Chromebook が米国で急成長、法人市場の年間売上0.2%から9.6%に。ノート市場の約2割まで拡大

 chromebook の躍進については前に書いた。この記事が面白いのはパイの以降が分かることだ。パイ自体の大きさが増えていることを表していないのでこの表だけではビジネス環境がどうかは分からないが、面白い傾向は伺われる。

 windows タブレットのシェアが増えている。パイ自体が増えている中でのシェアの増加は売り上げ的には大きな増加を意味している。Windows タブレットの大半は Surface だろうから、Surface pro の躍進は本当なのかもしれない。が、2%ではねぇ・・・

 Apple のノートPCのシェアが減っているのは気になる所だ。Macbook Air Retina が出なかったのが痛かったか。

 ただ、これは企業向けのシェアなので、個人を含めたときに Chromebook がこのシェアということはないだろう。

Chromebook が米国で急成長、法人市場の年間売上0.2%から9.6%に。ノート市場の約2割まで拡大 – Engadget Japanese

大手調査会社 NPDグループが、米国内の2013年法人向けコンピュータ売上データを発表しました。各OS のデスクトップやノート、タブレットを合算した全体の売上が前年同期比で約25%と大きく伸びたなかで、前年はわずか0.2%のシェアしかなかった Chromebook が約9.6%にまで急伸し、ノートPCのなかでは約21%を占めるなど一気に存在感を増しています。

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今回NPDが発表した数字は、2013年の1月から11月までの期間、米国のコマーシャルチャネル(企業向けや教育機関向け)で販売されたコンピューティングデバイスの売上台数の集計。Windows デスクトップやノートから、アップルのMacBook、iPad や Android タブレット、さらにはWindows タブレットや Chrome OSデバイスまでを含みます。

全体の売上台数は 1440万台 (14.4百万台)。2012年と比較して台数ベースで25%を超える成長です。これはデスクトップ、ノートともに、企業でのWindows XP から7へのアップグレードが支えていると考えられます。

OSやフォームファクタ別の台数シェアで見れば、デスクトップPC総計は前年の32.3%から27.8%、Windowsノートは42.9%から34.1%へと減少。ただし全体が伸びているため、売上台数では前年比でデスクトップが8.5%、ノートは28.9%伸びています。

従来のいわゆるPCのなかで売上を比較すれば、Windows ノートは横ばい、Windowsデスクトップは約10%成長。アップルのMac はノートとデスクトップ合計で7%減少。

デスクトップPCとWindows ノートPCのシェア低下は、iPadが火をつけたタブレットや非Windows OSデバイスの拡大が埋めています。ここ数年のトレンドのとおりともいえますが、しかしこの新興勢力のなかでもさらに新興の勢力が目まぐるしく入れ替わったのが2013年の傾向です。

まず iPad は、17.1%から15.8%に下落。これを埋めるように、Androidタブレットが4.2%から8.7%へとシェアを倍増させました。しかしそれ以上に目覚しい躍進を見せたのは各社の Chromebook (Google Chrome OSを搭載したノート製品)。ようやく本題です。

2012年の1月〜11月期には法人向け市場の売上シェアでわずか0.2%だった Chromebook は2013年の同時期に一気に9.6%まで拡大し、倍増の伸びだったAndroidタブレットをもあっさりと追い抜きました。

Chrome OS や Chrome OS とはなにか、は過去記事一覧や解説に譲りますが、要はChrome ブラウザをOSの根幹とすることで、従来の汎用OSでは煩雑だったOSのアップデートなど管理保守を手軽に、セキュアブートの仕組みや、アプリをサンドボックス内のChromeアプリとOS組み込みアプリに限定することでよりセキュアに、また Google Apps / Google Drive を始めとしたクラウドや Google サービスのとの親和性を高めたノート製品のこと。

Chromeブラウザと同様の半自動アップデート機能を備え、またOSの仕組みがシンプルで「ゴミが溜まる」ことの少ない設計のため、Google では使い続けると重くなる従来のOSを意識して「使い続けるほど速くなるコンピュータ」を謳っています。Chromeブラウザはたしかにアップデートのたびに高速化が図られてきました。

また Google アカウントでログインしユーザーデータは原則的にクラウドに保存する仕組みのため、マルチユーザーでの共有がし易いのも、教育現場や法人向けとして便利な点です。ローカルストレージはクラウドと同期するためのキャッシュ的な扱いで容量が少なく、本体価格を割安にできるのも特徴のひとつ。

各社の製品はたとえば:

299ドルでタッチ対応の Acer C270P
HP Chromebook 11、HP Chromebook 14 などHP製品
かつての Exynos 搭載機から最近の Atomモデルまでサムスンの各機種

Google もみずから一般消費者向け・法人向けに各社の Chromebook を販売するほか、自社ブランドではある種の象徴的なフラッグシップとして、Chrome OS なのに一線級のハードウェアスペックとこだわりの独自設計を施した特殊な製品 Chromebook Pixel も直販しています。

国内向けには展開しておらず量販店の店頭などでも見かけないだけにピンと来ませんが、米国では保守管理の手軽さやGoogleのクラウドサービスとの親和性を訴求して主に教育分野向けに販売されており、HP、サムスン、Acer など各社が安価な製品をリリースしています。

なおマイクロソフトが力を入れる Windows タブレットは、前年の0.8%から2.2%へ。Android や Chromebook など新興勢力と同じく、前年比で大きく伸びたものの相対的にはまだ少ない割合に留まっています。詳しい数字はリンク先の NPD 発表へ。また NPD Group Blog でも、メーカー別やBTO PCを含めた分析記事があります。

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