自転車徘徊者の孤独

商店街の夜 金曜日の夜、不在票が入っているのに気づいた。それも2枚も入っていた。木曜日に入っていたのに気付かずに連絡しなかったので金曜日も同じような時間帯に持ってきてくれていたのだった。荷物は早く受け取りたいものだったが、「午前中」という指定は曖昧すぎて不便だ。午前中に出かけられなくなる。かといって午後も中途半端。急がないものなら夜でいいが、昼に試したいものだったので早く受け取りたかった。

 不在票を見て逡巡していたら、「窓口は21時以降、24時間対応」という文言に気づいた。郵便局の窓口が24時間対応というのは初めて知った。本局までは約7km。車を出せば楽勝だが、たった7kmの距離のために自動車を出すのは面白く無い。走って楽しい道でもないし。

 気温がこの時期にしては高いことに気づいた。夕方に荷物をとりにコンビニに行った時には汗ばむくらいだった。結局、22時頃に意を決して、wilier405を引っ張りだした。走りだして寒ければ引き返すつもりだったが、少し肌寒いくらいで自転車に乗るにはちょうどよい気温だった。多分10度から15度の間くらい。

 MTBだと市街地走行も苦にならない。自転車・歩行者専用道や歩道の段差も全く気にする必要がない。この時間帯なので車通りは少ないが、車も油断している可能性が高いので、危険を感じたら迷わず歩道に逃げなければならない。「ライトつけてるから見えてるはず」というのは勝手な思い込みでしかない。ちっさなLEDライトのライトなど、そばを走るHIDヘッドランプでくらんだ目に入るはずがない。

 元城下町の市街地は古く密集した民家や商店跡(シャッターが多い)で狭い道で碁盤の目状に区画されている。京都市中京区を思わせる。寂れたアーケードのある商店街も趣がある。古くて寂れた感じも夜は隠してくれる。活気がなくても不思議ではないからだ。逆に、民家の灯りは人の体温を感じさせてくれる。

 そんな空間を自転車で走り抜けるのは快感だ。この感じは、エンジン付きバイクでツーリングした時に知らない田舎町を夜に走り抜ける感じだ。

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