ASICS の回答か Hypergel-KENZEN

 ASICS の厚底ランニングシューズに対する回答がこれだろうか。海外向けがメインなのか、国内では公式サイトと直販店でしか扱わないらしい。

 日本ではこのコンセプトのクッションシューズの市場は小さいという判断だろうか。それとも、これへの反応を見て一般的な流通に乗せるか判断するつもりだろうか。

 海外向けと思うのは、「健全」という名前とかかとに「心」「体」と漢字を浮き彫りにしたパッチが結構大きく張ってあることによる。

 シューズのコンセプトは Adidas のウルトラ・ブーストとか NIKE のエピック・リアクトに通ずるものだ。新しく開発した(とメーカーが言っている)素材を厚いミッドソールにし、ニットのアッパーを組み合わせている。

 一つ気になるのは、靴紐がないこと。ニットの伸縮性でカバーするということだろうが、それでは足のボリュームによってフィット感が異なるということだ。パフォーマンスタイプのシューズは前足部が固く板バネ効果を狙うのが今の流行りだ。これを活かすためには靴の後部が足の屈曲に伴って上がってこなければならない。足のボリュームが小さい人だとソールが足に連れて曲がらずに狙っている「反発力」を発揮できないのではないか。

 一般的なシューズではこれを防ぐために靴紐部分とソール後半部に補強パーツを入れることが多い。adidasの昔の3本ラインやASICSのラインはそういう役割も担っていたはずだ。今はほとんど飾りで、別の補強方法を取っているシューズが多い。NIKE flyknit などで使われている底に固定したワイヤーに靴紐をかける構造などだ。どれも、構造材は伸縮性のない強固なものが使われる。このシューズでもACICSマークはストレスメンバーになっているかもしれないが、上部は伸縮性のあるニットしかない(そうしないと履けない)。

 他社の似たコンセプトのモデルに遜色はない。ASICS につきまとう学校指定ユニフォーム臭も少ないし。でも、はっきり言ってこれに 16000円払う気はしないなぁ。「日本人は ASICS のすごさを理解していない」という動画を観たことがあるが、実際に作ってるのは中国、ベトナム、マレーシアとかの下請け工場やもんなぁ。下手したら同じ工場やったりしかねない。

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