要素技術
iPhone のハードウェアスペックが Android のそれと比較してショボイと批判する人は物事の一面しか見ていない。iPhone は iOS を動かせる唯一のハードウェアプラットフォームということを忘れている。iPhone を選ぶときには iPhone のラインナップの中からしか選べない。これは Mac と一緒だ。
A8 プロセッサが 20nm プロセスルールになった。短期間に大量の製品が必要となる iPhone の場合プロセスルールを更新するのは難しい。これが、ハイエンド機種の出荷台数が少ない Qualcomm や Samsung のプロセッサに遅れをとりがちな理由だろう。A7 プロセッサに対して 50% の性能向上というのは体感的には大きな差はないだろう。
自分はiPhone 5s が長寿機種になると考えている。64bit アーキテクチャのチップが境目になるとかんがえるから。iPhone 5c は 5s より先に脱落するはずだ。
サイズ
明治の板チョコの大きさがほぼ iPhone 6 と同じ(plus は ガーナチョコに近い)らしいので、試してみたのが右。片手では上部付近のボタン操作は不可能に近い。
メニューボタンを2回タップすると画面上部が下がってくるというUIを披露していたが、アホかと言いたい。そんなことをする前に上の端に操作用のボタンを配置しないユーザインタフェースガイドラインを作るべきだ。今の iOS の UI は3.5インチ液晶を前提に設計されている。それに手を加えずに、小手先で対応を済ませようという発想に問題がある。Twitee という Twitter クライアントはこれに対するひとつの回答だ。
Android は画面下に三つのボタンが配置されている。戻るボタンとメニューボタンがここにある。このため画面遷移の操作で上部のボタンを押す頻度が少ない(元々大きすぎて片手で操作できないから気にもならないかもしれないが、それは別問題)。これに対して、iOS のアプリは戻る(キャンセル)や完了ボタンが上端に配置される。フルスクリーンの画面遷移を伴う操作ボタンは押し間違えないように上部に配置するというガイドラインがあるのあろう。それは分かりやすいが、iPhone 6 のサイズには向いていない。
何度も書いているように、「物理的なサイズが変われば最適なUIも変わる」ということだ。
iPhone 6 が 5s と同じ液晶サイズを踏襲していたらすぐに予約していただろう。
カメラ
iPhone の画素数が上がらなかったことは自分的には高評価だ。画素数競争はとっくの昔に終わっていると思うから。iPhone のカメラの画素数が Android のそれより少ないことを根拠に、iPhone のカメラの画質が悪いと言っていた人の iPhone 6 のカメラの評価はどうなんだろう。
個人的には、モード切り替えでマニュアル操作(焦点と露出を別に設定できる)可能なUIを用意して欲しい。後、どうせ出っ張るようになったなら光学ズームも。
Apple pay
「NFCなんて Android には前から入っていたよ」というのも浅い。Apple が追随することで NFC プラットフォームが決済システムとして「使える」フェーズに入るかもしれないと、NFC関係者が期待しているのだ。現状では Android の NFC を使って決済してる人なんかほとんどいないし、Apple の Passbook も使ったことはないが。
個人的には電子小額決済は、現時点では使いたくない。Apple の NFC を使ったシステムが普及してJRの定期としても使えるようになれば考えるが。ferica と NFC の互換性が解決されないと読み取り機レベルで無理だろうし、これまで Ferica 規格に投資してきた日本のインフラ企業にとって一朝一夕には受け入れがたいだろう。
Apple watch
これについて、Woodstream の木沢さんと意見が一致した。木沢さんは高級腕時計を結婚時に奥さんからプレゼントされて使っているらしい。だから、これ以外の腕時計を付けるつもりはないと仰っていた。同じことは前にも書いたとおりだ。
「今、腕時計をする週間のない人が増えているから売れない」というのは分析が甘い。今、腕時計をしていない層がターゲットだ。
じゃあ、今腕時計をしていない自分が Apple watch を買うかと問われると可能性は低い。今、自分が SUUNTO T6 を持っていなければ、心拍計を買うつもりで Apple watch が選択肢に入るかもしれないが。
Apple pay の支払インフラが完成しJRの定期としても、コンビニ決済端末としても使えるようになれば欲しくなるかもしれない。