【笠原一輝のユビキタス情報局】3つのキーワードに隠された次世代Windowsの目標

  Windows が一つになるということについて、明確に考察した記事があった。

 「スマートフォン、タブレット、PCと、我々が便宜的に呼んでいる区別はもはやほとんど意味が無くて、クラウドの前はどれも単なるクライアントデバイス、そんな時代に突入」は既に実現されている。Windwos が一つになるかどうかは関係ない。一つの OS で全てをカバーしようとする思想が既に終わっている。

 なぜなら、ユーザにとってネットに接続するためのデバイスはその場に有る最適なものから選択する。そのデバイスのOSが何であるかは既に関係ない。自分は、携帯電話は iPhone 、タブレットは iPad または Android、PCは会社では Windows、自宅では Mac を使っている。その場その場で一番便利なデバイスを手に取るだけ。手に取るデバイスに適合した UI こそが重要であって、OS が共通しているとかいないとかはどうでもいい。

 複数に分かれている Windows が一つになることは、Windows モバイル向けのアプリの開発リソースを確保するためには重要かもしれないが、開発者の視点から見れば重要度の低いプラットフォームが消えるだけではないだろうか。そもそも、iOS や Android むけのクラウドサービスを展開している会社の多くは Windows phone 用のアプリを作っていないケースが大半だ(アプリへのリンクアイコンは大概二つだろう)。それらの会社にとって Windows phone が Windows に吸収されようが開発の手間は変わらない。「Windows 用に開発していたものが流用できるようになってちょっと便利になるかも」程度だろう。そもそも Windows phone が今のシェアでは開発リソースを iOS や Android と同様にはかけられないだろう。

 OS にこだわるというのが既に時代遅れなのではないか。組み合わせは異なるだろうが、iOS と Android と Windows を平行して使っている人は多いはずだ(Mac はさすがに少ない)。それらのユーザの多くは OS の役割も知らないし興味もないだろう。それでも、SNS やメールでコミュニケーションをし、アプリで同じゲームをし・・・それ以上のことはあまり何もしていないだろう。これがモバイルコンピューティングがレイトマジョリティに普及した世界だ。

 自分も昔はOSに感心が高かった。漢字Talk 7 のアップデートを有料で買ったし、OS が CD でしか供給されなくなったために Apple CD 300 (5万円)を買ったりもした。iPhone も iMac も常に公開日か翌日にはアップデートしてきた。しかし、今では違う。iPhone 4S は iOS 6 のままだ。iMac 2013 は自動的にアップデートされるからアップデートしているが、iMac 2007 は Lion のままだ。Mountain Lionを買ったのに入れるのが面倒で放置したままだった。OS の完成度が上がり、普段の使用に困らなければ急いでアップデートする必要はない。その程度のことだ。

【笠原一輝のユビキタス情報局】3つのキーワードに隠された次世代Windowsの目標 – PC Watch

 そうしたMicrosoftの新戦略のすべてが姿を現す2015年、その時に登場するWindowsデバイスは、スマートフォン、タブレット、PCと、我々が便宜的に呼んでいる区別はもはやほとんど意味が無くて、クラウドの前はどれも単なるクライアントデバイス、そんな時代に突入することになる。

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