NOOKも売れたらしい

 日本では遅々として進まない電子書籍シフトだがアメリカでは加速しているのだろうか。amazon kindle に対抗する勢力として、リアル書店チェーンがリリースした NOOK Tablet も売れたようだ。kindle fire に押されて死んだ android タブレットと同じ運命かと思ったが、低価格の電子ブックリーダーのほうがデジタルデバイスとしてのタブレットよりアピールが強かったようだ。

 日本では全く想像もつかない世界だ。何しろ日本では、著作権者が自炊業者を訴えるということで著作権を守ると思っているようなところだから。そんなところを潰す前に電子化をしていれば発生すらしなかったビジネスだ。そんなものを訴える前に電子書籍化を推進する方にエネルギーを使ったほうが何倍も建設的だろう。もう、これまでの本をとりまく利権構造が崩れたことが分からないのか。

 ただ、この記事ではどれくらいの台数が売れたのか分からない。kindle fire に匹敵するほどの売上だったのか、過去と比較して増えただけなのかわからない。タブレットのパイが増えたのかシェアが増えたのか、他の android メーカーと apple の報告を待ちたい。

Barnes & Noble、NOOK事業の分離を検討中

 米Barnes & Nobleは現地時間2012年1月5日、電子書籍リーダー端末「NOOK」および関連コンテンツを扱うNOOK事業の分離を検討中であることを明らかにした。急成長するNOOK事業に投資するためとしている。

 同社最高経営責任者(CEO)のWilliam Lynch氏は、この方針について「NOOK事業はわずか2年間で膨大な価値を築いた。今こそ、その価値を解き放つ選択肢を探るべき時だ」と述べている。同社は現在、NOOK事業の米国外への拡大に向けて、出版社、小売業者、技術企業など戦略的パートナーと交渉中だという。

 同社は併せてNOOK事業の2011年ホリデーシーズン(2011年12月31日までの9週間)における業績を発表した。モノクロの「NOOK Simple Touch」、フルカラーの「NOOK Color」、タブレット端末「NOOK Tablet」を含むNOOKデバイスの販売台数は、前年の同期間と比べ70%増加した。特にNOOK Tabletが期待以上に好調だったが、NOOK Simple Touchは予測を下回った。

 関連の電子書籍、デジタルニューススタンド、アプリケーションを含むデジタルコンテンツの売上高は前年同期間と比べ113%成長した。特にアプリケーションが急速に伸びているという。

 また、ホリデーシーズンの実店舗の売上高は12億ドルで、前年同期間に比べ2.5%増にとどまった。オンラインストア「barnesandnoble.com」の売上高は3億2700万ドルで同43%増加した。全チャネルにおけるNOOK製品(デバイス、デジタルコンテンツ、関連アクセサリー)の合計売上高は4億4800万ドルで、前年同期間を43%上回った。

 同社が明らかにした2012会計年度(2011年5月~2012年4月)の業績見通しは、総売上高が70億~72億ドル、1株当たり損失が1.40~1.10ドル。デジタルコンテンツ収入は約4億5000万ドルと見込んでいる。

なお同社に関しては、米メディア(Wall Street Journal)が前日、出版事業Sterling Publishingの売却先を探していると報じていた。Barnes & Nobleは2003年にSterling Publishingを約1億1500万ドルで買収した。

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