ボローニャ国際絵本原画展

 毎年この時期に西宮市大谷記念美術館
で開催される、2003イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行ってきた。

 いつもは、夏休みが終わる直前に行くのだが、今年は月末が忙しくて今日になった。今日は駐車場に待たずに入れたし、それに比例して客も多少は少なくて観やすかった。来年も9月に入ってからにしよう。

 今日感じたのは、CGを使った作品が多くなったということ。そして、それらの作品がCGを使ったことを意識させないものになってきたこと。CGも表現手段を拡張させるツールとして定着したのだろう。絵筆や絵の具、エアブラシなどが絵画に影響を与えたのと同じように、CGを鉛筆や絵筆のように使いこなすアーティストが増えるのだろう。

 シンセサイザーが音楽に新しい可能性をもたらしたのと一緒だ。

 こういう流れに嫌悪感を表す人もいるのだろうが、俺は積極賛成派だ。俺は、音楽も絵画も表現の一つだと考える。音楽も絵画も演者や作成者の脳内にある妄想(といって悪ければイメージ)を他の人に味わってもらうためのコミュニケーション手段と考える。だから、それを卑近な技術的レベルで語ることは無意味だと思う。早く弾くとか大きな手と筋力を使って従来の人間ができなかったピアノの弾き方をするといったことは、音楽の質と技術を混同した評価だ。コンピュータを使った表現を蔑むのも間違いだ。

 もちろん、コンピュータを使うことを目的としたような作品もカスだ。それは、手書きで作った資料をExcelに転記してプリントして喜んでいるカス以下の低能と同レベルに害だ。それはコンピューターを使って行う仕事(作品)を貶めるものだ。

Lindows販売開始

ノジマ、LindowsOS搭載パソコンを19,800円で発売

価格は、「フレッツADSL」への加入が条件の「ブロードバンドセット」が19,800円、本体のみでは29,800円。

 現在ADSLを使用している人間には29800だから、俺が使っているDuronサーバーとほぼ同額だ。しかし、OSがプリインストールされているのはありがたい。何より、時間の節約になるから。問題は、LindowsOS4.0日本語版のパッケージを現状にするために必要な時間・労力が他のパッケージでやるのと遜色がないかどうかだ。それが大丈夫なら自宅サーバーを目指すヲタクにはお勧め出来そうだ。少なくとも、デスクトップ環境として袋小路のTurboLinuixよりはマシだろう。

 後、デスクトップPCとして、ネットブラウジング専用として使うのにも十分だろう。俺ですら、Duron上のfirebirdはiMac上のIEより快適だから。

 この価格が浸透すれば、MSがどれだけ暴利をむさぼっているかが、関心のない人にも分かるだろう。winだけで2万、officeにはさらに2万程度払っているのだ。そんな高価なパーツは、今のPCには存在しない。

 このマシンが、目論見どおり5%のシェアを奪えるとは俺は思わないが、結果が楽しみだ。

ノーネクタイ

 俺の良く知っている会社でノーネクタイを行うようになった。そのときの掲示文書が情けなくて笑えるような、突っ込みどころ満載のクズだったが、残念ながら、ここに載せるわけにはいかない。

 一般的に、カジュアルデーとかは、硬直化した組織や風土を少しでも変えたいための苦肉の策で、ほとんどの場合が失敗に終わる。というか、柔軟な組織や風土を持っている会社がカジュアルデーなんて言い出したのを聞いたことがない。それは、省エネスーツをアピールしようとして失笑を買った自民党政権と同じくらいに硬直化して機能しなくなった終わってる組織の最後の足掻きだ。多くの企業が失敗し、効果がなかったことを認識し、諦めて元に戻した話を何回も読んだ。省エネスーツが定着しなかったことも誰もが知っている。省エネスーツを着ることではなく、スーツにこだわる習慣を変えない限りダメなのだ。また、その習慣が変われば、ノーネクタイだカジュアルデーだなんて旗を振る必要なんかないのだ。

 能力の少ない経営者にはそちらを買える能力がないので簡単に見た目で変えられるものを導入したくなるんだろう。

 本当に、柔軟で自由でユニークな個性や個人の能力の活性化を実現しているような組織はもともとこんな事をする必要がないのだ。GoogleやQUALCOMM、昔日のNetscapeにカジュアルデーはない。組織として目指すのはこちらだと俺は思う。

 まあ、わが世の春を謳歌しているGoogleの処遇のよさがいろいろ挙がっていてうらやましいが、そんな企業は昔にもあった。ほんの十数年前、Appleは毎週末にビアパーティーを開いているというのを聞いた(その後廃止)。Netscapeもバブリーに楽しんでいたから、数年後は分からないが・・・

 なんにしても、俺の良く知っている会社のノーネクタイは、実行率では100%だが、社内の雰囲気を変えるとか活性化するといった面では達成率0%だ。形だけ入れて、中身を入れないというというのはこの会社の得意技なので予想通りだった。だいたい、エアコンをガンガン効かせてノーネクタイにしても何のメリットもない。

 能力主義や個性尊重というマネジメント手法だけ取り入れて年功序列を崩さない日本社会の悪い面をそのまま現したような一夏の現象だった。来年どうするかは知らないが、やらなくても何も変わらないだろう。

リテラシー

 相当前の日経情報ストラテジーという雑誌で、「コンピューター・リテラシーを高めることが必要」とする論があった。コンピュータの操作というだけでなく、使いこなしレベルに高めなければ、パソコンを全員に配っても生産性に寄与しないといった内容だった。もう、10年近く前の話だ。

 現在でも、俺がよく知っている会社は同じような状態だ。ほぼ全員が、ワード、エクセル、ノーツの操作方法は覚えた。しかし、情報の有効活用は全く進んでいない。ワード文書をノーツメールでばら撒くバカが未だにいる(という以前に、それがデフォルトだったり・・・)。掲示板にpdfを貼り付けて本文を書かないアホも後を絶たない。しかも、これらのソフトすら満足に使いこなせていない。このようなレベルの組織なのに、リース切れのたびにパソコンとサーバーをアップグレードし続けている。

 重要なのはパソコンやコンピューターのリテラシーではなかった。それより重要なのは情報に対するリテラシー。ひいては、仕事に対するリテラシーだったのだ。

 ベテラン社員が仕事を知っていると思うのは大間違いだ。彼らが知っているのは、目前の手続きだけで、中身を理解していない。社内手続とか社内営業、根回ししか知らないことが多い。そして、そういうことを覚えることを仕事を覚えることと勘違いしてるバカばかり。

 だから、いつまでたっても、ワードやエクセルなど目に見える手書きの延長線上での機械化しかできないし、そういうやり方でやったものしか評価できない。こんなレベルの管理職が前線の指揮を執っているのだからたまらない。

 社長や役員は何処かで聞いてきて「ITの推進」とか「組織は柔軟に」というが、中身は全然解っていないから、上申書がワープロになったりカラー印刷とグラフを入れる程度のことしか評価できない。組織を変えても、ポストを減らすことが怖くて、名前を変えるだけしかできない。変わるのは名刺の肩書だけ・・・

 はっきり自慢だが、俺が先日やった例を書く。それは、株主総会に関する資料のデータベース化だ。基礎資料となる株主のデータは代行会社からFDで受け取った。それをエクセルで切り分けて、ファイルメーカープロに取り込んでデータベース化した。そして、それにリンクして、議決権行使書の議決権を集計するデータベースを作った。株主数が約3000、送り返されるハガキが約800だ。これが、約2週間、実質は4日程度に集中して返ってくる。受領したハガキの議決権を集計するのが仕事だ。

 去年までは、手で集計していた。それも夜中までかかって。俺は、これを一枚あたり約5秒で入力できるようデータベースを作った。付随作業やファイル作成の時間を入れても、合計で10時間もかからなかった。しかも、去年までは合計の数字しか残らなかったが、今回は送ってきた株主のリストや集計を出力できる。また、会場での作業も大幅に軽減し資料的な価値も大きくなった。さらに、FMPのweb公開を使って、他のマシンのブラウザーで株主資料を検索できるようにし、集計データのメンテナンスも可能にした。

 ところが、上司は評価できない。彼にはこのような抽象化された情報の価値が理解できないのだ。今でも株主の資料を調べなければならないときに、俺の作ったデータを使わずに一覧表を出してきてページをめくっている。彼にとってはそれが「仕事」なのだ。株主のデータを検索することは仕事ではないから、俺のやったことも仕事としては評価できないのだ。

 彼に見えるのは、前任者が夜中までかかっていたことを定時で片付けたこと。これまで3人でやっていた現場集計業務を2人でできたことだけなのだ。

 こんな人間が評価をするのだから、組織としての仕事に対する仕事のリテラシーが高まるわけがない。俺はこの時間でデータベースを作ったが、FMPに習熟というバックグラウンドがあったからだ。それを獲得するには相当の労力を要する。全く何のサポートのない会社で、仕事として評価されていない中ではなおさらだ。

ここにも合併の波

パソコン工房、ツートップ/フェイスを買収

 パソコンヲタクの聖地。自作マニアの常駐先ともいえる、三社が合併か。商品自体の重複が大きいので、スケールメリットを活かせるかもしれない。

 AT互換機はもちろん、macのドライブやメモリを探すときにはこれらのサイトで価格比較するのは定番だった。フォームでパーツの選択をして価格を見るのが息抜きだったこともある。

 個人ユーザーの大半が何の迷いもなくメーカー製ノートPCに流れる現状で、マニアのみに的を絞った展開は厳しいと、横から見ていて思う。

 ADSLが普及し家庭内LANもかなり一般化してきた今、lindowsをプリインストールした静音サーバーなら成長できるかもしれない。しかし、今のところ、linux関係は全然サポートしないところが多い。ノウハウが不足しているのか、後難を恐れてのことか分からないが、今のうちに経験をつんでおいたほうがいいだろう。デスクトップはサーバーになり、クライアントはノートPCになるのが流れだから。

消え行くフォーマット:TwinVQ

東芝、20GB HDD内蔵オーディオプレーヤー「gigabeat G20」

 とっくの昔に捨てられていたのかもしれないが、TwinVQを押していた東芝がTwinVQを読めないプレーヤーを発売した。実に腹立たしい。この新製品に腹を立てているのではない。この製品は、デザインを除けばいけてるプレーヤーだ。iPodより大幅に安くしないとメリットはないと思うが、winユーザーには使いやすいかもしれない。

 しかし、以前、スマートメディアの需要喚起にシリコン・オーディオを普及させようとしていた東芝がとなると、ちょっといやな気持ちになる。TwinVQについては前にも書いた。TwinVQユーザーの不幸は、このフォーマットを開発した企業(東芝・NTT・コベルコシステム・yamahaだったと思う)が、利益確保にこだわるあまり普及しないままに終わってしまったことだ。そうこうしているうちに、iPodが出てしまった。ストレージが十分大きくなって圧縮率のアドバンテージを失ってしまった・・・

 「儲からないからやめ」たというのは仕方がない。資源をつぎ込むこともできないのも理解する。せめて、作ったものをwebに公開しておいて欲しい。失敗したかもしれないけど、一度は売り出したものだ。ユーザーに向かって「これいいよ」と言ったんだから。そして、何がしかの金員と引き換えに自社の名前の入ったものを売ったんだから。売ったらそれっきりの家電品感覚で、ファイルフォーマットを扱われたら迷惑するのはユーザーだ。

ニュースネタ


「ポケットPC」勢が「パーム」勢上回る――PDA世界シェア:ITビジネス&ニュース

 米調査会社ガートナーによると、4―6月期の世界の携帯情報端末(PDA)のシェアは売上高ベースでマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ポケットPC」搭載機が47.7%を占め、米パームのOS「パーム」搭載機(41.0%)を上回った。出荷台数はパーム搭載機より少なかったが、ポケットPC搭載機の平均価格がパーム搭載機より66%高かったことがシェアの拡大につながった。

 こういうのをシェアで上回ったというんだろうか?

NTT、IIJを傘下に:ITビジネス&ニュース

 星間物質が大きな重力場に吸い寄せられて星系が形作られるのを見るようだ。どこもが太陽になろうとしているが、まだ光を発するまでにいたってはいない。

 まあ、他にも数万人とか数十万のユーザーを抱えたISPの合併はあった。しかし、IIJは俺の中で少し特別だ。俺がネット接続をしようとした時には、bekkoameとIIJしか選択枝はなかった。bekkoameはサービスが悪く、IIJは個人で契約するには高すぎた(月間が万単位だった。IIJ4Uはずっと後)。迷っているときにrimnetが神戸にアクセスポイントを設けて、俺はそこでインターネットを開始した。

 俺が始めた頃には個人の多くがbekkoameだったが、今は目にしなくなった。rimnetは名前は残っているものの、PSIに買収された。他にも上げたらキリがないほどの再編を繰り返しているISP業界だが、IIJですらも独立的な地位を保ち続けられなかったということで、「そうか」という程度の感慨がある。

 これまでの敵対関係にあったように見えたIIJとNTTだが、Y!BBという共通の敵が現れたことで、利害が一致したのだろう。

 もちろん、NetscapeがIEに駆逐されたときほどの気持ちはない。ユーザーじゃないんだから当り前か(^^;

経済効果期待してるよ

“阪神優勝”決裂…球団の“脅し”に不信感:ZAKZAK

 一般名詞に近い複合語を登録商標として認めたヤツが一番責任が重いと個人的は思う。こんなのを認めてしまったら、プロスポーツチームは考えうる全ての組合せで登録しなければなくなるだろう。しかも、早い者勝ちだったら、巨人の球団事務所が「阪神最下位」とか「Victory阪神」とか登録して、独占することを認めることになる。

 今になって文句を言う球団の態度にも問題は感じる。登録当時に異議申し立てをしていたのならともかく、1年以上も放置しておいて、今になって突然期限を切るのはおかしい。先に「異議申し立てを行う」と言ったのなら異議申し立てを行うしかないだろう。しかも、異議申し立てで商標の帰属(権利の有無)の決着がつかないうちに「不正競争防止法で、法的措置をとる前に商標を譲渡してほしい」というのは全く根拠がない。因縁でしかない。

 ただ、法的にどうなのかは分からないが、球団が「阪神優勝」を一般名詞的に使うことを差し止めることも困難だとも思う。

 オフィシャルグッズとして「阪神優勝だ」Tシャツとかをつくって、「『だ』がついたのがオフィシャルグッズです」と宣伝して笑いをとるのはダメですか・・・こんなことが話題になるのは今年のあと数ヶ月だけのことなんだし、「阪神優勝」という商標を持っていても、阪神球団の商品と紛らわしいロゴ・色使い・マークは使えない(紛らわしい商品を作ったら不正競争に抵触する)から、けんか腰になる必要なんかないだろう。

 いっそのこと、クロスライセンスにしておっさんにタイガースマークを使ってもいいとするとか、阪神の流通を通すとかすればいい。どうせ一過性なんだからさ。

微妙な問題

p>メガネチェーンの型破り経営:NewsStation

年商、およそ80億円。この平成大不況の最中、売り上げを伸ばし続ける、メガネ小売りチェーンがある。広島を本拠地に全国展開を図る『メガネ21』。この会社は、元勤めていた会社をリストラされた人たちによって設立された。リストラの衝撃をエネルギーに、社員をいかにしてやる気にさえるかを考え抜いて作った仕組みが巧く機能して、現在の快進撃に繋がっている。『社員の幸福を第一に考えた』その仕組みを紹介する。

 平均年収が800万円はうらやましい。査定もオープンで、これなら俺のような腐った人間を造らずに済むだろう。しかし、考課の項目に「サービス残業時間」があったのはちとマズイ。

 サービス残業とは賃金の不払いだから、本来許されるべきではない。現実では存在するし、そうやっている人に賃金という形で還元することは悪いことではないが、無駄な長時間労働につながる可能性も有り、難しい。経営側が悪用する可能性も高いからだ。

 この程度の規模の会社で資源の再配分が明確だから不満や不正が入り込まないのだろう。ちゃんとした経営者がこの程度の人数の組織を管理するなら、考課のためのサービス残業をさせないことは可能だろうしね。ただ、この会社と同程度の人数の組織なのに、全然仕事をしていないお荷物にしかならないクソホワイトカラーを高く評価し実際に仕事をしている人間を不当に低くこき使っている会社をよく知っている。

 #俺がどっちに属しているかも微妙だが、少なくとも不当に高い賃金はもらっていないので、俺の場合は例外的に賃金と仕事のバランスが取れてるかも(^^;…