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伯爵などと名乗ってはいたが、この男、はたして本名は何か、いつどこで生まれたのか、どういう素姓の人物であるのか、誰も知っている者はなかった。ハンガリア出身だという説もあり、スペインの皇后とユダヤ人とのあいだに生まれた私生児だという噂もあったが、証拠は何もない。ともかく、いつ頃からか、フランス王ルイ十五世の宮廷に出入りするようはなって、ポンパドゥール夫人の絶大な信任を得、次第にその魔術師としての評判を高めていったのである。 彼の言うところによると、自分は二千年もの昔から生きつづけているが、若返りの霊薬によって、いつまでも若々しく、死のうとしても絶対に死ねないのだ、ということだった。事実、彼はいつも四十歳くらいに見え、髪も黒々として、円満な微笑をロもとにたたえ、身なりも立派で、高価な宝石をいっばい飾りつけていたらしい。ただ、あまり風采のあがらぬ小男だったという。