不可能犯罪捜査課

 ディクスン・カーの半古典的推理小説集。時代・舞台を楽しむ心構えで望みたい。

 トリックや謎解きは色あせる。後代に出るものは前に作られた作品を参考にして作るのだから当り前だ。また、トリック以前に、犯罪技術も操作技術も数十年前から進歩を続けている。社会の変化や科学技術の変化も大きい。犯罪や捜査の技術も推理小説の影響を受けて進化したことを忘れてはいけない。

 現在の高見から過去を見下すのは愚の骨頂だが、その愚をもってしても色あせないのがエドガー・アラン・ポーだ。原書で読む能力のないヘナチョコなので、訳者の力量や翻訳された年代による影響も差し引く必要があるのかもしれないが、ポーの作品は時代や技術に汚染されない孤高を感じる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です