ホムンクルス(Homunculus)は、ヨーロッパ錬金術師が作り出す人工生命体、または、その生命体を作り出す作業のことである。

製法は、フラスコに人間の精液と数種類のハーブと馬糞を入れて密閉し、馬糞が発酵する温度で保温する。四十日経過すると、フラスコの中に透明で人間の形をしたものが出現する。しかし、これにはまだ実体が無いため、さらに四十週の間、人の生き血を注入しながら馬の胎内と同等の温度で培養する。この間、毎日生き血を与えなければならない。フラスコの外に出したり、生き血を与えるのを止めると、その生命体はすぐに死んでしまう。使用するフラスコも、メリクリウスの器でなければならないという。こうして完成した生命体は人間の子供と同じ姿をしているが、体躯は人間のそれに比するとずっと小さい。ホムンクルスは、生まれながらにしてあらゆる知識を身に付けているという。また一説によるとホムンクルスフラスコ内でしか生存できないという。

ヨーロッパルネサンス期の錬金術パラケルススは、このホムンクルスの生成に成功したとされる。しかし、彼の死後、再び成功した者はいなかったという。

その後の18〜19世紀のドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、自身が生み出した戯曲『ファウスト』第二部第二幕の中でこのホムンクルスを題材に取り上げており、また、現代においても(特に日本で)、様々な漫画やコンピュータゲームでストーリーの題材にされている。キリスト教では、この技術は創造主である神・ヤハウェの領域に人間が足を踏み入れるものとして恐れられている。

またアレイスター・クロウリーは著作『ムーンチャイルド』の中で前述のような人工生命体としての解釈を誤りであると主張している。これは彼との交流によって描かれたサマセット・モームの小説『魔術師』に対する反論の意味合いが強いとされている。作中提示されるホムンクルスの製造法は一般的なものとは違い、赤子の体内に霊を導き入れて創造するという方法である。wikipedia

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Last-modified: 2008-03-19 (水) 22:53:51