「さらばADSL!」を読んで

 収容されている基地局がサービス対象になるのを首を長くして待ったのは同じだ。

 違うのはADSLーというより Yahoo!ADSL といったほうが正解だろうーがもたらした「こと」への評価だ。ADSLがもたらしたのは、定額での時間・容量無制限通信環境だ。速度よりコストだ。それ以前もISDN回線による定額契約はあったが、回線料金が高かった。ISDNは電話回線の置き換えだからISP契約が別途必要になる(今のフレッツ光と同じ仕組みだ)が、Yahoo!ADSL はISPと抱き合わせなのでーISPを選べないがートータルコストが大幅に下がった。このインパクトが日本におけるインターネット普及に拍車をかけたといっていい。

 Yahoo!japan の情弱を騙すようなやり方は気に食わないが、ADSLとiPhone発売による日本市場へのインパクトは高く評価すべきだと思う。Yahoo!ADSL と iPhone をそれぞれのタイミングで開始しなかったら日本のインターネットやスマートフォンの普及は、キャリアに阻まれてもっともっと遅れていたし、今でも高価な回線料を支払わされていたに違いないと思っている。

 因みに、社宅では Yahoo!ADSL を継続して使っている。2年毎に他社に切り替えるつもりでいたが、切り替えられる対象が見当たらないので諦めた。Nifty ADSL の広告は見たが、サービス提供は softbank というので、切り替えても回線の品質向上は期待できそうにないし価格も大差ないのでやめた。いろんな企業や自治体が競ってADSLサービスを立ち上げていたが、今はほとんど残っていない。

 ともかく、自分が生きているうちになるかどうかは分からないが、光も銅線も無線通信に取って代わられるだろう。ADSLがそれまで生き残るかどうかは分からないが。とはいうものの、相変わらず、遅くブチブチと切れる社宅の Yahoo!ADSL 回線には悪態をついてるけどね^^

情報源: さらばADSL! 我が青春のブロードバンドよ! | ギズモード・ジャパン

終わりの始まりあるいはIoTデバイスの寿命

Pebble
iPhone 8 plus とつながらないという質問者への返事も悲観的なものばかり・・・
 去年の暮に fitbit が Pebble を買収した時に予想されたことだが、予想以上に早く使えなくなってきた。

 春に、有志による Pebble アプリのアップデートが行われ Pebble のサーバーが止まっても天気などの情報を取り込めるようになった。が、Apple との契約の問題でもあるのかヘルスケア(アプリ)のソースから外され、Pebble 2 の歩数データがヘルスケアに表示されなくなった。

 その後、個人的な理由で SIM カードをいろんな端末に入れて使っていたので、そのたびに Pebble アプリ上の履歴は消えた。それでも、目覚ましとカウントダウンタイマーとして腕に巻き続けていた。

Apple watch 3 の回線付きが出て、IIJmio で運用ができるなら買うつもりでいたが、発表されたものは MVNO では使えないものだった。なので、fitbit charge 3 が出るのを待ってそれを買うつもりでいた。

 しかし、iPhone 8 をメイン端末にした時に状況が変わった。iPhone 8 と Pebble 2 がつながらなくなったのだ。現行機種なら当然端末のOSのアップデートが行われるが、Pebble には期待できない。しかたなく、Jelly pro 上の Pebble アプリと同期するようにした。

 が、Pebble 2 でカウントダウンタイマーを使おうとするとアプリが見つからなくなることが有り始めた。timer を起動しようとしたら再起動がかかって工場出荷状態になったりもした。そんなときは Jelly との接続をやり直す必要があった。ストレッチの時に30秒カウントダウンタイマーを使いたいために一々ペアリングしなおすのは辛い。

 今は Jelly のアプリと同期できるので時刻を合わせる必要はないが、Jelly がなければ時刻を合わせることもできなくなる。Pebble 2 には単体で時刻を合わせる手段はない。Pebble がアプリとの同期にここまで依存しているとは意識していなかった。

 そういえば、Nintendo DS lite にはDS storeとかいうサービスが有ったが、動かなくなっていた。また、iPhone で遊んでいたゲームが動かなくなっていた。

 クラウドに依存するデバイスの末期はこういうことなのだろう。

さようなら Windows 10 Mobile 、 AIM

 秋は別れの季節。iOS の 32bit アプリに別れを告げたばかりだが、IT界のガリバーとも思われたプラットフォームが2つ消える。

 一つ目は Windows 10 Mobile。Windows CE や Surfece RT など実は Apple より前からモバイル OS に挑戦し続けてきた Microsoft がついにモバイル OS に別れを告げた。Windows CE は palm、RT は iOS、Windows 10 mobile は Android に挑戦しては敗れ去ったというイメージだ。

 Windows 10 が載った Nokia の端末は美しかった。が、盲目的な Microsoft フォロワーのおもちゃで終わってしまった。「iPhone よりいい」とか得意げに言っていたのが懐かしい。その人達は今でも Winows 10 mobile 端末を使っているんだろうか。

Microsoftは、「Windows 10 Mobile」の愛用者に対し、同プラットフォームにもう新機能は追加しないと宣告した。 MicrosoftのWindows Experience担当バイスプレジデントを務めるJoe Belfiore氏は米国時間10月8日、スマートフォン向けプラットフォームであるWindows 10 Mobileに対する新しい機能やハードウェアを同社が計画していないことを認めた。

情報源: 「Windows 10 Mobile」、新機能の開発はもうない–マイクロソフトが認める – CNET Japan

 こちらも来るべくして来たということだろう。自分では使ったことはなかったが、AOL(America On Line)はダイヤルアップのパソコン通信の頃から名前はしっていた(自分は当時N ifty serve だった)。Mac の Finder のようなGUIのメニューなどには憧れたものだった。

 SNS の普及に伴って、Yahoo!メッセンジャー、MSN messenger といったメジャーサービスも消えた。AIM が消えるのも時間の問題だとは思っていた。しかし、LINE だけはメッセンジャーサービスとして(Facebook messenger とか Twitter の DM は付随サービスだろう)生き残っている。この違いは何だろう。

 自分の周りでも多くの人、どちらかと言うとITリテラシー低目の人たちでもLINEは個人のスマホに入れて活用している。Twitter や Facebook 以上の普及率といっていい。その人達はメッセンジャーサービスを使ったこともSNSとも無縁の人たちだ。そんな人達がなぜLINEは受け入れたのだろう。

「AOL Instant Messenger」(AIM)に別れを告げるときが来た。 インターネット草創期に人気を集めたコミュニケーションツールのAIMは、米国時間12月15日をもって姿を消すこととなった。AOLの事業を現在運営しているVerizon Communicationsの子会社Oathが10月6日に明らかにした。 AIMはかつて、インターネットのインスタントメッセージプラットフォームとして独占的地位を築いていた。AIMを手がけるAOLのインターネットサービスを使って、ダイヤルアップでネットに接続するユーザーが大勢いたからだ。1997年にリリースされたAIMは、90年代の終わりから2000年代初期に絶頂期を迎えた。

情報源: ネット草創期に人気を集めたAOLのメッセンジャー「AIM」が終了へ – CNET Japan

ArounMe が初めて役に立ったww

waze editor screen
郵便局があることが信じられなくてオーバーランしてしまったwww
 このアプリは3GSの頃から入れていたと思う。しかし、田舎では全く使えなかった。旅行先とかで使えるかもしれないと思って入れていたが、これで見つけた所に行ったことはなかった。

 昨日、病院の帰りに郵便局に寄ろうと思った時に使ってみた。本局が近くにあるのは知っていたがいつも駐車場が混んでいるので本局には行きたくなかった(荷物を受け取りに行くときには自転車だから無問題)。

 そこで、ArounMeで郵便局を検索してみた。すると、数百メートルの所に簡易郵便局があった。行ったことのない郵便局、というより、そんな所に郵便局があることすら知らなかった郵便局だった。で、ナビができるというので、推してみたらGooglemapとiOS標準の地図に並んで waze が表示された。試しに押してみたら waze が起動してそこまでの道が表示された。

 そのルートで使われている道は自分が waze で編集したセグメントだった。自分が手を入れるまでは進行方向が分からないと出ていた一方通行だった。実際に走っても問題のない最短ルートが示された。「こんな所に郵便局があったかなぁ」というよな感じの場所にホントに郵便局があった。しかも、その郵便局は自分が編集したものだった。嬉しかった。

 知らない間に AroundMe が大きく進歩していた。ArounMe だけでなく、ナビアプリや waze までもが「使える」レベルに達したのが感慨深い。

TidBITS Apple 2Q 決算発表、OPERA 復活?

 Other Produsts が 31% も売上を伸ばしたらしいというのに驚いた。新製品として 12 月に発売された AirPods があるが、単価が低いし出荷が遅れていたので Apple watch や iPod、Apple TV も含む製品カテゴリーの売上を 30% も上げるとは思えない。かといって、他の製品群にもこの四半期にブーストが掛かる要素は見当たらないからだ。

 ウェアラブルデバイスだけで Fortune 500 に入るほどの規模に育っているというのは喜ばしい。Apple watch を切ることはないとは思うが、Apple watch にもしものことが有ると、回線付きスマートウォッチの普及を待っている自分にとって大きな痛手となる。長期的には必ず普及するはずだが、現状では Apple 以外に市場を急拡大させられるメーカーは無い。Apple が Apple watch をやめたら、スマートウォッチにはネガティブ・イメージが付いて、Apple watch 登場以前より悪い状態になりかねない。

 スマートフォンにおける iOS のアドバンテージはほとんど無くなった。というより、ハイエンドのスマートフォンのアドバンテージがどんどん減っている。自分がHuaweiのIDEOSを買ったときには1万円程度の Android 端末はおもちゃのようだった。が、今年買った Homtom HT20 はメイン端末として使っても問題ないレベルになっていた(カメラの初期不良はおいといてだが)。

1368号
The Other Products category, which took a beating in Q1 2017 (see “Apple Sees Apparent Return to Growth with Q1 2017’s Record Results,” 31 January 2017), recorded a staggering 31 percent increase in year-over-year revenue. That’s good news for fans of products like AirPods, Apple Watch, and Beats headphones, which Cook identified as the primary drivers of growth. “Our revenue from wearable products in the past four quarters was the size of a Fortune 500 company,” Cook said.

いろんなブラウザを試してた時期があって、Opera も試していた。Mac だけでなく iPhone 3GS や会社の Windows 機にもインストールしていた。が、Chrome が出てからは全てのOSでの標準ブラウザは Chrome に統一している。iMac や iPad では Safari で構わないし Windows 10 でなら Edge でも構わない。が、使う端末によってUIが変わるのは面倒なので、OS に依存しないという意味で Chrome が標準だ。

 Chrome を脅かすとは思えないが、この記事を読んで、Opera を使う理由ができた。

Opera Web Browser を試すべき 3 つの理由
Opera の VPN のスイッチをオンにするのは容易だ。Opera > Preferences > Privacy & Security を開いて、Enable VPN を選択する。青い VPN アイコンがアドレス・バーの隣に現れ、VPN が有効になったことが分かる。アイコンをクリックすると、吹き出しが現れ、VPN をオンオフしたり、使用した通信量を見たり (これは、少なくとも今は無料だ)、そして、あなたのバーチャルなロケーションを変更したりすることができる。もし、ある Web サイトが、ある国を好んでおらず、あなたが、その国から訪問しているように見えるのであれば、ロケーションの変更が必要になるかもしれない。

ウェアラブル市場の課題を解決するのは・・・

 ウェアラブルデバイスの市場は実は大きくは変わっていない。あったのは Apple watch の新規参入によるパイの拡大と失速によるパイの縮小だけだ。スマートウォッチもフィットネス・トラッカーもニッチなオタク向けのデジタルガジェットでしかなかった。ただ、Apple watch の参入により競争関係が大きく変わり、淘汰された企業が目立っただけだ。

 下の記事には納得できることが多い。Android 2.0 もそれ自体は起爆剤にはならない。しつこいようだが、スマートウォッチに必要なのは回線だ。回線さえあれば、「スマートウォッチでできるのにスマートフォン持ち歩く必要ないやん」という時代になる。「回線こそがスマートウォッチを救う

 Android 2.0 の回線付きスマートウォッチがこの回答になるのか。Android 2.0 の脱スマートフォンという方向性は正しいと思う。というより、この方向にしか未来はないと思う。2017年2月に発売されるとされているスマートウォッチがスタンドアローン・スマートウォッチとして普及するかどうかは分からない。Apple watch に回線が付けば火がつくと思うが、Android wear 2.0 と LG にその影響力があるとは思えない。

 また、電池の持ちがウェアラブルデバイスとして許容範囲かどうか、そして Apple watch 2 より安いかどうかだ。LG ブランドで 4 万円以上は無理だろう・・・

昨年苦しみを味わったウェアラブル市場の課題
今は手首にはめるデバイスにとって「待ち」の時期だ。数年間ものすごい盛り上がりを見せていたウェアラブル業界だが、今年のCESではあまり目立っていなかった。2つ、3つ新しいスマートウォッチが発表され、パートナーシップやそこそこの出来のフィットネスバンドがアナウンスされたくらいで、業界全体のフォーカスとしては、Alexaを搭載した種々のデバイスやスマートホームへとシフトしたように感じた。
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回線こそがスマートウォッチを救う #LG #AndroidWear2

Android wear 2.0 Pebble Core 以降、興味の持てるスマートウォッチ、フィットネス・トラッカーは無かったが、下の記事を読んで発売が楽しみになった。

 Android Wear のバージョンアップには興味はない。スマートフォンの機能をどこまで盛り込めるかしかないからだ。これと同じ論調の記事「Android Wear 2.0のデビュー機はソフトもハードもGoogleが設計に介入、その隠し玉は何だろう?」がTechCrunchにあった。

 自分が惹かれたのは「3GとLTEによるデータ通信が可能」というフレーズだ。すでに中国製の回線付き Android スマートウォッチがあるのは知っていたが、Google 純正の端末で回線接続できるものが発売されるとは思っていなかった(LG は昨年から回線対応モデルを出していたが)。いつかは出ると思っていたが、2017年初頭に出るとは思っていなかった。

 スマートウォッチは消えていく?(ギズモード)<否、ただし今の世代は消えるのみ)で書いたが、今のスマートウォッチはスマートフォンの周辺機器でしかない。スマートウォッチがウェアラブルデバイスとして生活に無くてはならない物になるには回線が必要だ。パソコンがネット端末になったときのことを思い出して欲しい(思い出せるのは50歳以上だろうが)。今ではパソコンを買うということはネット端末を買うということと同義だ。回線でつながることでパソコンの存在意義自体が大きく変わった。スマートウォッチも同様に変わる可能性を秘めている。

 単体でインターネットにつながるスマートウォッチが普及すればスマートフォンの重要性は相対的に低下する。スマートウォッチで出来ないことをサポートするための大きな液晶を持ったデバイスになる。スマートウォッチが単体で回線に繫がるのであればスマートフォンアプリの有無など大した問題ではない。bluetooth で iPhone のアプリにデータを渡すことはできなくても、クラウドにアップロードできれば、無問題だ。

 Pebble 2 で人柱になったばかりだが数万円までなら人柱になってもいい。iPhone 6 で使っているSIMを挿してみて、使えるようならデータ専用の低速 SIM 回線を一本契約すればいいだろう。

 因みに、スマートウォッチが回線につながるようになるときに iOS と Android のアドバンテージが消える(スマートフォンというレガシーを動かすための OS として残るが重要性は下がる)。「夢見るのはやめよう–モバイルOSの勝者は Apple と Google」を書いたばかりだが、シャッフルの可能性はある。ただし、もう OS なんて何でもいい「IoT の肝はデバイスではなくビジネスモデル」なのだから。

グーグルとLG、「Android Wear 2.0」搭載スマートウォッチを2月10日に発売か – CNET Japan
 「Android Wear 2.0」を搭載する初のスマートウォッチが、GoogleとLGの提携によって米国時間2月9日に発表される見込みだと、VentureBeatのEvan Blass氏(Twitterアカウントは「@evleaks」)が報じた。

 信頼できるリーク情報が多いことで知られるBlass氏によると、「Google Assistant」機能が統合された「Watch Sport」および「Watch Style」と呼ばれる製品が、2月10日から米国で発売されるという。

 どちらのスマートウォッチも円形の有機EL(OLED)ディスプレイを搭載し、Wi-Fi接続とBluetooth接続に対応するようだ。Watch Sportはチタンと濃いブルーの2色、Watch Styleはチタン、シルバー、ローズゴールドの3色が用意されるという。また、Watch Styleのストラップは交換可能になると、Blass氏は述べている。

 フラッグシップモデルのWatch Sportは、3GとLTEによるデータ通信が可能で、「Android Pay」が利用可能な近距離無線通信(NFC)に対応し、GPSと心拍センサを搭載する。また、どちらのモデルも「Apple Watch」に似たデジタルクラウンで操作し、防塵および防水仕様になるという。
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Withings “Steel HR” 25日間の電池持ち

withings Steel HR Wi-Fi 体組成計とホントにつながる API とクラウドサービスで全俺の信頼を勝ち得た Withings の新製品。従来モデルに心拍センサーを組み込んだものだが、LED照射型の心拍センサーを搭載しながら25日間電池が持つというのは驚異的だ。が、市場がどのような評価を下すかは全くわからない。

 Health Mate アプリとクラウドサービスで同社のセンサーデバイス群を有機的につなぐというのが Withings の基本戦略だ。ネットワーク会社となった NOKIA が Withings を買収したことの意味がここにある。このスマートウォッチも「スマートウォッチを改良してみたので買ってください」だけではない。このデバイスがラインナップに入ることで、これまで他社のフィットネス・トラッカーに依存していた(そして往々にして不十分なローカールデータである)24時間の心拍数の推移が加わることになる。これらの複数のデバイスからネットワーク経由で集められるデータ(今風に言うならビッグデータを次のビジネスに結びつけたいのだ)。個々の端末を販売するだけのベンチャーが淘汰されるのは当然の流れだ。IoTの肝はビジネスモデル

 ここがオムロンとの違いだ。ダサイ外見に目をつぶればオムロンは Withings とほぼ同等の製品ラインを持っている。にも関わらず、オムロンは Apple のヘルスキットにも対応しなければAPIによって他のサービスとデータを共有することもしない。それどころか、ウェブサービスを閉じて自社が管理するクラウドサービスに加入しているユーザのデータを失うことまでしてしまった。アホとしかいいようがない。

 じゃ、Apple はどうかというと、可能性は示したものの、自社でヘルスケアの有料サービスを始める気は無いようだ。少なくとも、少額決済や娯楽売上方面にしか向かっていない気がする。が、自分的には高度なヘルスケアサービスのためのインフラとなるクラウドサービスのほうが将来性が有ると思う。前に聞いたことが有るが、健康保険会社が契約者にフィットネス・トラッカー装着割引を行うことなども考えられる。あるいは、クラウドのヘルスケアサービスの履歴によって保健サービスを受けられるようにすることで医療費の削減に繋げられるかもしれない。

 その途上で、「フィットネストラッカーはダイエットに逆効果、という研究結果2年間に及ぶ研究の結果、フィットネストラッカーをつけたグループは、一般的なダイエットを行ったグループと比べてダイエットの効果が落ちてしまったことがわかった。」りもするかもしれないが(これについては別にエントリを書く)、詳細なデータが個人別に何年も記録されるような時代はこれまでになかったので、新たな知見が得られるはずだ。

 少し話はずれるが、フィットネス・トラッカーにしてもスマートウォッチにしても、消費カロリーや睡眠・運動習慣の記録は取れるが、取得する食料のデータを入れられないのが今後の課題だろう。自分も一時期 Fitbit で食べたものを入力したがUIの悪さに辟易してやめた。今のバージョンは知らないが、UIが改善されたからといってその手間は変わらないだろう。また、その精度の低さも・・・

心拍測れて『25日間の電池持ち』Withingsが新アナログスマートウォッチ「Steel HR」を1月20日発売
Withingsがアナログ文字盤スマートウォッチの新モデル「Activité Steel HR」を国内発売すると発表しました。発売日は1月20日。税込価格は36mmモデルが2万4800円、40mmモデルが2万7800円。米国などでは2016年10月に発売していたモデルです。
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明日はどっちだ?「Fitbitが高級スマートウォッチのVectorを買収」

スマートウォッチは消えていく?(ギズモード)<否、ただし今の世代は消えるのみで書いたように、スマートフォン依存型のスマートウォッチには市場はないと思う。一年もすれば機能の劣る旧型になるデジタルガジェットを古くなっても価値が下がらない高級腕時計のように考える人はいない。Apple watch もコレクターズアイテム的なEditionを廃し機能性を重視するように方向転換を図っているようにみえる。そんな中、Fitbit は高価なスマートウォッチラインの製品にシフトしようと画策しているのだろうか。

 自分には間違った方向にしか見えない。Fitbit が売上を伸ばしたのはフィトネストラッカーによるものだろう。自分が Fitbit charge HR を使っていて楽しかったのは運動や睡眠のログだった。

 下のスマートウォッチ売上の推移でも売上の顕著に伸ばしたのはGPSトラッカーのGARMINだけだ(といっても元が小さすぎるだけで全体への影響は局小だが)。Apple watch は新モデル前の買い控え期だが、他のメーカーもほとんど売上を落としている(Apple と比較すると小さすぎて目立たないが)。

table smartwatch sells 2015,2016

 フィトネストラッカーやGPSトラッキングこそがウェアラブルデバイスの生きる道ではないか。ヘルスケアサービースを主に据えたクラウドサービスをIoTと結びつけてエコシステムを構築することこそが重要だろう。昨年 Tim CEO は iPhone 7 発売前のインタビューで「それがなければ生活に支障をきたすようになる画期的なものを出す」と示唆していたがこれっぽっちも生活に困っていない。iPhone 7 や Apple watch 2 を持っている人がいても特に羨ましいと思わない。

 全てのライフログデバイス(フィットネス・トラッカー、GPSトラッカー、サイコン・ケイデンス計、体組成計、血圧計等)のデータを一つのダッシュボードで管理でき、分析までできるようになれば生活は、自分だけかもしれないが、楽になる。

新たなビジネスチャンスあるいはトレーニングジムにIoTを

IoT
http://www.irasutoya.com/
 12月からトレーニングジムに通っている。カーディオトレーニングマシンは退屈極まりない。トレッドミルはスピードを一定に保つ必要があるので気を緩められないが、バイク系のマシンはバランスをとる必要もないし足を止めても問題はないので、暇以外の何物でもない。そこで色々と思いついたことを書いてみた(トレーニングジム雑感)。

 ダラダラと書いているときに、「これって IoT の格好の材料やん」と思った。そして IoT で重要なのはデバイスではなくAPIであると考えるようになった。さらに、オムロンの失策でこの思いを強くした(Withings Body参照)。

 まず、現状のジムでのユーザーの行動フローを追う。

  1. ユーザーは会員カードを発行されている。カードにはバーコードが記載されている。
  2. ジムの受付でカードを担当者に渡しバーコードリーダーで入館の記録がされる。
  3. ロッカーにカードを差し込むことでロッカーの鍵を閉じることができるようになる。(カードをジムのフロアに持ち込むことは無い。これはカードとロッカーの鍵の紛失を防ぐのに効果があるだろう。)
  4. 本棚に個人別フォルダが男女別・50音別に置かれているのでタブを見て探す。
  5. ファイルに閉じた様式を取り出してバインダーに閉じてフォルダは仮置き場所に置く。
  6. 体組成計と血圧計が置いてあって自由に計測できる(記録が発行されるような正確なものは月に一回スタッフに頼んで測ってもらう必要がある)。
  7. カーディオマシン(トレッドミル、バイク、クロストレーナー)を使う場合には白板に終了予定時刻を記入する(終わったら消す)。
  8. カーディオマシンの前には液晶テレビが備え付けられていて、備品のイヤホンを使って視聴することができる。
  9. トレーニングの記録は様式に鉛筆で記入する。
  10. 筋トレ系のマシンは自分で重さと回数・セット数を記録する。
  11. カーディオマシンは終了時にディスプレイに表示される結果を転記する。
  12. トレーニングが終わったら記録用紙をフォルダに戻し、終了ボックスに入れる。(終了ボックスに入れられたフォルダはスタッフが元に戻す。中の確認とかはしない。)
  13. 退出時にカードを受付に提示しバーコードリーダーで退館が記録される。(カードをロッカーに置き忘れはここでチェックされる。)

 次に、ジムでの情報交換を列記する。

  • スタジオメニューは紙のカレンダーで配布される他、ボードで提示されている。
  • スタジオメニューの変更はボードで掲示されている。
  • 別料金のサービス(トレーング指導、岩盤浴、加圧トレーニング)は電話か口頭での受付しかない。
  • ジムの公開ウェブページは存在する。
  • 入会の受付はウェブのフォーム送信ができる。やりとりは電子メール。
  • ルーム内ではスマートフォン・携帯電話の操作は原則禁止(音楽プレーヤーとしての使用のみ可)。

 このリストを見るだけで、ビジネスチャンスが転がっていることが分かるだろう。ジムもそうだし、トレーニングマシンメーカーやヘルスケアサービス会社にとってもチャンスだ。具体的なビジネスについては後のエントリで。