Auのパケット割引の広告

 auのパケット使用料の広告で、6507のパケット使用料が2410になるとして1/3になると説明している。

 しかし、ここには定額の1200円が含まれていない。

 パケット割引料を含めたら、月額2400円以上使うヘビーユーザーでなければメリットはない。

 この広告の問題点は固定費用が発生することを十分に説明せずにパケット通信全体の費用が1/3になるかのような印象を与えることだ。このサービスは、「月額1200円払えば、パケット単価が1/3になるので、月々2400円以上使っている人にはメリットがある」というものだ。つまり、これまでかかっていたパケット使用料がトータルで1/3になるということではない。3000円使っている人では2200になるだけ。2000円程度しか使っていなかった人は損するのだ。もちろん、月額パケット使用料は10000円を超えるようなヘビーユーザーにはお勧めのプランだが、そんな人がどれだけいるんだろう。

 受け手が誤解することを前提として、というより期待して(?)、作っているとしか俺には思えない。

 ちなみに、固定費について、電車の中釣広告には小さく書いてある。注意深く見ない限り気付かないだろう。テレビcmに至っては、意識して探している俺ですら見つけられないほどだ。

 auとj-phoneについて注目するようになったから気付いただけで、docomoも似たようなことがイッパイあるんだろうな。

平均の取り方

 あるサイトでテニスを統計的に分析するという試みをやっていた。1プレイ当たりのストローク数を男女で比較していた。そして、男子の方が平均ストロークが少ないとして、女子の方がストローク戦が多いと結論付けていた。

しかし、そうか?

 プロの男子テニスの場合、ストローク戦になるまえにサービスエースで終わるケースが女子より多いだろう。それを加えたまま、男子はストローク戦は短いと判断してはいけないと思う。

 ストローク戦の戦術を練るならストローク戦の平均ストローク数を平均しないとと思う。何故ならサービスエースには戦術的分析は意味がないから。純粋に強烈なサービスをラインぎりぎりに決められたら返せない。勘があたるかスーパーショットがでるかしないと返せないようなものは戦術論ではどうしようもない。また、強烈サービスの延長として、サービス&ボレーで決まる比率も高い。これも、力づくプレーで、作戦の出番ではないだろう。

 サービスとリターン、サービス&ボレーは技術と体力で頑張り、戦術的分析は3ストローク目からしかないだろう。

 それに対して、女子の場合はサービスの威力が少ないケースが多い(ともいいにくいケースが増えてるが)のでリターンから戦術が活かせるかもしれない。

 ただ、これは戦略について批判しているのではない。戦略について面白そうだったが、URLが分からんようになってもた(^^;….

 それから、俺自体は試合どころかテニスコートで打ったことすらない、戦術とか戦略なんて関係ないということさえおこがましいド素人だ。

経済効果2

 昨日のレポート。良く見たら4~7月までの「生産誘発額」とやらがすでに396億も計上されている。優勝と関係ないやん。阪神は6月15日現在首位にいる。レポートによると関西の阪神ファンたちは去年に比べて月に1回(5000円)外食の頻度を増やしているらしい。・・・・そうか?

 優勝セールというのもくさい。だって、優勝セールが仮に100億円の売上があっても、元々の売上を差し引いておかないと意味が無いし、そのために、優勝セールと関係のない店の売上が減ることも計算に入れないと、経済全体に及ぼす影響を算定することはできないだろう。

 こういう統計は。いや、統計じゃない。このように恣意的な数字を作るためだけにでっち上げるようなものは統計と呼んではいけない。売り込むときにマスコミうけするための恣意的な数字でしかない。

経済効果

 阪神が優勝したら1133億の経済効果があるらしい。甲子園球場の入場者数は増えるだろうし、グッズや飲食物の売上も増えるだろう。しかし、球場に足を運んでビールを飲んで財布が軽くなったら、何処かでバランスを取るだろう。収入が増えるわけじゃないんだから。

 この記事は面白くてその算定基礎が載っている。これが笑える。本気で書いているとは思えない。「推定約146万人の成人ファンの気持ちが明るくなり、成人ファンの半数が月に一回、5000円程度の飲食費を増やす」。アホ

 こんな前提で作った虚構の数字をMicrosoft PowerPointでスライド風にして、黒っぽい3つボタンスーツに同系色のシャツとネクタイで決め、短髪を立たせ気味にしたヤングビジネスマンがプレゼンするんだろうか・・・鼻がひんまがった人ゴメンナサイね。

 そうそう、この冗談としてしか思えない「阪神優勝なら1133億円の経済効果・日本総研」の出所は日経新聞。数字を作ったのが日本総研というところらしい。

 でも、日本総研は偉い。何が偉いって、ここにそのレポートが載っている。さらに、担当者の名前と連絡先が明記されていること。これはなかなかできないことだ。せっかくだからここにも書いておこう。日本総研調査部 関西経済研究センター 小沢 06-6243-7380 ozawa.yasuhide@jri.co.jp 。

 このまま阪神が優勝したらいいなあ。ぜひこの人に1,113億の経済効果があがったか聞いてみたいね。

計画通り?

 「PDCとFOMAは向こう10年は共存していく」で、「昨日までの加入者数は48万に達し、計画通りに進んでいる。」と言ったらしい。あれ?その計画っていつの計画?目標数字を見直して低くしたものをクリアしたときに「計画通りにすすんでいる」って言っていいの?

 だったら、本四架橋公団や神戸空港を企画している兵庫県も銀行も自民党も大喜びだろう。だって、計画時に「年間利用者100万、10年で黒字化」として税金を投入しておいて、途中で数字を見直して「年間利用者が30万で500年後に黒字化」に目標を修正すれば、その後の発表では「計画通りやってます」って言えるんじゃないの?

 それに、最初はFOMAへの以降は3年とか言ってたよな。FOMAが開始されたら、PDCの端末の新型なんて出ないって言われていた。それが、10年かよ。しかも「計画通り」かよ。

 ついでに携帯電話キャリアについて、5月の回線数が発表された。J-phoneの勢いが完全に止まった。理由は明白。端末に魅力がないからだ。他社がカメラつきで巻き返してきたのに、対抗できるようなインパクトのあるものがない。中途半端なパケット化もユーザーにメリットを訴求できていない。というより、PDCのままでパケット化しても何一つメリットなんかない。そんなことを喜ぶのは極少数のマニアだけだ。早く目を覚ませ。

何なら、俺が仕様策定を手伝ってもいいぞ(^^;

防災対策に思う

 東北地方の地震のときに有線電話回線や携帯電話回線がつながりにくくなったのに、ADSL系のサービスはダウンしなかったらしい。それをうけて、またもやアホ(マスコミ、防災対策関係官僚)の的外れコメント。「今後ADSL等の回線が有効であることが分かった。今後、災害時の通信手段として活用を考えたい」

 相変わらず、危機に対する当事者意識が欠如している。ADSLも電話線を使っている。兵庫県南部の時のように電柱が倒れたらどうしようもないって。それに、モデムはAC電源が必要だから、停電してても使えない。さらに、電話局の局舎が倒壊したり、電話局が長期停電したらアウトだ。個人の家屋が倒壊したらパソコンを掘り起こしたりできないだろうし。家が倒壊しないまでも、机が倒れてパソコンが壊れることも考えられる。

 脆弱性においてこれまでの回線と大差がないのに、たまたま今回機能したからって、それに依存したような防災体制を作っても対応できないだろう。というより、国レベルの復旧対策が必要な大規模な地震が起きたら、停電しないとか電話線に被害がないとかを期待した対策なんて使い物にならないだろう。

 一般回線や電源に依存しない通信網を消防署・警察・行政機関と人口密集地の特定施設に配置し、そこからスピーカーで個人への情報提供する。今、どう行動すべき(どこへ逃げればいいのか、逃げる必要がないのか、援助物資の受け取り等・・)を最優先で流す。防災対策の現場責任者はすぐに被災地にヘリコプターで乗り込み、情報収集を行い専用回線で情報を発信する。もちろん、現場責任者というのは、行政の長とかではなく、災害復旧の専門家である必要がある。そして、全権委任で現場に臨み、消防・警察・行政すべてへの命令権を特命として持つ。さらに、自衛隊への出動依頼も行えるようにするべきだ。

 この程度のことは素人の俺でも思いつく。FIMAのパクリと思われても仕方がない。合理的な方法は似てしまうのが当然だ。現代の技術と社会制度ではここに収束されるだろう。