タブレットの成長は2014年に鈍化、Androidスマートフォンの急上昇が続く

タブレットはWi-Fiモデルが主流で、キャリアの機種変サイクルに組み込まれていないものが多い。また、スマートフォンの製造技術を応用しているので、比較的短期間で完成度が上がった。結果として買い替え需要がスマートフォンより少ない。

自分のiPad3は3世代前の端末だが、最新のOSが動くし、買い換える必要を感じない。NEXUS7 以降の端末を使っているAndroidユーザも同様だろう。

今売れている Android スマートフォンとタブレットは市場が違う。

タブレットの成長は2014年に鈍化、Androidスマートフォンの急上昇が続く: Gartnerの調査より – TechCrunch
Appleは木曜日(米国時間10/16)にiPadとMacの新製品を発表するらしいが、その前夜、調査会社のGartnerが公開した数字は、この種のデバイスが今の市場で直面している難題を裏書している。すなわち、スマートフォン、この安くて誰もが安易にリプレースできるデバイスの圧倒的な勃興は、もう誰も、押しとどめることができない。

Gartnerの本年Q3と通年(下表)に関する各機種タイプ別の全世界の売上データ(台数ベース)は、2014年のタブレットの売上伸び率が前年の55%から11%に落ち込んだことを示している。2014年のタブレットの売上予測は下表に見られるように2億2900万台、これは全機種合計の24億台の9.5%だ。全機種合計は2015年に25億台になる(前年比5%増)。

PCは、長期的な低落傾向が今後も続く。2014年の売上台数は2億7600万台で、2013年の2億9600万台から下降している。

消費者電子製品の勝者は依然としてスマートフォンで、とりわけ、Androidのスマートフォンだ。
2014年のAndroid製品の売上は12億台となり([表2]+[表3])、全機種の売上の半分以上、51%を占める。

携帯電話全体の中では、Samsung、Appleに次いでNokiaが第三位のメーカーであり、つまりフィーチャーフォンがまだしぶとく売れていることを示しているが、Gartnerの予測では2018年には携帯電話の売上の90%がスマートフォンになる。

とくに途上国市場ではAndroidの伸びが著しく、2015年には売上が10億の大台に乗る。ここで途上国市場と呼んでいるのは、合衆国と西ヨーロッパと日本を除いた市場だ。下の[表2][表3]に見られるように、途上国市場の全機種の総売上台数は先進国市場の3倍近くにすでに達している。

「ウルトラモバイル」という新概念

上の表でUltramobile(ウルトラモバイル)となっているのは、PCでもない、タブレットでもない、電話機でもない、あるいはそのすべてでもあるような新しい機種分類だ。まだニッチではあるが強い成長を示し、2014の売上は3760万台になる。このジャンルは今後も成長率では最速で、2015年には前年比でほぼ倍近い台数になる。2105年の前年比成長率は、全機種で5%、携帯電話で4%弱という、ささやかなものだ。

しかしウルトラモバイルには、タブレットと同じく、携帯〜スマートフォンのように簡単にリプレースしない、という弱点がある。“タブレットの領域では、ベーシックなウルトラモバイルの伸び悩みから下降が始まるだろう”、とGartnerは述べている。同社のアナリストたちの推計では、タブレットもウルトラモバイルも平均ライフサイクルが3年だ。2014年に買った人は買い替えが2018年になる、ということ。そこでGartnerの予測では、2015年のタブレットの新規購入は2014年より8300万台減少し、2018年の買い替えは前年比で1億5500万台少なくなる。

それは、これらのデバイスに消費者が不満を抱いているという意味ではなく、むしろその逆だ。調査報告書を書いたGartnerのアナリストの一人Roberta Cozzaは、“むしろ、期待通りでありすぎたから、気に入りすぎて、早期の買い替えをしないのだ”、とジョーク混じりに言っている。“彼らはソフトウェアのアップグレードで満足している”、のだそうだ。

そこで彼女は、タブレットメーカーもそろそろ途上国市場の方を向くべき、と主張する。“先進国市場ではタブレットは飽和点に達したと思う。合衆国では2014年の保有率が50%を超えるだろう。しかも新規のユーザはタブレットではなく、画面の大きいスマートフォンなど新しいタイプのデバイスに惹かれるから、タブレットの伸びはますます鈍くなる”、と彼女は言うのだ。

Samsungはトップだが決め手を欠く

Cozzaも、SamsungがOEMの断トツであることを否定しない。他社を、頭一つ、肩一つ、抜いているというのだ。

PC等を含む全機種合計でもSamsungはナンバーワンで、Q3のシェアは約20%もある。それもほとんどAndroid機のおかげであり、SamsungのPCのシェアは微々たるものだ。

シェアといえば、Appleは二位で10%、三位がNokia、四位がLenovoだ(全機種)。Nokiaの好順位はフィーチャーフォンが好調なためだが、その状況は今後長続きはしないだろう。

“しかし、スマートフォン市場でもSamsungはQ2にスローダウンし、シェアを減らした”、とCozzaは指摘する。“とくに高級品分野では、Appleの大型ディスプレイ機の影響がQ3とQ4で顕著に現れるだろう”、と彼女が言うのは、もちろん、iPhone 6のことだ。

彼女の説では、高級品を買う人たちには、今の手持ち機種がSamsungであっても、買い替えにあたって、わざわざ再びSamsung製品を買うほどの、強い動機や理由がない。“Galaxy S4からS5、あるいはS3からS4への場合ですら、Samsungファンを定着または増加させるほどの強い魅力がない。一方、Appleファンの定着度が高いのは、毎回の新型機に新しい目立つ魅力があるからだ。今回は、画面が大きいという、とても分かりやすい魅力がね”、と彼女は分析する。

途上国市場がいよいよ力を持つ

先進国市場では進んだ機能や高級機が話題になるが、市場の成長を量的に支えているのは途上国市場だ。

たとえば今急伸している中国のXiaomiは、中国の外の途上国市場に売り込むことに力を入れている、とCozzaは言う。“同社のシェアは今年のQ1とQ2で急伸したが、中国のスマートフォン市場はそろそろ飽和なので、外へ向かうしかない”。彼女の説では、Huaweiもやはりそうだ。“中国のブランドは量産量販タイプだから、どうしても国外市場に出て行かざるをえない”、と彼女は言う。

たしかにGartnerの数字を見ても、オペレーティングシステムのシェアでは“量”がものを言ってることが、明白に分かる([表2][表3])。この傾向が、今後数年は続きそうだ。

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