新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ300www

 とりあえず、「新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ300 | ランキング | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト」をお読みいただきたい。このリストを見て疑問を抱かなかった方は「日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病」をお勧めする。もちろん、こんな記事を書いた担当記者も載せた編集長にも。

 このリストの問題点は、数字に対する感度の鈍さだ。100人が100人残っている会社と3人が3人残っている会社を並べている。一人でも退職があったら126位になる。入社人数が少ない企業の場合は、一人で退職すれば大きく比率が下がる。バラツキが大きすぎる。300人採用して100人辞めた企業と3人採用して1人辞めた企業と同じにしていいとは思えない。100人辞めた企業には問題があると思われるが3人のうち1人が辞めた企業を同列と見るべきとは思えない。3年もすれば個人的に辞めざるをえない事情を抱える人もいる。採用数の少ない企業でたまたま家庭事情で辞めた人がいたのと大量採用してふるいにかけるような環境のところとを同列にすべきではない。

 毎年1人の採用を続けている企業があったとして、対象の年度の社員が交通事故のような不慮の事故で退職したら、残留率ゼロのブラック企業になり次の年は 100% で 1 位に返り咲きだ。職場の「優しさ」などこれっぽっちも表していないことが分かるだろう。突発的な変動が影響をしないくらいの人数を採用した企業同士で比べないと意味が無いのだ。

 数字は便利だ。特にExcelでの集計で説得力の有りそうな資料が簡単にできる。集計用紙を使って手計算をしていた時には上位300などというアホなものは作らなかっただろう。新卒採用が50人以上の企業に絞るとか、採用人数上位50社とかにしていたはずだ。そして、そのほうが資料としての価値も高かっただろう。

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