タブレット端末に関するリサーチバンクの(ダメ)調査

 日本の「調査」の常として基本的な統計情報が提示されていない。調査方法と、サンプルの抽出方法、設問、誤差が書かれていない。調査方法とサンプリングは母集団を想定する時に大きく関わってくるところなので記事にする時には必須だと思う。また、数値の比較を行う場合には誤差を抜きにしては判断を誤る。以下は全て、自分の予想で書くチラ裏であることをお断りしておく。

 調査は、登録したユーザ宛にメールを送信し、サイトに誘導して行われたものだろう。この時点で、パソコンと回線を持っている人が母集団ということだ。これだけでも下記のことが予想される。日本人全体の意識調査とは言えない。

  • パソコンによるネットアクセス環境がある
  • ネットアクセスに抵抗のないユーザであり、パソコンに対して親和性が高い
  • この調査にはタブレットだけを保有している人の意見は反映されていない。
  • この調査にはパソコンもタブレットも保有していない人の意見は反映されていない。

 つまり、既にパソコンやネット回線に対して支出をし、パソコンでなら追加投資なしにネットを使えるのだ。その人達にとってタブレットは純粋に追加投資なのだ。両方無い人に、Aパソコンだけ買う、Bタブレットだけ買う、C両方買う、D両方買わない。と聞いたらCよりAかBになって、Aという人はBよりどれくらい多いかは分からないだろう。
 

タブレット端末に関する調査。51%がタブレット端末を使っていても、ノートパソコンは必要と回答。|リサーチバンク

タブレット所有者 調査サマリー

  • ■タブレット端末を保有している人は13%程度。やや男性の保有率が高い。
  • ■保有しているタブレット端末のシリーズは「iPad」が49%で圧倒的に多かった。GoogleのNexusシリーズは男性の保有率が高い。
  • ■タブレット端末を保有した理由は、「手軽にインターネットができるから(53%)」「持ち運びに便利だから(50%)」が上位になった。
  • ■タブレット端末を利用しているシーンは、「自室でくつろいでいるときに」が59%で最も多く、続いて「テレビを見ながら」が41%という結果に。
  • ■タブレット端末で使っているサービスは「インターネット検索」が88%で最も多く、続いて「ニュース・天気予報」が52%、「ナビゲーション・地図」が40%と気軽に調べたり探したりすることに利用されているようだ。
  • ■アプリのダウンロードについて尋ねたところ、「無料のアプリをダウンロードしている」のは84%。「有料のアプリをダウンロードしている」人は24%だが、男性が30%と多い。また、「アプリはダウンロードしていない」女性は19%にも上り、女性はあまりアプリをダウンロードしていない傾向が見られた。
  • ■タブレット端末保有後のパソコンの利用頻度について尋ねたところ、27%程度はパソコンの利用頻度は下がったようだが、67%は「変化はない」と答えている。
  • ■タブレット端末の出荷台数がノートパソコンを上回る予想が出ている。利用者はノートパソコンは不要になるか聞いたところ、半数の51%は「ノートパソコンも必要だ」と答えており、41%は「ノートパソコンもあった方が良い」と答えている。タブレット端末の利用者はタブレット端末とノートパソコンは別の利用方法であるという認識であることが分かった。

タブレット端末に関する調査。非保有者の46%が今後タブレット端末を利用したい。|リサーチバンク
タブレット非保有者 調査サマリー

  • ■タブレット端末を保有していない人は81%。6%程度はタブレット端末のことを認知していない
  • ■タブレット端末を保有していない人に、今後保有したいか尋ねたところ、4%が「実際に購入を検討している」、42%は「今後欲しいと思っている」と答えている。
  • ■タブレット端末を「購入・利用したいと思わない」人に理由を尋ねたところ、「パソコンがあれば良いから」が74%で最も多く、続いて「自分に必要だと思わないから」が43%という結果になった。
  • ■タブレット端末を「実際に購入を検討している」「今後欲しいと思っている」人に対して、どのシリーズを欲しいか尋ねたところ、「まだ決めていない・わからない」が46%で最も多く、次に「iPad」が39%だった。
  • ■購入・利用してみたい理由を尋ねたところ、「持ち運びに便利そうだから」「手軽にインターネットができるから」「普通のPCでできることの多くが、タブレット端末でもできるから」が上位になった。
  • ■どんな時に利用したいか尋ねたところ、「自室でくつろいでいるときに」「外出先で情報が必要になったとき」「外出先での時間つぶし」が上位になった。
  • ■タブレット端末を利用するようになった場合、パソコンはどのようになるか尋ねたところ、40%は「パソコンは絶対に必要」、45%は「パソコンも必要」と答えており、パソコンとタブレット端末は別の利用方法であるという意識が高いことが分かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です