先日買った親のデスクトップも Windows 7 にした。全く迷いはなかった。やっと XP 風の操作体系を覚えた老人に、これまでの学習成果を無にするような UI への対応を強いることは難しい。Windows 9 は XP のクラシック環境を引き継ぐようなシンプルでダサい UI を用意して欲しい。Windows 8 のクールなフラットデザインをデフォルトにしてくれるのは構わないし否定はしない。オプションで従来の UI を選べるようにして欲しい。まあ、もちろん、UI の体系をもう一つ用意するのは大変な労力だとは思うが、Microsoft にはその力が有るだろうし、そう期待されている。
Microsoft にとっては複雑な気持ちかもしれないが、intel にとっては神風だろう。が、もちろん、長期トレンドを変えるようなものではない。一瞬の追い風でしかない。需要の先取りでもある。XP から windows 7 にこの時期に買い換えるようなユーザは Windows 7 のサポートが切れるまで使い続けるだろう。プリインストールの Windows 7 を Windows 8 にアップグレードすることはない。ということは、今の需要は今後数年間に徐々に発生したであろう需要を今期に先取りするということだ。
同じことは地デジバブルに湧いたテレビでも起こった。地デジ対応のテレビに買い替えた家庭の次の買い替えは5年以上後だろう。というい事は、今 XP から Windows 7 に買い換えているユーザの大半は今後 5 年以上は買い換えない。この需要の盛り上がりが一段落したら Microsoft と intel にとって本格的な北風が吹くだろう。特にこの風は Windows 8 への乗り換えを促そうとしている Microsoft にとって強く吹くだろう。この予想があたっていたかどうかは2年後に分かる。
時代はWindows 8.xのはずなのにWin 7マシンが絶好調、Intelは売上予測を大きく上方修正 | TechCrunch Japan
今日(米国時間6/12)の平常取引はほとんどフラットなまま終わってしまったが、時間外ではIntelが5.47%上げた。それは本年Q2と全年の売上に関する強気のガイダンスと、粗利益のわずかな変化のためだ。Q2に関してIntelが予想している売上は137±3億ドルだ。この前の、130±5億ドルという予想よりも大きい。ここで新たに見えてきた140億という線は、これまでの最低のガイダンスにおける125億ドルを大きく上回る。Yahoo Financeによると、この四半期のコンセンサス予報は130.2億ドルだったから、Intelはこれも楽々超えてしまう。全年の売上は、横ばいという予想から増加に転じた。粗利率の予想も1%アップして64%前後、となった。
Intelの予想が強気に転じた理由は、同社の発表によると、“企業のPCの需要が予想を上回ったため”、である。
企業向けPCの市場について、MicrosoftのCFO Amy Hoodはこう言っている:“企業は明らかに、Windowsに対する圧倒的な選好を表明している。Windows Proの売上は、企業向けPCの需要増により前四半期では19%増加した。とくに先進国市場に需要がシフトし、大企業が依然強いだけでなく中小企業におけるProの需要も増加した。Windows Volume Licensingの売上も堅調で、11%の増加を見た”。
別の言い方をすると、Windows XPの死の行進が今も続いているのだ。
The Next WebのEmil Protalinskiが言うには、Windows 7のシェアがまた急増しており、50%のラインを超えた。Windows 8.xの世の中になってからかなり日にちが経つのに、今どきWindows 7がシェアを伸ばすとは、どういうこと? Windows XPマシンを山のように持っている企業は、8.xよりもWindows 7を選んでいるのだ。
しかもMicrosoftは、Windows 7に流れていく企業に対して、その動きを奨励するお言葉を下されている。XPからの迅速な移行の方が、8.xの採用よりも優先するのだ、Microsoftにとっても。大企業におけるXPのマーケットシェアは10%未満まで下がった、とQualysが報じているから、この突然のWin 7人気もそろそろ下火になるのだろうが。
XPの死の行進には、多くの企業がWindows 7マシンを買っていることが含まれる。Intelのチップがこれらのマシンの多くで使われているから、Intelの売上にも貢献する。WinTel時代は終わったとは言っても、まだまだ、PC市場の好調はMicrosoftとIntelの両方にとって恩恵だ。PCの死という説には、かなりの誇張が含まれていたのだろう。