「次世代の自動車エンジンは『円弧動エンジン』で間違いない」ことはない

 日本から独創的な発想の内燃機関が発表された。特許をとったからの発表なのかはこの記事からはわからない。ここに書かれている能書きをすべて実現化したら大変な発明になるだろう。・・・色々と無理がありそうなので、これに投資するくらいなら競馬に賭けたほうがマシだろう。

これは、変形ピストンを中間の円形の構造物でつないだものだ。四つの燃焼室が一つのピストン複合物を往復運動させ、それを二次軸のクランクで円運動にして出力する用になっている。記事では「一回転の間に2回爆発」とあるが、何を持って「一回転」としているのかは謎だ。中心の構造物は回転しない。クランクを回すのは中心の出力軸とクランク軸とに付けられたギヤであり、このギア比によってクランク軸の回転数は決まる。この絵では出力軸とクランク軸のギア比が2:1なだけだ。

 現実的な問題が山積している。素人が考えても克服困難な構造的な問題と思われるが・・・

  1. ピストンの冷却と潤滑:両面が燃焼室として熱にさらされることになる。2ストロークエンジンのように燃料に潤滑油を混ぜて送り込むか?
  2. ピストンが直線でなく弧を描いて往復するが、ピストンの最高移動速度は円弧の外周が限界となる。
  3. 燃焼ガスの膨張がピストンを斜めから押す事になるが、無駄は生じないか。
  4. 内側と外側で燃焼状態が異なることで熱分布が不均一になって、膨張率が変わると不均一変形になり機械的な負担が大きくなる。(これがロータリーエンジンの宿命的な弱点)
  5. ピストンをつなぐ構造物の根本には相当大きな力が加わるが機械的な強度は十分か。十分にするためには相当大きな物が必要ではないか。
  6. 連結構造物はかなり大きい。これは通常の往復バンケル機関のピストンの一部だ。ここは往復運動をする。円弧の中心に近いとはいえこの質量はピストンの質量の一部だ。この部分の慣性モーメントはバカにならないくらい大きいはず。ゆっくりならいいが、300馬力も出力するためにはかなりの回転数に上げなければならない。これに耐えられるか。
  7. ピストンと燃焼室は断面が円ではない。ロータリーエンジンでも克服困難だったのがこの燃焼室の断面形状だったはず。それより複雑なこんな形の機械が高負荷状態でまともに機能するとは思えない。
  8. ピストンと中心の連結構造物は往復運動しかしないが、バランサーがないのにどうやってスムーズな回転運動にできるんだろう。

 また、「円弧動エンジンは、排気量1080ccで本体重量13.9kgが可能であり、その能力は排気量3000ccクラスのエンジンに相当する出力244psを実現可能であります。また、エンジンの軽量化・車体の軽量化・エンジンの高効率化・エンジンの低回転化により、燃費を1/3以下に低減することができるということです。」と美味しいことがいっぱい書いてあるが、何の根拠も示されていない。

 1,080cc で 244ps を何回転で出力するのか分からない。NA なら出力は爆発の回数に比例すると言える。3,000 cc と同じ出力を 1,080cc で出力するには単純に考えて3倍の爆発回数が要るだろう。更に、燃費を 1/3 にできるというのも根拠がない。そもそも、「エンジンの高効率化」がどこからもたらされるのか理解できない。

次世代の自動車エンジンは「円弧動エンジン」で間違いない : ギズモード・ジャパン

完成すれば究極の自動車用エンジンになるかも。

日本ソフトウエアアプローチは、次世代の自動車エンジンとなるかもしれない「円弧動エンジン」の共同開発者の募集を行っています。

この円弧動エンジンは、一般的で多くに搭載されているレシプロエンジン(往復ピストン運動型)と軽量コンパクトながら高出力を発生するロータリーエンジン(回転動機構型)のいいところを合わせたタイプになっております。機構としては、ドーナツ状のシリンダー内に内輪のようなヘッドがついており、圧縮や燃焼を円弧状に動くことでエンジンを回転させます。

特筆すべき特徴は、やはり軽量でコンパクトにも関わらず、高出力で低燃費なところです。現行の自動車用のエンジンは4回の工程を経て1サイクルとし、回転しております。つまり、エネルギーを発生させるにはこの4工程が必須なのです。多くのタイプであるレシプロエンジンは、エンジンを2回転させて1回のエネルギーしかとれません。また、ロータリーエンジンは1回転で1回分のエネルギーがとれるので高出力が得られるのですが、効率が悪いのが難点でした。この2つの利点を合わせた円弧動エンジンは、エンジンが1回転するのに2回もエネルギーが得られ、且つ効率が最高に良いのです。

円弧動エンジンは、排気量1080ccで本体重量13.9kgが可能であり、その能力は排気量3000ccクラスのエンジンに相当する出力244psを実現可能であります。また、エンジンの軽量化・車体の軽量化・エンジンの高効率化・エンジンの低回転化により、燃費を1/3以下に低減することができるということです。

円弧動エンジンの動作試験機は、埼玉県産業振興公社に展示してあります。

日本ソフトウェアアプローチでは、2017年3月までにこの次世代エンジンの開発を目指しております。

このエンジンと電気モーターとを組み合わせたハイブリット自動車は、言わずもがな最高な自動車となるでしょう。

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