iWatch を筆頭にウェアラブルデバイスが各社から発表・発売されている。スマートフォンの次の金鉱をここに見出すハイテク企業は多いようだ。
自分は時計型のウェアラブルデバイスには興味が無くてスルー気味だったが、iPhone 6 にあるヘルスケアというアプリを見て俄然興味がわいた。何の操作・設定もしていないのに歩数や歩行距離が記録されていたのだ。iPhone 6 (5s)は M8(M7) コプロセッサによって勝手に情報が取得されるのだった。しかも、ほとんど電池の使用量に影響を与えずにだ。
そして、ヘルスケアの管理項目を見ると実にたくさんの情報を管理できることがわかった。単体では得られない情報でも、ヘルスケアに対応するセンサーを身に付ければ身体や生活に関する情報を一元管理できるのだ。面白い!
これまで、こういった情報はデバイスを作っているメーカーが提供するアプリに依存していた。アプリ間でやりとり出来るものもあったが、一元管理には程遠い。また、センサーデバイスを他社品にしたらログは引き継がれない。
iOS 標準のヘルスケアなら、様々な単機能のセンサーデバイスを統合することができ、センサーデバイスを買い替えてもヘルスケアの記録は引き継がれる。つまり、オムロンの体重計を使っていて、タニタに買い替えても一つのグラフで表示されるということだ。これなら、センサーを揃える意味がある。
運動の記録を取るセンサーは以前から多かった。これに、自転車の走行記録(心拍)、体重・体脂肪を合わせられれば、センサー好きの自分には楽しい。今使っている体組成計は SD カード記録機能があり、自動的に体重や体脂肪率が記録されているらしい。「らしい」というのは見たことがないから。SDカードを抜いて PC で見るのがめんどくさい。PC、しかも Windows PC が必須なので、Windows で起動しなおさなければならない。結局、これが面倒で、計測結果を見たことがない。
タニタの体組成計はトラブルが多く、しょっちゅう使えなくなるのも、使おうとういう意欲を失う原因だ。図ろうと思って乗ったら、年月日設定画面ということがよくある。そうなると、次に設定をしてでも測りたい気持ちになるまでの数ヶ月放置だ。電池ケースの設計が悪く電池の接触不良が頻発するのが原因だということが分かったが、体重を測るモチベーションが失われてしまった。そうこうしているうちに脂肪は順調に育ち、体重も体脂肪率も大幅に上がってしまったorz…
心拍については、現在は SUUNTO T6 で記録して Movescount で管理できている。が、現時点では Movescount がヘルスケアに対応していないのでヘルスケアに自転車と心拍の記録を持ち込めない。心拍と自転車の記録をヘルスケアに取り込めるセンサーが有ればすべてのアクティビティが統合できる。
自分は腕時計型デバイスが嫌いだが、ヘルスケアと Apple pay という iOS を取り巻くエコシステムによって他のプラットフォームのデバイスとは一線を画する魅力は感じた。ヘルスケアは地味だが、生活に密着したゲームとは別の活用法を提示してくれる。
近所を自転車で走っていても、ランナーやジョガー、ウォーカーとすれ違うことが多い。老若男女がそれぞれレのペースで運動を楽しんでいるようだ。このときにヘルスケアが有効であるという認識が広がれば iPhone のさらなる後押しになるだろう。Apple はデジタルデバイスから金融サービスや健康管理サービス分野にまで触手を伸ばそうとしているのだろうか。iPhone や iPad は革新的アップグレードがないと揶揄される(ここでも完成期に入って、大きな変更はないのではと書いた)が、Apple pay とヘルスケアによるユーザの生活への侵食こそが iOS デバイスのここ2年の革新なのかもしれない。この視点で考えれば、iPhone 5s の指紋認証、iOS 7 の Passbook、6 の NFC といった一見地味な機能の搭載はユーザの生活に食い込むための全段階だったのかもしれない。
そして、Siri の AI によってこれらすべてを統合しコントロールするのが Apple の未来か・・・