「なくす」をなくす、日本ゆえに生まれたIoTタグ(mamorie)

この写真は mamorie ではありませんw
 面白い。デバイス自体は珍しくないが、バックグラウンドのサービスが興味深い。こういうデバイスを見る度に、「電波が届かんとこに落としてきたらどうしようもないやん」と思っていた。デバイスにWi-FiやLTE機能をもたせることは出来ないだろうから。これは、他のユーザが持っている回線を使ってサーバーに「おれはここにいるぞ」を知らせる。この方法なら、駅やコンビニで落とした鍵や飲み屋やタクシーに忘れてきたバッグを見つけることも可能だ。

 一つ気になるのは、このサービスがユーザーの通信回線タダ乗り前提なことだ。これが普及し、みんなが使うようになったら、そこらじゅうにこのタグが転がるということだ。ということは、捜し物をしていないユーザが道を歩くだけで、タグのリクエストを受けて、知らない間に通信を行い、使用パケットと電池の消耗を増やすことになる。

 そこで行われる通信が多いと「自分が探すときにしかこのアプリの通信をオンにしない」になってしまいかねない。そして、そうなるとこのモデル自体が真価を発揮できなくなるだろう。普及すればするほど、デメリットが増えるという二律背反だ。

 このタグのステータス判定をどうやって行うかという技術的な疑問がある。ペアリングしたスマートフォンとBluetooth通信が途切れたのを判定基準として、「助けを求めなあかんがな」とするのは簡単な方法だ。しかし、そうだとしたら、家においた車のキーとかは常に「迷子状態」として認識される。ユーザーが「場所はわかってるから探していない」ものに取り付けられたタグがそこらじゅうで「探してコール」を発信するようになったら無駄な通信が発生してしまうだろう。

 ユーザが回線を提供し合うことに寛容であればいいが・・・

情報源: 「なくす」をなくす、日本ゆえに生まれたIoTタグ (1/3) – EE Times Japan

追記:流行りモノ通信簿#337「なくすをなくす。落とし物防止タグMAMORIO(マモリオ)」 で取り上げられていた。