精神風土

ITPro 米国最新IT事情:狂気の「テロ先物市場」を生み出したペンタゴンの精神風土

 これはペンタゴンに限らない。閉鎖されたコミュニティに帰属していることで、常識で考えられない妄念に取り付かれるのは良くあることだ。宗教カルトや軍隊、過激派、あるときは国単位で信じてしまう。日本だってつい60数年前にはそうだった。

恐くてできないんだろ

公開での侵入テストの是非めぐり議論 住基ネット公開討論会 Mainichi INTERACTIVE ネットワーク

 テレビで観た限りでは討論にはなっていなかった。総務省の担当者の「いやなものはいや。安全なものは安全」という小児型強弁ではまともな議論になるはずがない。

 実際の運用では、ネットワークのクラックより、人間のエラーのほうが可能性が高いんだろうけどね。担当者に「1000万渡すからCDにXX市の住人の情報をコピーしてきてくれ」とか「200万でパスワードを買う」といった、social crackingをテストしてみたらネットワーク経由の侵入よりはるかに簡単だろう。

 ネットワーク犯罪といっても大半はパスワードを悪用とか担当者が情報を盗んだといったものだ。つまり、ネットワークのセキュリティでは防ぎようがないし、本質的にハイテク犯罪でもコンピューター犯罪でもネットワーク犯罪でもインターネット犯罪でもハッカーでもない。鍵を預かっていた金庫番が金を盗んだのと同質の犯罪でしかない。(呼び名が多いのはその時々でマスコミの使う名前が違うからだ。さらに言うならハッカーは犯罪名ではないが、マスコミの誤用に倣った。)

強気なlinuxディストリビューション

エンタープライズ:レビュー:簡単に使えるOSを目指す「LindowsOS4.0日本語版」

 強気なチャレンジャーだ。ここまでとは思わなかった。5%というとmacと変わらない数字だ。linuxPC全体のシェアなんてmacよりも低い。もちろん、このOSの狙うのはwinマシンなんだろうが、一般ユーザーの大半がwinプリインストールマシンを選択している現状で、lindowsの入り込む隙が残っているんだろうか。俺はないと思う。

 しかも、この記事を見ても、新しいディストリビューションでしかないようだ。「ここにはApacheやBINDなどをはじめ、ZshやMozilla、さらにはStarOffice、RealPlayerなど1800種類以上が用意されている」そしてClick-N-Run Warehouseというパッケージ管理ソフトで、「同社のサイトに用意された「Linuxネイティブアプリケーション」を、GUI上で選択すれば、自動でダウンロード、インストールを行い、すぐに利用可能にする」らしい。しかし、クライアントのアプリケーションならともかく、サーバーアプリが「すぐに利用可能」なんて無理だろう。起動できる状態と「使える」状態は別物だ。正しくインストールして起動しても、期待した動きをするように設定したことにはならない。ApatcheやBINDなんて、設定が一番の山じゃないのか。

 俺がTL8wで苦労したのと同じような壁がそそり立っているような気がする。TL8wにもCDには開発環境もサーバープログラムも入っていた。しかし、使える状態ではなく設定のサポートも一切なしだった。何かやろうと思うたびに、新たなパッケージをインストールしなければならなかった。

 lindowsのセールストークを読んだwinユーザーが「これなら簡単にadslを使って自宅でwebサーバーが作れる。ディスク容量も気にしなくていいし、cgiの制限もないし、俺もやってみよう」なんて思ったら・・・もちろん、ディストリビューションの最終目標はそんなパッケージなんだろうけど、今のlinuxの方言だらけの寄せ集めでは難しいだろう。

 ディストリビューションについては事実上の勝敗は決したといってもいいだろう。インストールベース=情報量となってその差は現れる。もし、だれかに「linuxを使ってみたいんだけど、どうしたらいい?」と、このレベルの質問しかできない人間に聞かれたら、俺はまず「やめとけ」という。「それでも」と言われたら、「俺は使ったことがないから良く分からないけど、情報集めが楽でセキュリティ・パッチなんかのアップデートも多そうなredhatがいいじゃないの」と言うだろう。上の記事を読んだ限りでは、lindowsを薦める理由は見当たらない。

 間違っても。「俺はTL8wを使ってて、よく分かるからTurboLinuxにしたら」とは言わない。

恥ずかしい

 関学大在校生らが折り鶴作り 放火事件「恥ずかしい」 asahi.com : 社会

 学校活動中ならともかく、個人で行動しているときの行動にまで、「XX大学生」を出す必要ないだろう。

 もちろん、話題の強姦グループなんかは、「XX大学生」という名前を利用したサークルで犯行を繰り返していたので、批判の対象となっても仕方がない。大学のサークル活動のおおくが出会い系でしかない、男女ともそれを目的としている中での事件であることは覚えておく必要があるけどな。

 一つ共通なのが、XX大学というブランド信仰だ。「XX大学の学生は優秀なのに裏切られた思いがする」という、明白に誤った先入観がある。これらの報道はその先入観を共通基盤とした記事だ。それが誤りであり、教育のゆがみ、社会の硬直化、社会的評価システムの不全を招いていることに対する反省はない。

 当然だ。一流大学を出た受験勝利者ばかりのマスコミ記者。XX大学を出たことをアイデンティティとして感じている人間にとって、それを無力化することは辛いことだからだ。だから、マスコミは、「XX大学出のアイドル」とか「XX大学生が酒によってドラキュラに変身」とかいった論調を続けるのだ。

何のためのルール?

「総務型ルール遵守社長」が会社を滅ぼす

 ここに書かれた組織の弊害は俺の良く知っている会社によくあてはまる。「こんな無駄なことはやめて、社内規程を変えればいい」と、何回言ったことか。

 法律を換えることや顧客との慣習を変えることは難しいだろう。しかし、社内の規程はなんてローカルルールなんだから、法的な問題がなければ、仕事のやり方に合わせて変えればいい。昔に必要だった手続きの多くが不要になっている。また、仕事のやり方の変更によって邪魔にすらなっている。

煩雑なルールを覚えることに若いうちにエネルギーを割きすぎ、その結果として本当に重要な仕事の構想力や大きな視野といった能力の開発が未発達のまま放置されたりする。細かい手続きには通じているが、どうみても「小物」という若手が増えてしまうのである。
 二番目の問題は、・・・・どのようなルールであれ、それがルールである限り守るべきだと信じてしまう若手が増えてしまうことである。・・・ある種のルールは命がけで守るべきだが、ある種のルールは時と場合によっては破るという判断力が本来は必要である。判断力が必要な仕事をしているから人間が雇用されているのだが、ルールを守ることを優先する人は、ルールにぶつかった瞬間に自分の頭で考えるのをやめてしまう傾向がある。・・・

第三に、・・・細則や派生ルールに基づいた無意味な「筋論」をスマートにこなすスキルがそのうちに発達してくる。・・・そのスマートさを身につけても、企業本来の目的である利益獲得には一切つながらないのである。
  また、そういった企業ではルールに抵触しそうなときに、それを回避する裏技が発達したりする。その裏技を見つけだす作業も、一見賢く見えるのだが、よくよく考えればムダな作業である。なぜなら、そもそもの無意味なルールが存在しなければ、その裏技は何の役にも立たないからである。若い人たちがこの種の裏技こそ経営管理だと思い始めたり、この裏技が“デキル”がゆえに上司から可愛がられるようになってしまうと、本当に生産的な仕事とは何であるのかという基本を忘れ始めてしまう。

 まさにこの作業に面することがあり、うんざりすることがある。ある部署は、予算の実績を操作するために、同じものを買ってもそのときによって費用の科目を変えている。実に無駄な労力だ。そこで使われた費用が何に対してどれだけ貢献しているかという視点でチェックしない予算管理を厳しくしたらこうなってしまう例だ。

 また、そんなルールを守ることだけを仕事と勘違いする人間だけが高く評価をされるようでは、実際の仕事のレベルが上がらないのは明らかだろう。実際に、俺の良く知っている某企業ははっきりその弊害が現れている。

Mainichi INTERACTIVE

■■100倍の能力になったパソコン■■(富田 洋一) :Mainichi INTERACTIVE コンピューティング

 じょうずにまとめられたエッセイだ。さすが新聞記者。しかし、「IT関係の取材をする」(ほぼ3カ月らしいが)プロの選択か?こんな程度のおっさんがIT関係の記事を書いてるんだなあ・・・新聞社のIT記事って。

 これなら、blogや日記サイトのほうがはるかにマシなのは当り前だ。

名誉毀損・損害賠償

■ネット掲示板「2ちゃんねる」管理人、また賠償命令 :Mainichi INTERACTIVE ネットワーク

 これは、掲示板管理人にとっては困った事態ともいえるが、「削除義務が生じてから2カ月半~5カ月もの間放置した」ことにより発生したともとられる。ということは、名誉毀損の指摘を受けた時点で対応すればオーライか。

そうそう

 ティーブレイク:水戸周辺と育児と仕事という日記の2003/7/9と10に激しく同感。

特に

知ってればいい、と短絡的なことは言えないとは思うけど、実際にやってきたということは、やることの苦しさや大変さを知ってるということだし、できることとできないことを判断できるということだと思う。

にね。自分で、どうやっているか、それを実現するためにどれだけのことを事前にやっているのかわかってないくせに、「パソコンができるから早くできるね」だと。パソコンがやるんじゃない。人間がパソコンを使ってやるんだ。お前らがPen4・2Gでできないことを俺は25mhz68030でやってたんだよ。
 ワードを送りつけてくるカスにもうんざりしてる。特に、俺が勤めている会社では、ワードで見た目を凝った文書で作ることを良しとする雰囲気がある。社内の文書に、罫線を使いまくって手書き時代のフォームを再現しているアホがいる。本文は3行程度のワードファイルを同報で何十人にも送っている。バカ丸出し。しかも、それを情報部門の人間が平気でやっている・・・そんな情報部門が業務を改善するようなネットワークアプリを開発できるはずもなく、たった300人程度の会社に不釣り合いの汎用機と別にAS400が3台もある。作るソフトは10年前でも時代遅れだった代物だ・・・・やれやれ・・・

 社内文書といえば、俺は見た目にはほとんど頓着しない。ヘッダ部分だけ罫線で組んで後は白紙状態のフォームを使う。メールで送信するのが前提の場合は、ノーツのメール本文に直接書く。同じ中身なら、時間と労力を掛けずに作ったほうが労働価値は高いと考えているから。