流行する感染症には特徴がある。参考「錯覚の科学」
- 発祥までの時間が長い
- 感染してから発祥までの期間も感染源として菌をばらまける
- 感染力が強い。飛沫感染等で拡散できる
- ワクチンがない
- 統計的事実より顔の見える個人の経験談を真実と感じてしまうという人間の心理
効果的なワクチンがあるにもかかわらず、2018年の日本で麻疹(はしか)と風疹、インフルエンザが日本で流行する原因としては
- 発症後の致死率が低い:罹ったら高い確率で死ぬような病気ならワクチンの接種率は上がるはずだろう
- ワクチンに対する不信感を持っている人間の数が多い:自分でなんにも考えないけど、一言社会に物申したい wired とかに書いてある記事の見出しに影響を受けるような意識高い系
- マスコミによるワクチン副作用の過大報道:副作用があることは事実なので、その補償は社会が行うべきで、それが見捨てられているなら、その矛盾を報道で知らしめることは重要。問題なのは、ワクチン接種がなかったらもっと大きな被害があることとのバランスが取れていないこと
さらに、ワクチンが発達した現代社会でもこういった病気が流行る理由として、
- 移動手段の発達
- 人工の密集
が考えられる。今年2018年春先に沖縄で発症例が確認されたはしかが、東京、大阪、名古屋に飛び火した。これなどは典型例だ。数百年前だったら沖縄で流行ったとしても、簡単に本土には来なかっただろうし、きたとしても九州経由だっただろう。今は、東京や大阪などのハブに到達したら次が札幌になるか北九州になるか誰も予想できない。
後、日本独特の習慣で、ゴールデンウィーク、盆と正月という全国的に移動が盛んになる集中期間がある。人口シャッフルの際にハブとなるエリアで広い範囲の人が同席する。下の記事の夏休みもそうだ。発症前の北陸出身の感染者が東京駅でゴホゴホやる。右隣りに座っている人がそれを京都に持ち帰る。左隣に座っている人は仙台に帰る。京都や仙台から出てない人へと2次感染、3次感線が広がる・・・数日寝込むだけで治る人は多いだろう。しかし、妊婦さんが罹ったら・・・
この鎖を断ち切れるのがワクチン接種を受けた人だ。東京駅でゴホゴホしている人の隣の京都に帰る人がワクチン接種をしていたら京都に持ち帰ることがなかったのに・・・(全て架空の話)
これはパンデミックというボードゲームをやってみれば分かるはずだ(自分はやったこと無いが、ボードゲームおっぱいとペガの屋根裏部屋で聞いた)。ゲームルールを見た限りでは、航空機時代の調整が必要だろう。実際にはニューヨーク、ロンドン、パリ、東京などは隣と考えなければならないだろう。
もちろん、麻疹や風疹に関しては海外は隣じゃない。なぜなら諸外国はワクチン接種が義務化されているから。東京で流行ってもそう簡単にニューヨークで流行はしない。ワクチン接種できない人や、しても効力を発揮しない人が少数いるので発症する人が出てくる可能性はあるが、日本のようには広まらない。アメリカでも麻疹のワクチン接種率が下がって流行の確率は上がっているらしいが。
風疹患者、1週間で倍増 夏休みで関東から全国へ拡大か(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
国立感染症研究所は4日、直近1週間(8月20~26日)の風疹の患者数を発表した。前週の約2倍の84人に上った。流行の兆しがある関東以外でも患者が出始め、新たに3県から感染報告があった。
感染研によると、今年に入ってからの患者数は273人。昨年1年間の約3倍に上る。累計患者数は千葉84人や東京72人、神奈川24人など関東地方が多い。新たに山形や栃木、和歌山でも患者が出て、今年に入って感染報告があった自治体は27都道府県に上った。感染経路は不明だが、夏休みで都市部と地方で人の行き来が増え、感染が広がったとみられる。
風疹はウイルス性の感染症で、くしゃみやせきなどのしぶきでうつる。潜伏期間は2~3週間。発疹がでる1週間前から、人に感染する。症状が軽い場合は患者本人も風疹と気付かないまま、感染を広げてしまうことが少なくない。
妊娠初期の妊婦が感染すると、赤ちゃんに障害が出る恐れがある。1万6千人超の患者が出た2012~13年の流行では、45人の赤ちゃんに障害が出て、うち11人が亡くなった。
感染症に詳しい、岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「赤ちゃんの命と健康のためにも、妊娠前の女性や、妊婦の夫、職場の同僚といった人は、ワクチンの接種を検討してほしい」と話す。(水戸部六美)