「Windows王国はとっくになくなり, 今はAndroidが王座に座っている」のか?

 無茶な統計だ。以前は Symbien や Blackberry、Plam とPCのOSを一緒にして比較することはなかった。資料がないから分からないが、これらの OS をグラフに加えて20年くらいのリストを作れば以前から Windows 王国など存在しなかったことになる可能性がある。

 また、PC と スマートフォンをおなじ一台として考えることには抵抗がある。自転車やトラックを合わせて台数を数えても意味を成さないだろう。

 しかし、自転車と自動車の数が分かれば運転者の数は分かる。PCやスマートフォンが広告・販売メディアとして考えるなら、ハードウェア・プラットフォームにこだわる必要はない。その端末を操作する(広告を読む)人間、その端末を使ってものを買う人間の数こそが重要だ。そう考えると、iPhone 以前の端末は貧弱すぎてメディアとして Windows と同等の価値を持たなかったという考え方ができる。そう考えると、Google の成功を示唆するグラフといえるかもしれない。PC 向けのインターネット広告を出すより Android 端末向けの広告のほうが届く数が多いことを意味するからだ。

 ただし、これが年間の売上台数であることは注意が必要だ。Windows XP は特別だが、PC は OS を問わず5年くらいは使うだろう。売上台数=稼働台数(使用している人の数)ではないのだ。特に Android は近年の躍進により爆発的に売り上げが伸びた。そして、爆発的売上の大半を占めるのが BRICS などの人口の多い国への低価格スマートフォンによるものだ。回線あたりの収益回収可能性を加味しないとどのメディア(OS)が美味しいのかは判断できないだろう。

 ひとつ言えることは、「iOS に置ける Apple の位置は特別として、それ以外の環境では全てのプレーヤーが厳しい競争に晒される」ということだ。Apple も Android との競争は厳しいが、少なくとも同じ OS を搭載した他社と戦う必要はない。

Windows王国はとっくになくなり, 今はAndroidが王座に座っている | TechCrunch Japan

Androidが汎用機に載りWindowsがモバイルに深入りし、プラットホームの総合地図はいよいよはっきりと、三色に塗り分けられてきた。iOS/OS X、Windows、そしてAndroidだ。

Chrome OSやBlackBerryなどのマイナー勢力は、この、市場の塗り分けというテーマに関しては無視できる。

この三者から成る勢力地図は、もう見飽きているようだけど、でもおもしろい。Gartnerが最近発表した一連の数字は、この三勢力の過去を描き、近未来を予測している。それらの数字をRedmond Magazineの連中がグラフにしてくれた。

そのグラフ(下図)を見ると、Androidの急上昇とAppleの上げ潮、そしてWindows勢力の停滞が分かる。

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台数ベースでMicrosoftはAppleをやや上回っているが、でもAndroidとの差は縮まるどころかどんどん拡大している。Androidも、今ではデバイスが多様化しているからプラットホームベースではWindowsと互角だ。そこでWindowsとしては、モバイルでなんとか加速しないかぎり、これからも離される一方である。つまり、これ以上PC依存が続くと、Microsoftはやばいのである。

Appleの場合、伸びを支えているのはもっぱらiOSだろう。PCオンリーのOS Xは、Windowsと同じ向かい風に苦しんでいるからだ。

2013年の本誌記事でぼくと、同じく本誌のライターJosh Constineは、Androidは新しいWindowsだと決めつけた。最近ではPaul Thurrottの書いた記事が、2013年はAndroidがモバイル世界のWindowsになった年だ、と言った。しかもコンピューティングの市場はますます多層化が進み、いろんなハイブリッド的機種が登場、それにつれてオペレーティングシステムの展開も多様化している。だからもう、Androidという名の一括りや、Windows PCという単独の分類項は、無意味になりつつあるのだ。

Microsoftは、その指導性を取り戻したければ、PCの衰退を抑止する努力だけでなく、モバイルでの本格的な成長が、是が非でも必要だ。

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