのだ。使うかどうか分からなかったり、ほんの少ししか使わないのに払わされるのがいやなのだ。これと同じことが期待できる。少なくとも、月額料金を嫌がって使わないユーザーの単発的使用は大きく増えるだろう。繰り返しになるが、月額210円というのは旅行先の移動のことを考えれば全く痛くない額だろう。ただ、使わなくなったときに無駄な固定料金を取られたり、解約しなければいけなかったりするのが心理的な障壁だったのだ。

k-tai: EZナビウォークは「パラダイムに関わる新たな提案」じゃないらしい
かくいう私もEZナビウォーク非対応機種ユーザなので、本当に使いやすいのか、ケータイの価値が変わるほどのサービスなのかはわからない。(汗)

 これが写メールほどの影響を与えるとは俺も思わないけど、Ezナビウォークの実用度を上げる効果はあると思う。このサービスが始まったら、どこかでテストに使ってみようという気にはなった。しかし、良く考えたら、俺はまだお試し(最初に使用したときから15日間は無料)すら使ってなかったような・・・元々、知らないところに出かける機会なんかほとんどない生活をしていたりするしな。

 蛇足になるが、地図は読めるし方向感覚も悪くない(つもり)。事前に用意して出かけるときに困ることはあまりないんだよな・・・

□ タイムリーでもないが、auが au携帯電話におけるEメールヘッダ情報表示機能の提供を開始した。(見落としていて、mDiaryで知った)

 スパマーの発信元を突き止める可能性を少しでも増やそうということだろう。が、例によって残念なところがいくつか。ezwebでパケット代を払って見なければならないこと。smtpサーバーとメールIDが分からなければ、文句を言っていく先が分からないことだ。

 PCで検索して、拒否の設定までできないと効果は上がらないだろう。
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GEEK: A5502K エントリ一覧

逆効果な提灯記事:ZDnet

EZナビウォーク、個人的には「消えた~」:速みち

でもそのまえに、まぁそこそこサービス内容がわかる記事としては、十分おなかいっぱいなので、EZナビウォークを人柱的に使ってみたい、という欲求はほとんどなくなってしまいました。

 わっはっは。これじゃ、ちょうちん持ちの立場がないね。けどまあ、使う使わないかにかかわらず、技術系な方が興味を惹かれるのは分かる。GPSレシーバー、アナログTVチューナー、バウリンガル、FMラジオチューナー、MP3プレーヤー、デジカメ、ムービー・・・PDAよりおもろい。

 まあ、ほとんど全部PDAでできるものばっかりなんだけどね。

GPSケータイ活用方法

SAPとKDDIが「GPSケータイ」利用の顧客管理システム :Mainichi INTERACTIVE モバイル

 営業に導入した場合は、顧客管理システムに登録された情報にGPSケータイを通じてアクセスし、最短の訪問ルートを組み立てられる。訪問時の営業活動をGPSケータイ経由で顧客管理システムに登録できるため、日報などを作るため会社に戻らなくてもすむようになる。

 「すむようになる」と、便利になるように書かれているが、いつでも場所をつかまれる営業パーソンは大変だろう。公園やポルノ映画館で昼寝したり、hotspotで遊んでいるのがバレバレやん。

 しかし、この位置特定データを活用する方法として、緊急連絡通信が考えられる。緊急用のボタンを押したら、位置情報を付けて特定の場所に自動的にメッセージが届くというのはどうか。それと、痴漢撃退ブザーみたいなものと連動させてもいいだろう。

EZナビウォーク・人ナビ

KDDI、歩行者ナビなど新ラインナップのサービスを紹介

 牧氏は、「ムービーは伸びたが、GPSはコンシューマーで伸びていない」と語り、従来の位置情報サービスがコンシューマー市場で成果を挙げていないと指摘。その理由として、「金がかかる」「時間がかかる」「扱いが面倒くさい」の3つを挙げた。

 と、ここまで分かってるのに、「金がかかる」を月額固定にするって・・・それとも、俺が根本的に間違ってるか?ひょっとして、月額固定サービスに加入しなくても、Brewアプリの地図サービスで地図を取得し自律測位で場所を表示できるのか?だったら「使える」んだけど・・・

AUのGPS

 新しいAUのGPSチップの説明で、「端末で処理できる」と言うものがあった。それで分かった。prismのGPSモジュールであれだけ掛かる位置情報の取得がケータイでそんなに高速にできるのか疑問だった。最近のケータイのCPUはprismのものより速い可能性があるので、「prismより速いはずはない」とは言えないけどね。

 これまでの、というか今の端末はケータイから送られてくるデータをもとにサーバーで位置を演算するらしい。端末からの情報と複数の基地局の情報も使えばさらに精度は上がるだろう。それ以前に、基地局の情報から半径10kmくらいには絞れているから捕捉すべき衛星の周波数をサーバーから送ってやれば、GPS端末単体で頑張るより短時間で計算することが可能かもしれない。面白いなあ。

 ということは、新しいGPSチップが搭載されて初めてGPS端末といえるのではないだろうか。今のは、GPS衛星の発信する位置情報電波を受信して、サーバーに送るだけだ。これなら、あんまり端末に負担をかけなくてすむ。掛かるのは、回線使用料だけ(それが狙い?)。

 それにたいして、J-phoneの位置情報は捕捉している基地局の位置でしかないから、同じ位置でも変わってみたり、10km近く離れている基地局のデータだったりする。10kmの誤差のある位置情報では・・・ロードマップを読むときの参考にすら使い難い。しかも、捕捉する基地局は最短距離とは限らないから、市レベルでの移動しかトレースできない。

 そういえば、あまり聞かないが、WCDMA端末の位置情報はどうなんだろう・・・QUALCOMがGPSの特許を押さえているんだろうか・・・?