「OS X無料化」は「OS 無料化」につながるか・・・

 windows 8.1 が販売された翌週に Mavericks が無料で公開された。以前から 3千円くらいと心理的には無料に近い設定だったが、Free という言葉のインパクトは大きい。が、一般人の関心はあまり高くないようだ。というより、Windows 8.1 も Mac OS X Mavericks も興味の対象ではないという意味で「関心は高くない」。

 この記事にもあるように、OS は PC の価格に含まれていると考えるユーザのほうが多い。Mac の場合は当然 OS の費用を含んでハードの価格が設定されている。Windows についても、OS なしモデルを買うようなヲタクでなければ OS の価格を気にすることはないだろう。というより、OS 代として Microsoft にいくら支払われているかは隠蔽されていて分からない。

 OS のアップデートビジネスが終了するのかどうかは分からないが、PC のコモディティ化の進展と共に困難になるだろう。PC の用途に対して必要となるハードウェアパワーは頭打ちだ。新しい OS にしたからといって新しいことができるようになるわけではない。むしろ、高機能な OS を動かすのにマシンサイクルを食われてレスポンスが悪くなるという本末転倒な状態になりかねないということをユーザは学習した。XP 以降の OS はできることがほとんど変わらない。

 ところで、「最新OS「Windows 8.1」へのアップグレード料金を消費者からとらないことを発表した。」というのは大間違いだ。無料なのは直近の Windows 8 からのアップグレードだけだ。数の多い Windows 7 や vista(!)、XP(!!) からのアップデートは有料で、日本では 12,800 円かかる。

「OS X無料化」が意味する新時代 « WIRED.jp
デスクトップOSは、主要な収入源としての地位を降りた。その「死」を明確にしたのはアップルだ。

アップルは10月22日(米国時間)、16年前からの慣行を破り、最新OS「OS X Mavericks」へのアップグレードを無料で提供すると発表した。テクノロジー企業が利益を得る仕組みが大きく変化していることを明確にする動きだ。

18年前、テクノロジー業界の有力企業は、売り上げの半分近くをOSのライセンス販売で得ていた。現在、OSライセンスの値段はゼロに向かっている。

アップルは、価格129ドルのOSを4回発表した後、OSのアップグレード価格を、2009年の「OS X 10.6 Snow Leopard」で29ドルに、「OS X 10.8 Mountain Lion」で19ドルに下げた。

マイクロソフトは現在も、「Windows OS」がプレインストールされたPCを販売するメーカーから代金を徴収している。しかし、そのビジネスは縮小してきている(その大きな原因はアップルの成功だ)。そしてつい先週、マイクロソフトは、今回のアップルと同じく、最新OS「Windows 8.1」へのアップグレード料金を消費者からとらないことを発表した。

何が起こっているのだろうか。ひとつには、低コストのモバイルエコシステムによって、OSというソフトウェアに関する人々の考え方が変化した。スマートフォンとタブレットが従来型のコンピューターを圧倒しているが、そのOSとアプリは、圧倒的に無料が多い。アップルのiOSプラットフォームでのアップグレードはずっと前から無料だし、グーグルのAndroid OSもそうだ。グーグルは、ちょうどマイクロソフトのように、外部のハードウェアメーカーにOSを供給している。しかし、マイクロソフトと違って、ソフトウェアの代金を取っているわけではない。

マイクロソフトのOS販売ビジネスはかつて、同社の売り上げの47%を占めていた。しかし、Windowsライセンシングの減速で、昨年のその割合はわずか25%だった(この数字でさえ、「Windows Live」の広告売上でカサ上げされたものだ)。

これを受けてマイクロソフトは、「機器とサーヴィス」の両方を提供する企業、つまり、「Xbox」などのハードウェアと、クラウド・プラットフォーム「Azure」などのウェブサーヴィスを提供する会社になるべく、立て直しを行っている。言い換えれば、マイクロソフトはアップルのようになろうとしている。アップルは単なるソフトウェア会社ではない。自社のハードウェア上で稼働するソフトウェアとサーヴィスを提供している会社だ。

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