Moto 360 についての興味深い記事。「チラ見せばっかりしているうちに新鮮さが失われた。しかも、ライバルが新製品を出すことがわかっているのだから早くしないと」といったところ(もっと長いので興味の有る方は全文をどうぞ)。Moto 360 についてというより腕時計型の端末についての懸念は「デカイやろWW 優れたデザインのAndroid WearウォッチMoto 360」に書いた。
ここでは、この時期にモバイル端末を出すというマーケティング上のミスについて考えたい。
アメリカでは、9月が入学時期なので、PCなどのセールが行われることが多い。AppleもBack to schoolキャンペーンを打っていた時期がある。なので、この時期に新製品を出すことは、多くの製品では誤りではない。11月末頃からクリスマスにかけての商戦に対する準備も整う。新製品の爆発的な需要があったら供給ルートが混乱するし、売り切れによる取りこぼしが多くなる(クリスマスの贈り物にしたい場合には他の製品にしてしまう)。なので、9月か10月に発売し年末までに初期の需要爆発を収束させる必要がある。
しかし、3年前からこれは Apple だけが考えれば良くなった。Apple は iPhone 4S 以降、毎年10月か11月に発売してきた。そして、ユーザは Apple の新製品を見るまではと秋まで機種変更を控えるようになった。更に、2年前に新型の iPhone(今年なら iPhone 5)を買ったユーザの2年縛りが解ける。これらにより秋の発売時には iPhone の新型の需要は爆発する。このサイクルが定着しつつある。
デジタルデバイスを出すメーカーはこのサイクルを意識しなければならない。iPhone が訴求するかしないかは別として、デジタルデバイスに敏感なヲタクは Apple の iPhone 発表までは新しいデジタルデバイスを試す気にならない。なぜなら、買った端末が数カ月後に周回遅れに見えるようになる可能性がある。しかもそれが携帯電話なら、2年間は我慢して使わなければならないのだ。
更に、iPhone を買うかどうか分からないが機種変更を控えていて iPhone ではなく Android を買ったユーザも新機種購入後は新しいデジタルデバイスに手を出す可能性は低いだろう。新しい端末を試すのに忙しいし、新しい端末用のアクセサリ(液晶保護シートやケースなど)購入の出費もかさむ。
こんな状態で、新しい種類の Android 周辺機器が売れるだろうか?絶対に無理だ。それはこの Moto 360 が示してくれるはずだ。この構図は XOOM の時と同じだ(2月に発表して絶賛された XOOM だが、発売までに発表・発売された iPad 2 に完膚なきまでに叩きのめされた)。
この記事の題では「なぜ早くしなければならないか」となっているが、もう手遅れだろう。今から9月に噂されている Apple の新製品発表までにモバイル端末を買うのは情弱だけだ(数は結構多いがww)。
Why the Moto 360 can't get here fast enough – CNET
The excitement of the Moto 360’s look is starting to fadeThe Moto 360 no longer feels like a surprise. We saw it once in March. We saw it again, in person, in June. We’ve seen it again and again. We’ve seen leaks of its final features. Can a single product sustain this type of extended hype?
The first time the Moto 360 debuted, most people I knew were smitten with how amazing it looked. When I saw it again at Google I/O and shared pictures of it on Twitter, there were mixed reactions: some still thought it looked amazing, while others thought it was far too big and chunky. Lately, as more pictures leak on a seemingly daily basis, a lot of attention’s been paid to the Moto 360’s not-quite-fully-round display, with its black bar on the bottom.
When we see the Moto 360 again at an official launch event, what can Motorola reveal that will get people’s attention again? It’s going to be a challenge. Maybe some of its unique features, or its price, or even extra watchbands or design variations, can be shown off. After using Android Wear and seeing what the Moto 360 looks like, it doesn’t feel like there’s a lot of surprise left. Maybe I’m wrong. Of course, if it’s great, it won’t matter how surprising it is.