自宅に帰ったらeo光からDMが来ていた。右の広告が入っていた。eo光と抱き合わせでauを契約すると割引が受けられるというものだ。このサービスもかなり胡散臭いが、まあいい。
問題は関西電力が eo電をやっているということだ。卸業者から買うより小売業者から買ったほうが安いということだ。しかも、圧倒的なシェアと価格支配力を持った卸がこれをやっているというところがおかしい。他の小売業は勝ち目がないし、そもそも子会社を通じて売って安くできるものを直接高く売るということは卸価格(この場合直接関電から買っている顧客の価格)が不当に高いということだ。あるいは、eo光に非常に安い価格で卸しその不利益を他の直売価格に転嫁しているかだ。どちらにしても不当競争だろう。
それ以上に引っかかるのが「たくさん使うほど方ほどおトクになるんです!」という文言。規模の経済効果は自然なことではある(固定費は量とは関係ないから)。大口顧客の安定的需要が需給調整の安全弁になっているケースも有る(夏の昼間に稼働を停止し、夜間に工場を稼働するなど)。また、深夜電力を使うサービス契約者の単価が条件なしの家庭より安いのも分かる。
しかし、今はエネルギー多消費社会からの脱却を図ろうとして取り組んでいる最中だろう。日本で使っている電気のエネルギー源の大半は化石燃料だ。数億年前に降り注いだ太陽エネルギーを詰め込んだものだ。再生産には億年単位の時間が必要になる(原子力の場合はもっともっと前の前世代の太陽が超新星爆発を起こしたときに作られたもので地球上での再生産は不可能)。その資源を「たくさん使ったら得をする」というのが問題だ。夏になると電力危機とか節電要請とか大騒ぎしておきながら、たくさん使うことを推奨するような謳い文句を垂れ流すことに疑問を感じる。
右は関西電力の料金単価表だ。たくさん使う方が単価が上がるという料金設定だ。
他にも「たくさん使うほど方ほどおトクになるんです!」には気になる点がある。電気に限らない問題だ。
「多くの割引きを得ることが得をしたことになるのか」という問題だ。個人の家庭の電気使用量は固定的だ。消費量の大きい冷蔵庫などは止めたり増やしたりは出来ないし電灯の消費電力は僅かだ(家庭の電機をLEDにしても月々の支払額はほとんど変わらなかったはずだ)。掃除機や炊飯器、洗濯機も電気が安くなるからといって稼働回数を増やすことはないだろう。そうなると、エアコンの使用時間と設定温度が電力使用量を左右すると考えられる。