iPhoneのjailbreakサイトが次々と閉鎖。ユーザーの関心薄れる

iOS6  home jailbreaked
Jailbreak した iPhone 4S のホーム
 iPhone 4S (iOS6)を使っている時に jailbreak について調べ、使っていた。今も音楽・ポッドキャスト再生機として使っている iPhone 4S だが、iOS をアップデートしないままなのは、Jailbreak 環境が快適だからだ。

 当時、Softbank の回線ではテザリングができなかった。そして、今のような MVNO SIM はなかったので iPad を外で使うにはPocket WiFiを買うか、SIM スロット付きのiPadを買った上で電話回線を一本契約しなければならなかった。そこで、Jailbreak したのだった。

 Jailbreak の恩恵はそれにとどまらず、カスタム可能なホーム画面や、iOS6 にははかったドロワーによるシステム機能のショートカットなど多岐にわたった。

 しかし、iOS のバージョンが上がるに連れて、その多くの機能が iOS に取り込まれていった。通知エリア、テザリング、アプリフォルダへ10個以上入れられるようになった、コントロールセンターによる設定へのショートカットも実装された。相変わらず純正のUIは使いやすさより見た目重視で、軽快感はないが、以前よりはましになった。

 Jailbreakした端末との差が小さくなったら、Jailbreakすることによるリスクとのバランスが崩れたのだ。危険を冒してまで Jailbreak して得られるモノが少なくなってしまった。

 さらに、自分だけかもしれないが、Jailbreak ツールの提供が Pangu という中国のハッキンググループによるものだけになってしまったことも大きい。Pangu が後ろで何かしているかどうかは分からないが、何かする気になったら iPhone を遠隔から自由にできる。中国政府がハッキンググループに圧力をかけ、何らかのツールをインストールさせようとする可能性はある。標的が特定の標的になることはないとは思うが、踏み台にされたりすることも考えられる。

 同時に iPhone に保存するデータの重要度が上がっていることも大きい。決済機能やオンライン・ショッピングサイトのアカウントなど、クレジットカード情報と結びつく情報も多く保存するようになっている。iOS6の頃はせいぜい iTunes と Amazon くらいしかなかったが、今では色んなサイトで買い物ができるようにしている。Jailbreak された端末に root 権限でインストールされるアプリが裏で入力をほかのサイトに送っていても自分はわからないだろう。

 これら全てを秤にかけた結果、iPhone 6 も 8 も Jailbreak しないという選択をした。今後も、決済機能が充実する一方なので、同じように考える人は増える一方だろう。

iPhoneのjailbreakサイトが次々と閉鎖。ユーザーの関心薄れる | TechCrunch Japan
今から数年前、iPhoneのjailbreak[脱獄]が大流行した。ハッカー対Appleのいたちごっこは大いなる楽しみで、脱獄者たちのためのオープンソースサービス —— 中でも代替App StoreのCydia —— は驚くべき機能とカスタマイズ能力をiPhoneにもたらせた。なかにはjailbreakされたiPhoneだけにアプリを提供して、Appleの塀に囲まれた庭園をあざ笑うデベロッパーもいた。

今はしかし、Jailbreakコミュニティーはすっかりさびれ消えかかっている。主要な2つのリポジトリー(アプリ倉庫)が閉鎖し、アクティブなjailbrakerがアプリをインストールできるものはほとんどなくなってしまった。

最初に閉鎖したのはModMyiで、レポジトリーを維持する経済的意味がなくなった、と発表した。次に、MaCitiが先週閉鎖された。jailbreak人気の「デススパイラル」の結末だった。

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