クラウド依存の恐怖 Nドライブ 終了

N drive 終了のお知らせ 数カ月前には RICOH の Quonp というクラウド・ストレージサービスが終了した。今度は Never Nドライブ だ。

 Nドライブ の Mac OS 用アプリがパソコン起動時に毎回ダイアログが出てうっとうしいので起動しないようにしていた。使用頻度の低いファイルを放置する場所としてNドライブを使っていた。たまたま、そのファイルを見ることがあり、終了することを知った。危うく載せていたデータを失うところだった。Nドライブは Dropbox や Google drive 、skydrive と異なり、データをアップロードしPC上にはファイルを残さない(ショートカットのみを残すイメージ)。なので、サービスが終了するとファイルが完全に消えてしまう。

 一時期雨後の筍のようにクラウド・ストレージサービスが立ち上がったが、Google、Microsoft、Amazon といったビッグプレーヤーが参入することで淘汰が進んでいるようだ。今のところ、iOS との親和性と先行者のアドバンテージを活かしている Dropbox だけがベンチャーとしてビッグプレーヤーと対等に戦っているという状況だ。

 自分が今使っているのは、Dropbox、Google drive、Skydrive、Yahoo!ボックスの四つだ。Amazon もアカウントを持っているので自動的に 5GB のストレージが使えるらしいが使ったことがない。ブラウザでしかアクセス出来ないのでは不便すぎる(Yahoo!ボックスは Mac OS アプリはないが)。

 とりあえず、NドライブのデータをiMacにコピーしようとしたが、エラー連発。100枚以上の写真をコピーしようとすると途中でリンクが切れてしまう。これじゃ使い物にならない。他のサービスでこんなことはない。

なんでもかんでもリンクすな

 数年前からブラウザに限らずアプリやファイルシステムなど全てのデータがクラウドで同期され始めている。メリットを書き並べる必要は無いだろう(だよね)。ここでは自分が積極的にクラウドによる同期を使わない理由を考えたい。

 デバイスの種類や使用する状況によって使う対象は変わる。自宅でアクセスするサイトと会社でアクセスしたいサイトは違う。だからブックマークを共有するメリットを感じない。というより、自宅のPCでXX省のサイトなんて見たくもないし、自宅でご愛用のサイトのブックマークやタブが勝手に会社のパソコンで表示されるのも困る。プロジェクターで表示しているときにブックマークを開こうとメニューをクリックしたときに、趣味のブックマークがずらっと並ぶなんて恐ろしい。まして、間違えて履歴でも開いた日には悲鳴が上がりかねない(^^;

 物理的UIが異なれば見たいサイトも変わる。PCで愛用のサイトとタブレットで快適なサイトは別だ。また、モバイルに限っていえば、ブラウザで開くよりアプリで開いたほうが速くて快適だ。将来的には、サイト側が対応することで最適化したページを表示できるようになるかもしれないが、大きな写真や動画を見るためのサイトを最適化されていてもスマートフォンの小さい画面で見たいとは思わない。

過渡期の問題かもしれないが、共有デバイスの問題もある。パソコンならログインユーザごとにブックマークは管理できるが、タブレットはそれが出来ない。個人や会社のブックマークをリビングデバイスのタブレットに同期されては困ることが多い。

 後、これらのサービスがブラウザの囲い込みの手段としてのみ使われている点だ。ブックマークやタブの共有が出来るのは同じブラウザ間でしかない。iMac では Safari と Firefox を使い、会社では Firefox と Sleipnir、iPhone では Safari、Android では Y!ブラウザ を使っている。iPhone では OS の制約のために選択肢が限られているし、Android も快適なブラウザは違う。ブラウザごとに違うブックマークが作られていしまっている。

 ここまではブックマークに限定して書いたが、写真や動画データも全く同じだ。クラウドストレージに置いてくれるのはいいが、共有しているタブレットに表示されて困るものも多いだろう。

 Dropbox のフォトアップロードや iCloudのフォトストリームなどは便利だが、知らないうちに数十メガクラスの通信をしているということでもある。これは、予想外の電池の消耗につながるだろう。

 また、驚いたのはGoogle docs で作ったファイルが Google drive の設定をしたPCのHDDにあったこと。Google docs はIDとパスワードを知らないとアクセスできないが、Google drive の同期フォルダにあるということは、PCを見せる機会があったら見られるということだ。そして、切実なのは、会社でウィルスを強制インストールされていて、操作したファイル名をすべてログに取られているようなケースだ(つまり自分)。このような状態で、不用意にそのファイルを開いてしまうとログに残ってしまう。ブラウザなら暗号化されたセッションでプロキシに残っていても解読はできないのにだ。

 さらに、Dropbox,Google drive,Sugar sync,Never drive… サービスによって同期フォルダの作られる位置がまちまちでめんどくさい。また、Explorerでフォルダが特別なフォルダで表示されるのも困る場合がある。会社のPCはプロジェクターで表示して使うことが多い。そんな時に、ファイルを開こうとした時にダイアログに Google drive とか Dropbox といった名前のフォルダがあると、一発で「こいつ会社のPCにDropbox入れとる」と分かる。

「Google DriveのローンチでDropboxへの影響甚大?」か?

 Dropbox のリードはまだ大きい。特に、iOS 版では他のアプリとのストレージのように使えるという点で他のサービスやアプリを大きく引き離している。無料の大容量スペースを売りにしたサービスは雨後の筍のように現れたが、結局「使える」のは Dropbox だ。Google Drive が現れることで Dropbox が値下げしてくれるとユーザとしては嬉しい。

 クラウドのストレージは多くあるし Dropbox 以外に、Yahoo! box、Sugarsync、Box.net、Ndirve、Quanpと合計で 100GB 以上を追加費用無しで使える。しかし、使っているのは Dropbox の無料アカウント 5GB だけだ。自分の場合は、Mac OS、Windows、iPhone、iPad、Androidの全ての専用アプリが用意されていることが必須。次が(これが一番ハードルが高いが)iOS のアプリの他のアプリとの連携が可能なことだ。ほとんどのサービスは二つ目の条件でふるい落とされる。

 他の iOS アプリのストレージとして使えるようにするのはサービス側だけでは駄目だ。この点で、後続のサービスは苦戦を強いられている(日本ローカールの Yahoo! box や Quanp は追いつく可能性はないだろう)。Google は map やカレンダーなどで API の開放を行いアプリ開発者との関係が深い。Google Drive がモバイル機器のストレージとして Dropbox の代替サービスとなれるかどうかはアプリ開発者に対して魅力的でありえるかどうかにかかっているだろう。

 iPhone アプリでデータを保存しようとした時に保存先として Google Drive が出るようになるかどうかが勝負だ。それができなければ、「Dropbox みたいなクラウドサービスを Google もやってるらしい」で終わる。

低料金、Googleドキュメントとも同期するGoogle DriveのローンチでDropboxへの影響甚大?
今日(米国時間4/24)、Googleは長らく噂に上っていたGoogle Driveをついにローンチした。Googleの歴史上、ローンチ以前にいちばん秘密が守られなかったプロジェクトといってよいだろう。Googe Driveのリリースは誰もが予期していた。ましてDropboxが驚いたとは思えない。今日までDropboxはオンライン・ストレージの事実上の標準といってよかったが、今後はどうなるだろう?

Google DriveがDropboxとあらゆる面で正面から対決する存在であるのは確かだ。Google DriveはまずDropboxの価格競争力を大きく削ぎ落した。Google DriveはGoogle Docsと完全に同期し、ファイルをオフラインで保存する。その他数多くの新機能が用意されている。こうした強力なサービスの登場はDropboxの将来に影を投げかけるものだ。

 ちなみに、iCloud はどうかというと、ほとんど使っていない。便利に使っているのは、Safari のリーディングリストと Photo Stream だ。iPhone で撮った写真を特別な操作不要で iPad で見られるのは面白い。ただ、30日間という制限はあまりに短い。結局、iPhoto にダウンロードした上で Flickr! にアップロードしなければならない。

 その他、iCloud を活用するには新しい iLife や iWork アプリが必要なので乗り切れないでいる。Mac をメインに使っているのなら迷わずデータを Apple に預けるが、自宅ではブログを書くのと wiki のメンテナンスをするくらいなので豚に真珠なのだ。退職したら Mac しか触らなくてよくなるから、iCloud を使うようになるかもしれないが、その時まで今のようなコンピュータが使われているかどうか分からない。

どうなん?サムスン、「iCloud」対抗クラウドストレージサービスを発表か – CNET Japan

 「対抗」というより「追随」だろう。どちらも自社の端末向けのサービスだから競合するサービスという表現はあたらないだろう。競合するのは、Dropbox とか Skydrive といったサービスとだろう。だが、iCloud も S-Cloud も元々無料のサービスなので、それらとも競合はしていないのかもしれない。このサービスの導入で影響を被るのは自前でクラウドサービスを持てない Android メーカーだろう。同じ OS で同じアプリが動く端末で要素技術もほぼ同じものを扱ってる競業他社との差別化はできる。

 が、ここには「iCloud と同様にクラウドにコンテンツを送信して複数の端末で同期できる」とあるが、iPhone には iPad や Macbook、iMac があるが、Samsung にはこれに対抗できるラインナップは無いだろう。何より、Samsung は OS を持っていない組立屋だ。だから、モバイルからデスクトップまでをシームレスに扱える環境を完結させることができない。そもそも、android のタブレットに同期したいようなものなどないだろうww

 本質的な違いは、iTunes を持っているかどうかだ。Apple がコンテンツまでをシームレスに扱えるのに比較して、Android 組立屋ができないことは多い。ビジネスモデルとして対抗できるのは Amazon と Google だけだろう。

サムスン、「iCloud」対抗クラウドストレージサービスを発表か – CNET Japan

 新たな報道によると、サムスンは英国時間5月3日の「GALAXY S III」発表でAppleに照準を定めているが、それだけでなく、「iCloud」に対抗するサービスを用意しているかもしれないという。

 韓国の毎日経済新聞は米国時間4月20日、サムスンの「強化計画」に関する情報を入手したとして、英国時間5月3日にロンドンで開催されるイベントにおいて、サムスンがiCloudと競合する「S-Cloud」を発表すると報じている(Google翻訳による英語版)。S-Cloudは、iCloudと同様に、クラウドにコンテンツを送信して複数の端末で同期できるが、毎日経済新聞によると、S-Cloudはアップロードできるコンテンツの種類に制限がないという。

 サムスンは先ごろ、5月3日に特別イベントを開催すると発表した。このイベントについては、同社がGALAXY S IIIを披露すると予想されている。GALAXY S IIIに関してはこれまで多くの噂が飛び交っており、クアッドコアプロセッサの搭載から洗練されたデザインコンセプトに至るまで、さまざまな可能性が論じられてきた。同端末をめぐる興奮はひしひしと感じられる。

 毎日経済新聞は、S-Cloudのサービス開始時期に触れていないが、世界展開が順調に進むようにサムスンがMicrosoftと提携した可能性があると報じている。

 サムスンにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。