IP電話と企業のコストダウン

 自宅の固定電話はY!BBだ。ADSLの契約をするだけで自動的についてきたものだ。不満はない。心配されていた音質も、極まれに昔のdocomoのような音になることがあるが、用件が分からないほどではない。モデムに電話回線用のジャックをつけたのが卓見だったと思う。数々のミスを犯してきているY!BBだが、この判断は大正解だったと思う。これは、「スプリッターを不要とする」というユーザー利益と回線ユーザーをIP電話に導くという自社利益を両立させた。しかも、外付けスプリッターを不要とすることで、ユーザーは自動的に、本人が望んでいるかどうかに関わらず、自社IP電話に導くことができた。そして、IP電話に対して何等興味を持っていなかった大半のADSLユーザーに普及させてしまった。唯一不満点として挙がっていた「番号通知できない」ことも、法律の改正後速やかに対応した。

 そして、IP電話という言葉と概念が浸透するにしたがって、企業にもIP電話化への流れが起こった。個人とは使用量が全く違うので、その効果も大きい。かくいう俺が良く知っている会社もIP電話を導入した。俺は、現時点ではペイしないから放置していた。公衆回線については一括請求業者の割引で相当割り引かれていたし、不特定多数の全国のユーザーに電話を掛け捲るような業種じゃない。多い事業所間の電話についてはすでにIP化され、定額だからだ。

 そこに、情報部門が突然IP電話にするといいだし、コスト計算もできない間抜けが承認して導入が決定。俺には日の粉がかからないように一エンドユーザーとして遠巻きにしていた。IP電話自体には問題はない。しかし、IP電話を入れるために投入した機材のリース料、工事費、人件費、以前使っていた回線の中途解約に伴うハード使用代(期間満了までの間使っていない機材の使用料が発生する)で大幅にコストアップしてしまっている。アホだ。それがばれるとまずいので、科目を変えたり管理部署をかえたりしてごまかしている。間抜けな予算管理しかできない低脳ばかりの会社では「電話の使用料金が前より数パーセント下がった」として通ってしまうのだ。これが、日本の会社のコストダウンの実体だ。

 間抜けなコストダウン話には事欠かないが、ひどいのは他部署への振り替えだ。去年までA部署の扱いになっていたものを他部署に振り替えてしまうのだ。合計では全然減っていないのに、A部署は目標を達成したことになる。それを見抜けない低脳上級管理職・・・・

 それいぜんに、どんぶり勘定でしか経費を管理していないから、期末になって「XXの今年の実績は?」とか聞きまわっている低脳上司。お前のところを伝票が通ったはずだろ。なにやってんだバカ!

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