It’s too late > Why the Moto 360 can’t get here fast enough

 Moto 360 についての興味深い記事。「チラ見せばっかりしているうちに新鮮さが失われた。しかも、ライバルが新製品を出すことがわかっているのだから早くしないと」といったところ(もっと長いので興味の有る方は全文をどうぞ)。Moto 360 についてというより腕時計型の端末についての懸念は「デカイやろWW 優れたデザインのAndroid WearウォッチMoto 360」に書いた。

 ここでは、この時期にモバイル端末を出すというマーケティング上のミスについて考えたい。

 アメリカでは、9月が入学時期なので、PCなどのセールが行われることが多い。AppleもBack to schoolキャンペーンを打っていた時期がある。なので、この時期に新製品を出すことは、多くの製品では誤りではない。11月末頃からクリスマスにかけての商戦に対する準備も整う。新製品の爆発的な需要があったら供給ルートが混乱するし、売り切れによる取りこぼしが多くなる(クリスマスの贈り物にしたい場合には他の製品にしてしまう)。なので、9月か10月に発売し年末までに初期の需要爆発を収束させる必要がある。

 しかし、3年前からこれは Apple だけが考えれば良くなった。Apple は iPhone 4S 以降、毎年10月か11月に発売してきた。そして、ユーザは Apple の新製品を見るまではと秋まで機種変更を控えるようになった。更に、2年前に新型の iPhone(今年なら iPhone 5)を買ったユーザの2年縛りが解ける。これらにより秋の発売時には iPhone の新型の需要は爆発する。このサイクルが定着しつつある。

 デジタルデバイスを出すメーカーはこのサイクルを意識しなければならない。iPhone が訴求するかしないかは別として、デジタルデバイスに敏感なヲタクは Apple の iPhone 発表までは新しいデジタルデバイスを試す気にならない。なぜなら、買った端末が数カ月後に周回遅れに見えるようになる可能性がある。しかもそれが携帯電話なら、2年間は我慢して使わなければならないのだ。

 更に、iPhone を買うかどうか分からないが機種変更を控えていて iPhone ではなく Android を買ったユーザも新機種購入後は新しいデジタルデバイスに手を出す可能性は低いだろう。新しい端末を試すのに忙しいし、新しい端末用のアクセサリ(液晶保護シートやケースなど)購入の出費もかさむ。

 こんな状態で、新しい種類の Android 周辺機器が売れるだろうか?絶対に無理だ。それはこの Moto 360 が示してくれるはずだ。この構図は XOOM の時と同じだ(2月に発表して絶賛された XOOM だが、発売までに発表・発売された iPad 2 に完膚なきまでに叩きのめされた)。

 この記事の題では「なぜ早くしなければならないか」となっているが、もう手遅れだろう。今から9月に噂されている Apple の新製品発表までにモバイル端末を買うのは情弱だけだ(数は結構多いがww)。

Why the Moto 360 can't get here fast enough – CNET
The excitement of the Moto 360’s look is starting to fade

The Moto 360 no longer feels like a surprise. We saw it once in March. We saw it again, in person, in June. We’ve seen it again and again. We’ve seen leaks of its final features. Can a single product sustain this type of extended hype?

The first time the Moto 360 debuted, most people I knew were smitten with how amazing it looked. When I saw it again at Google I/O and shared pictures of it on Twitter, there were mixed reactions: some still thought it looked amazing, while others thought it was far too big and chunky. Lately, as more pictures leak on a seemingly daily basis, a lot of attention’s been paid to the Moto 360’s not-quite-fully-round display, with its black bar on the bottom.

When we see the Moto 360 again at an official launch event, what can Motorola reveal that will get people’s attention again? It’s going to be a challenge. Maybe some of its unique features, or its price, or even extra watchbands or design variations, can be shown off. After using Android Wear and seeing what the Moto 360 looks like, it doesn’t feel like there’s a lot of surprise left. Maybe I’m wrong. Of course, if it’s great, it won’t matter how surprising it is.

2年後が楽しみ:SIMロック:解除を義務化へ15年度にも実施

Galaxy S II - SIM card
Galaxy S II – SIM card
 数年前にSIMロック解除端末を導入すべきとした時にやるべきことだったが、改善することは正しい。

 今後は格安 Android 端末、MVNO回線が一部のヲタクだけのものではなくなるだろう。

 メーカーは2年縛りの割引を前提とした価格付けはできなくなるだろう。今の iPhone が3社の競争環境のために非常に低価格に見える回線プランと抱き合わせで低価格で売られているような事ができなくなる。端末価格がそのまま販売価格になったらさすがの iPhone シリーズでも苦戦は間違いないだろう。格安 Android 端末には 1 万円程度のものからある。メールと電話とSNS程度なら十分こなせる。高機能なものでも NEXUS は iPhone より2万円以上は安い。

 キャリアも同様だ。端末の魅力と SIM ロックと高価なプランをセットにしていたが、できなくなる。今年の春から3キャリアから「定額通話し放題」というプランが出て、盛んに安いとアピールしているが、そんなものが割安になるのは毎月数千円の通話料金を払っているヘビーユーザーだけだ。個人は家族間は基本無料だし、友人同士ならSkypeやLINEで話する。我が家の3回線の通話料金は200円くらいだ。定額通話し放題など軽自動車で十分な家庭に「トラックに乗り換えたらたくさん荷物が乗りますよ」というのと一緒だ。

 実は、同じオーバースペックな販売をキャリアはやっていて、現在のパケット定額の 7GB なんて、大半の個人ユーザにとってはほとんど越えることなどない上限値だ。しかし、「7GBまで使えるんだからこの価格で」と、メールとゲームしかしないような大多数のユーザは 1GB も使わないのに 7GB 使える料金設定をしている。もし本当に、全員が 7GB 使い出したら回線がパンクするのにね(もちろん、全てがフルに使ったら破綻することが前提でやること自体は経済的に合理的ではあるからそこは責めてはいない)。

 とにかく、今のような軽自動車でいい老人夫婦にでかい車を売りつけて無駄な維持費を払わせるようなビジネスモデルは日本でも終わって欲しい。

 前から書いているように、スマートフォンもタブレットも回線もコモディティ化したら PC 市場と同じ構図になる。Android OS は Windows 市場と同じになり、Mac OS と iOS は独自色を持ち続けるとは思うが(そうあって欲しいが)プレミアムはなくなるだろう。この市場から利益を上げられるのはプラットフォームを持つ者だけだ。

 15 年度というのは「2016年3月まで」だ。そこまで iPhone 4S で凌ぐのはさすがに厳しいだろうから、もう一回ロック端末にするかもしれないが、その次は確実に SIM ロックフリーになる。

SIMロック:解除を義務化へ 15年度にも実施 総務省 – 毎日新聞
毎日新聞 2014年06月28日 10時46分(最終更新 06月28日 16時01分)
 ◇解除に応じない携帯会社には業務改善命令の対象に

 総務省は、携帯電話会社が販売した端末を他社で使えないようにする機能「SIMロック」の解除を義務化させる方針を固めた。2015年度にも実施する。携帯電話の利用者が別の携帯会社へ乗り換えやすくなり、利用者の利便性向上や競争加速につながる。30日に開く有識者会議の中間取りまとめに盛り込み、年度内に具体策を詰める。

 スマートフォン(多機能携帯電話)などを使うには、利用者の情報を書き込んだICカード「SIMカード」を入れる必要がある。欧米や韓国では、カードを入れ替えればどの端末でも使えるのが大半だ。しかし日本の大手は、他社の端末にSIMカードを入れても使えないよう、SIMロックを掛けているケースが多い。

 他社への乗り換えを制限して利用者を囲い込むためだが、利用者にとってみれば、他社に乗り換えた場合に端末を買い替える必要があり、自由に端末や携帯会社を選びにくい。総務省は10年6月、SIMロックの解除を促す指針を示したが、強制力はなく、業界首位のNTTドコモが米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を除く機種で解除したほかは、ソフトバンクが4機種、KDDI(au)はゼロと徹底されていない。

 ◇「契約2年間は解約時に違約金発生」商慣行見直しも検討

 総務省は、SIMロック解除に応じない場合は電気通信事業法に基づく業務改善命令の対象にするなどして事業者に徹底させる方針だ。契約から2年間は解約時に違約金が発生するといった商慣行の見直しも検討している。大手間の乗り換えや、大手から通信網を借りて安価なサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)への乗り換えを促し、競争を加速させて料金値下げなどにつなげる狙いだ。【横山三加子】

世界レベルのポンポコ仮面「困っているならば、我が輩の手を摑むがいい」

 貧困に苦しむ地に救いの手を差し伸べようというプロジェクトへの批判とそれに対するプロジェクトの返答で読み応えが有る。どちらが正しいのかは分からない。何年か後にプロジェクトが拡大存続しているか立ち消えになっているかで分かることになるだろう。その時のためにクリップしておきたい。

 しかし、胸熱なのは、両者とも対立した意見を述べているが、両者の目的や希望は一致している。どちらもが目指すゴールは一緒で、その点では完全に一致している。そして、ふたりとも、決して自分の利益を優先してはいない(プロジェクトの成功が自分の成功体験につながってはいるだろうが)。少なくとも、ムネオハウスを作るようなクズや海外支援に寄生して利益をあげようとする下衆な商社とは全く違う。

Millennium Villages Project

 下に両者の記事を引用する。両方読んで欲しい。
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地デジバブル再来か?「Win 7マシンが絶好調」

intel chip(wikipedia) 先日買った親のデスクトップも Windows 7 にした。全く迷いはなかった。やっと XP 風の操作体系を覚えた老人に、これまでの学習成果を無にするような UI への対応を強いることは難しい。Windows 9 は XP のクラシック環境を引き継ぐようなシンプルでダサい UI を用意して欲しい。Windows 8 のクールなフラットデザインをデフォルトにしてくれるのは構わないし否定はしない。オプションで従来の UI を選べるようにして欲しい。まあ、もちろん、UI の体系をもう一つ用意するのは大変な労力だとは思うが、Microsoft にはその力が有るだろうし、そう期待されている。

 Microsoft にとっては複雑な気持ちかもしれないが、intel にとっては神風だろう。が、もちろん、長期トレンドを変えるようなものではない。一瞬の追い風でしかない。需要の先取りでもある。XP から windows 7 にこの時期に買い換えるようなユーザは Windows 7 のサポートが切れるまで使い続けるだろう。プリインストールの Windows 7 を Windows 8 にアップグレードすることはない。ということは、今の需要は今後数年間に徐々に発生したであろう需要を今期に先取りするということだ。

 同じことは地デジバブルに湧いたテレビでも起こった。地デジ対応のテレビに買い替えた家庭の次の買い替えは5年以上後だろう。というい事は、今 XP から Windows 7 に買い換えているユーザの大半は今後 5 年以上は買い換えない。この需要の盛り上がりが一段落したら Microsoft と intel にとって本格的な北風が吹くだろう。特にこの風は Windows 8 への乗り換えを促そうとしている Microsoft にとって強く吹くだろう。この予想があたっていたかどうかは2年後に分かる。

時代はWindows 8.xのはずなのにWin 7マシンが絶好調、Intelは売上予測を大きく上方修正 | TechCrunch Japan
今日(米国時間6/12)の平常取引はほとんどフラットなまま終わってしまったが、時間外ではIntelが5.47%上げた。それは本年Q2と全年の売上に関する強気のガイダンスと、粗利益のわずかな変化のためだ。

Q2に関してIntelが予想している売上は137±3億ドルだ。この前の、130±5億ドルという予想よりも大きい。ここで新たに見えてきた140億という線は、これまでの最低のガイダンスにおける125億ドルを大きく上回る。Yahoo Financeによると、この四半期のコンセンサス予報は130.2億ドルだったから、Intelはこれも楽々超えてしまう。全年の売上は、横ばいという予想から増加に転じた。粗利率の予想も1%アップして64%前後、となった。

Intelの予想が強気に転じた理由は、同社の発表によると、“企業のPCの需要が予想を上回ったため”、である。
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“7倍に盛ってみました” 「竹中平蔵氏が語る東京五輪の経済効果」 WWW

 経済効果といえば、大きなイベントが有るたびに予想だけが発表されて、答え合わせはほとんどない。日韓ワールドカップやロンドンオリンピックで液晶テレビが売れて日本のテレビメーカーが大いに潤うとかいう予想があったがそうはならなかった。それどころか、生産力を増やしていたPanasonicやシャープは投資を回収できずに大幅に業績を悪化させて現在に至っている。

 「バブル崩壊後、経済停滞を続けてきた日本にとっては、いわば背水の陣で臨む覚悟が必要だ。」と書いているが、経済停滞中に対策を打った本人だよね。「これをやれば景気回復でデフレ脱却、財政改善が達成できる」とか言っていたのは記憶違いだろうか。既にある予想を7倍に水増しするのにはXX総研の担当者もびっくりだろうwww

 素人から見てもあり得ない前提が幾つもあって、ウルトラマン辞典を見ているようで楽しい。

  1. アジアヘッドクォーター特区と国家戦略特区が相俟って、2017~2020年の4年間に年間50社、計200社の進出があると前提している(本四架橋や地方空港の採算検討時みたいww
  2. 雇用誘発効果が7年で約100万人となっている点だ(どの産業?建設業に集中していたら一時的に盛り上がっても、オリンピック後の失業対策を打たなきゃならなくなるだろう。記事にもあるが、それだけの未就業人数がいるのか?短絡的な雇用対策を打つと禍根を残すとこになる。竹中時代にやった非正規雇用による人件費カットが良い例だ
  3. オリンピック・パラリンピックはいまの世界で最高の「コンテンツ」である(薄れてきたと思うよ。うちにはテレビはないが全然見たいと思わないもの。もう、国を挙げて選手を応援する時代じゃない
  4. ロンドンで開かれた国際会議の数が大幅に増加したことだ(ロンドンと東京の地理的条件を考えていない。EUの企業なら国をまたがった会議も多いしその際にパリにしていた会議をロンドンにすることは簡単だろう。アメリカからヨーロッパの国々に飛ぶビジネスマンにとっても大陸でやるかロンドンでやるかはあまり差はない。しかし、東京は違うだろ。
  5. クールジャパン戦略への貢献(クールジャパン戦略が機能していると思ってる人間などいないと思う。ゴスロリとは似ても似つかない変なドレスを着たおばさんを代表にしている時点で終わってる。これについては、ロリ服好きの娘が「こんなもんゴスでもロリでもない。ゴスロリを名乗るな」と怒っていた。

「アベノリンピック」で2020年まで景気拡大 | Voice | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
竹中平蔵氏が語る東京五輪の経済効果(上) 2014年2月19日

2020年に開催が決まった東京オリンピック・パラリンピック。その経済効果について東京都は「7年で3兆円」と予測するが、最新の試算によれば、現実の効果はそれよりもさらに大きい。バブル崩壊後、経済停滞を続けてきた日本にとって、今回の開催決定は千載一遇のチャンス。果たして経済成長を実現させるために、政府や民間企業に求められる取り組みとは? 慶應義塾大学教授・竹中平蔵氏が景気拡大への戦略について解説する。
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法人向けSurface普及戦略に黄信号?

 Surface 2 (RT) はこのまま在庫整理してフェードアウトだろう。だからといって、「法人向けSurface普及戦略に黄信号」など灯っていない。Windows 上で作成されたシステムが動かない Windows RT は企業に売れなくて当然なのだから。

 PC メーカーと競合することを辞さない姿勢に舵を切った Microsoft にとって妥協の塊である Windows RT は不要になったのだろう。近い将来、iOS と Mac OS と同様、Windows Phone と RT をカバーするモバイル用の OS と Windows 8 とになるだろう。そして、Surface 2 はこのままフェードアウトして Surface pro 2 が生き残ると予想している。

 ここにきて、2013/10-12 決算の発表が相次いで興味深い事実が明らかになった。

Surface revenue more than doubled sequentially, from $400 million in the first quarter to $893 million in the second quarter.Microsoft reports record revenue of $24.52 billion in second quarter

 売上台数は書けなかったのだろう。$893M ということは、一台あたり $1,000 とすれば、893,000 台となる。Microsoft のような世界市場プレーヤーのメイン機種にしては少ないと言わざるをえない。縮小しつつある PC 市場で大きくシェアを伸ばしたとは言えるかもしれないが・・・

 「個人向けに販売しているエディオン、ケーズホールディングス、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラにはSurface 2の新規受注停止の措置は取られていない」らしいが、エディオンの店頭では、Surface 2 か pro 2 かを問わず、足を止めている人を見たことがない。ただし、エディオンの端末はネットに繋がっておらずデモとして全く意味をなしていないので、それは差し引く必要があるかもしれない。

 これはエディオンの抱える問題点(他の端末の多くも同じ状態)ともいえる。しかし、だからこそ Microsoft は店頭を回って Surface が自社のイメージを伝えられているかをチェックしなければならない。デモ機として値引きしたら店舗が喜んで宣伝してくれるとでも思っているのではないか。デモ機を消費者が待っていて、触っては Twitter や Facebook に競って取り上げるような商材ではないのだ Surface は。店舗を営業マンが回って、売り場に置いた端末がちゃんと動いているか、ポップや価格はどうなっているか。ノベルティを配っているか。こういう泥臭いことをやらないといけないのが低価格 Windows PC だ。新製品が出るからとショップに徹夜で並ぶ人間が出る iPad と同じことしててもダメだ。

Surface 2の一部機種が3月末まで新規受注を停止 ~法人向けSurface普及戦略に黄信号か? – PC Watch
 日本マイクロソフト株式会社が発売するタブレット端末「Surface」の一部機種が、2014年3月末まで、新規の受注を停止していることが明らかになった。
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おそらく違う>サムスン Galaxy S5 はS4から大幅変更

 一時期、Galaxy S4 は iPhone 5 を上回るインパクトであるかのように喧伝されていたが、竜頭蛇尾だったようだ。

 気になるのは以下の分析だ。

・去年の S4 と一昨年の S3 は、形状的にはあまり変わった印象を与えられなかったため、市場の反応もそれほど大きくなかった。
・反省を受けて、S5 では基本に立ち返る。主にディスプレイと外装の印象 (を変化させる)。

Photo_GALAXY S4 ここで継続して書いているが、iPhone も Galaxy も要素技術の出尽くし感がある。液晶の高解像度化やプロセッサの高速化、LTEといった基本的な要素技術は前モデルで出揃った。Android OS もICS以降安定感が増し大きなバージョンアップの頻度は下がってきた。

 Galaxy は iPhone と違う競争にも晒されている。Galaxy は常に最新の要素技術を搭載して市場をリードしてきたが、要素技術自体が出てこない状況で他社の端末に追いつかれてしまった。これにより、フラッグシップ機を渡り歩いているようなヲタが他社の端末を買った可能性もある。更に、スマートフォンの売上数量の加速により要素技術の低価格化がもたらされ、結果的に低価格機でも十分な実用性能を持つようになったこともフラッグシップ機には逆風になったと考えられる。

 これら競争の激化や製品の成熟はユーザにとっては悪い事ではない。選択肢はひろがるし、安くて十分な機能・性能の製品を買うことが可能になる。買い替えスパンが長くなるのはユーザの現行機種への満足度が高いことも意味しているだろう。これが市場の成熟化だ。そう、何度も書くが「スマートフォン市場はPCやテレビと同じような市場になってしまった」。

 このことは、OS 間の争い以外の点で iPhone にも当てはまる。iPhone を毎年買い替えていたような人も 2 年に一回かそれ以上の期間を開けて機種変更するようになるのではないか。現に自分は iPhone 4S を使っているが全然買い換える気にならない(ソフトバンクの値上げという要因もあるが)。これから高機能高価格という市場は縮小傾向をたどるのではないか。ITメディアで話題になるようなフラッグシップ機より、ヲタが見向きもしないようなものが売れるというのは PC の売り上げランキングでよく見ることだ(このサイトを読むようなヲタは家電量販店のTVチューナー、BDドライブ付き一体型や2スピンドルノートPCなどに全く興味はないだろうが、日本メーカーの利益の他半はここが稼いでいるだろう)。

サムスン Galaxy S5 はS4から大幅変更、虹彩認証も検討。新Galaxy Gear は機能追加&小型化 – Engadget Japanese
サムスンのモバイル部門幹部が、フラッグシップ携帯 Galaxy S シリーズの次期モデル Galaxy S5 の概要や発表時期を明らかにしました。現行の Galaxy S4 はさらに前世代の S3 と見た目の印象があまり変わらず、消費者の期待に応えられなかったとして、S5 では大きな変化があると予告しています。
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ゾンビ決定|東芝 REGZA Tablet AT374 発表、Android 4.2搭載 7型タブレット

 engadget を観ていたら 7 インチも発表していた。家電量販店の店員さんがこんなもののために棚のスペースを割くとは思えない。かといって価格ドットコムやAmazonでスペックを比較して買うようなヲタがこんな全時代のゴミに1万円以上出すとは思えない。REGZAの名前を利用した情弱だましを続けるつもりか。

 1024 x 600 の 7 位置なんて NEXUS 7 のせいで1万円以下の中華タブレットの標準仕様に落とされてしまった。こんなものに、3万円近い価格がつくと思っているのだろうか。まだ予想価格なので22日に覚えていたら近所のEDIONで確認してみたいが、置かないだろうな。自分が量販店の仕入れ担当なら店頭価格が3万円になりそうな仕入れ値でだったら絶対に買わない。

 自分にはどうでもいいが、東芝という企業にとってこんなロースペックなものをREGZAブランドで出すことによるダメージのほうが大きいような気がする。なんで、最初から負けると分かっているゴミを売り続けるのか。その先につなげる何かがあるんだろうか?

 Apple や Google の新製品を見て、真似をしたり、微妙な付加価値を付けて情弱に不当に高い値段で売りつけたりといったビジネスモデルしかないようにしか見えない。まあ、もし iPad Air がこんなゴミだったら世界中から批判を浴びて株価急落だが東芝が出しても話題にすらならない・・・いいような悪いようなwww

東芝 REGZA Tablet AT374 発表、Android 4.2搭載 7型タブレット – Engadget Japanese

東芝がAndroid タブレットの新製品REGZA Tablet AT374 を発表しました。ラインナップは7型1024×600ディスプレイに16GB ストレージを搭載するAT374/28K のみ。

プロセッサにはRockchip 製のRK3188(4コア1.60GHz、Cortex-A9) を採用し、高性能と低消費電力を両立するとしています。

主な仕様は7型1024 x 600ディスプレイ、RK3188プロセッサ、1GB RAM、16GB ストレージ、802.11b/g/n WiFi、Bluetooth4.0。

カメラは前面30万画素、背面300万画素。ほかmicro USB2.0、microSDHC カードスロット、GPS、加速度センサ、ステレオスピーカー、3.5mm ミニジャック(ヘッドホン/ヘッドセット対応)など。

OS はAndroid 4.2。日本語IME はATOK for Android を搭載。

本体サイズは約115.8x197x10.9cm、重さ約345g。バッテリー駆動時間は動画再生で約8時間。

価格はオープン、実売予想3万円くらい。2013年11月22日(金)発売予定です。

日本でも「Surface 2」が発売に

Surface campaign 今晩(日本時間では明日未明)に新型 iPad が発表され、今月中にも発売が開始される可能性が高いというのに、Surface 2 日本発売の発表するって。度胸があるのか分かってないのか全く分からない。Surface 2 のスペックはもう分かっている。日本市場投入も時間の問題と誰もが思っていたが、待っている人はほとんどいない。目新しいことなんか何にもないし注目もされていない端末の発表会をしても Microsoftの腰巾着マスコミとかブログくらいしか注目しないだろう。

 右の写真のキャンペーンで一体どれくらい Surface RT の不良在庫がはけたんだろう。一部のIT系マスコミでちょっと取り上げられただけで、iPad ユーザが押し寄せて Surface RT が売り切れたとか一切聞かなかったし、ネット上でもこれに応募して Surface RT を買ったというのを見たことがない。

 ただ、今から書いておくが、iPad 5 と iPad mini 2 がどのような仕様で発表されても、明日の朝はガッカリという声が出るだろう。が、だからといってその翌日に Surface 2 がネット上の話題をかっさらうということは絶対にない。

日本でも「Surface 2」が発売に – PC Watch

日本マイクロソフト株式会社は22日、10月24日に「Surface」新製品に関する記者発表会を開催することを明らかにした。

 発表会案内の文面では「Surface新製品」とのみ記載されているが、「Surface 2」のロゴが添えられており、現行世代ではなく新世代のSurfaceが日本でも発売されるのは確実。Surface Pro 2とは記載されていないが、こちらも含まれているとみて間違いないだろう。

 Surfaceは第1世代の発表時、海外と日本とで数カ月の時差があったが、今回は1カ月遅れでの発表となるようだ。

意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定

5c5s 記事にもあるように、Apple の新製品発表を夜中に観て機種変更を待ったり、予約受付日や発売日にショップに並んだりするような人向けの製品ではないだろう。

 昨日観たように(携帯販売ランキング(9月30日~10月6日)ドコモのiPhone 5sが初の1位 | GEEK_XP)、iPhone 5s が発売された週に旧機種の iPhone 5 を買う人も多い。この層をiPhone 5c に切り替えるのが apple の目的だろう(iPhone 5 より iPhone 5c のほうが製造原価が安い)。日本のランキングを見る限りでは、iPhone 5 の流通在庫が残っていてこの層の需要をカバーしてしまったように見える。

 従来の新モデル発売時にはなかったパターンなので、需要予測と流通在庫の予想が外れた結果なのではないだろうか。コンピュータや iPod ではモデルチェンジ前には在庫を絞ったり流通価格を下げることが多かった。これが次期モデル発売の予兆だった。これは、新モデル発売時に大きく価値が下がってしまうであろう旧モデルの在庫を減らすことと、需要を全て新モデルにつぎ込んで売上を上げるための施策だ。そして、この 10 年近く Apple はこのオペレーションを上手くやり、Apple 製品の在庫期間は数週間にまで短縮され、利益に大きく貢献した。

 従来 iPhone は新モデルが出ても旧モデルが売れ続けるというコンピュータでは考えられない商材だった。数千万台も作った後の歩留まりが高く要素部品の価格も下がったモデルなので、在庫価格の低下があっても大きく利益を下げることはなかった。なので、流通在庫を絞り込むことなく新モデルの発表を行っても問題はなかった(卸価格の改訂や、出荷済製品に対する価格の調整は行っているとは思うが)。キャリアにとっても、価格志向の顧客に対して売れ続ける商品がバックヤードに残っていても困らなかったはずだ。なので、在庫を切らさずに済むだけの流通在庫を確保するよう発注していたはずだ(自分ならそうする)。しかも、Apple が新製品の発表や発売時期をギリギリまで教えてくれないならそうするしかない。

 ところが、今回は違う。iPhone 5 の生産効率が iPhone 4S 以前の機種ほど下がらなかったために iPhone 5c という新モデルを出さなければならなかったのだ(複数ソース)。iPhone 5 が売れ続ける旧機種からいきなり完全に過去のモデルになってしまった。キャリアが在庫処分に走るのは当然だ。これが、iPhone 5 がランク入りしたのと、iPhone 5c が期待ほどの売れ行きにならなかったことの原因だろう。

 ただ、チップの違う機種が出たら最新型のチップを迷わず選ぶようなヲタには想像するしかないが、これまで旧モデルを選んできた人たちにとって「最新モデルと同じデザインなのに安い」ということを重視している人がいるかもしれない。そういう人が今後 5s にするのか Android に流れるのかは分からない。こういう志向の人がどれくらいいるかを読み違えているとしたら iPhone 5c は失敗モデルということになるかもしれない。また、製造原価の低い旧モデル(iPhone 5c は旧モデルのリメイクだろう)が iPhone 5 世代の iPhone 4S のように売れ続けなければ Apple の利益率に悪影響があるかもしれない。

 一方で、iPhone 5c という旧世代要素技術搭載モデルを併売することで、iPhone 5s の A7 チップ、M7 チップ、指紋認証、64bit アーキテクチャといった技術の先進性がデフォルメされて市場に伝わり、その結果 iPhone 5s への需要シフトが起こったのかもしれない。iPhone 5c の減産分を iPhone 5s の増産でまかなえるとしたら Apple としては嬉しい誤算だろう。

 どちらかは 2013 4Q の成績が分かる Apple 2014 1Q 決算で分かるだろう。

意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定 | TechCrunch Japan
Appleは第四四半期におけるiPhone 5cの発注量を減らす、とWall Street Journalの最新の記事が報じている。状況に近い筋の話としてWSJ紙は、AppleはiPhone組み立てパートナーPegatronとHon Haiの二社に対し、同社のローコストスマートフォンの年末までの発注量を減らすよう求めた。P社は20%減、H社は1/3減、といわれる。

ただしHon Haiの役員がWSJに語ったところによると、iPhone 5cの減産にはiPhone 5sの増産が並行して伴う。Appleはとくに、iPhone 5sのゴールドバージョンの売れ行きが予想以上に好調だったことに着目している、と記事は報じている。それが増産決定の契機でもある、と。一方iPhone 5cの発注減は一部の部品供給社にとっては50%の減産に結果する、というから、最終的な減産の規模はもっと大きいのかもしれない。

Wall Street Journalからのこの新しい情報は、アナリスト企業Consumer Intelligence Research Partnersが今週初めに述べた主張を支えるものだ。その主張は、iPhone 5sはiPhone 5cの倍売れている、というものだった。またモバイル方面の分析企業Mixpanelは、両機のローンチからわずか1か月あまりでiPhone 5sの採用数はiPhone 5cの倍以上だ、と自らの分析結果を発表している。