初版あとがき 筆者は、もっぱら若い女性読者を対象として、できるだけロマンティックなエピソードを盛りこむように心がけつつ、古今東西の女の生き方をデッサンふうに描いてみた。 歴史上の女性がほとんどすべてであるが、なかには神話や物語の女性、架空の女性もふくまれている。 可憐な女性もいれば騎慢な女性もいる。情熱的な女性もいれば冷たい女性もいる。聖女もいれば悪女もいる。 これらの華々しい女たちの織り成すアラベスクのような人生模様から、現代の賢明なる女性読者が、何らかの指針なり暗示なりを探り出していただければ、筆者としては幸いである。 一九七二年三月 |