2009ジロ・デ・イタリアのコースが発表された。2009年も興味深いコース設定だ。どんなレースになるか予想してみたい。(12/14)

サイクルスタイル
アームストロングが100周年記念大会ジロ・デ・イタリアのコース発表にコメントが出た。やはり、長距離個人TTをポイントと考えているらしい。監督も、注目のステージとしてこの個人TTと17ステージのヒルクライムを挙げている。(12/24)

  1. 5/9 20.5km(チームTT)Stage1
    小さな島を往復する。真っ平らでほとんどが直線なのでチームの平坦での能力が試される。優勝タイムは21〜22分程度で、最下位との差は2分未満だろう。まだ、総合優勝に関わる差は出ないだろうが、序盤のマリア・ローザ着用権を決める重要なステージだ。
  2. 5/10 156km Stage2
    海辺を走る平坦ステージ。距離も短くほとんど登りはないのでステージ優勝を狙うチームの戦いになる。少人数の逃げが成功する確率は限りなくゼロに近い。マリア・ローザは安泰。総合陣は足慣らし。
  3. 5/11 200km Stage3
    初の山岳ポイントとなる最高標高点(350m)が残り20km程度で現れるが、総合が動くとは思えない。中盤からのアップダウンを使って逃げ屋がスプリンターを振り切れるかどうかが見所。最終ゴール地点が登り傾向なので、総合陣が追いついたときには取りに来るかもしれない。
  4. 5/12 165km Stage4
    事実上3日目(チームTTは顔見世興行だから)にして山岳に入り、ゴールはサンマリノ公国という観光的にも興味深いステージだ。途中の山岳ポイントと山頂ゴール。獲得標高は2000mを超える。序盤の小さな山で山岳スペシャリストの大逃げが見られるか。残り10kmの登りで総合陣の力試しが見られる。このステージの走りは総合を狙う選手やチームの山岳での強さを如実に表すだろう。ここで遅れたらエースの地位を剥奪される可能性もある。たとえランスであっても。
  5. 5/13 125km Stage5
    距離は短いがプロファイルは過激。標高1535mのサンマリノから出発し、いきなり1972mの山岳ポイントまで登る、その後250mまで下り若干のアップダウンをこなした後、1844mの頂上ゴールまで上る。残り100kmからゴールまでは25kmで1500mを上る。山岳スペシャリストのステージを狙った動きと総合狙いの駆け引きとが同時に見られるだろう。
  6. 5/14 242km Stage6
    山岳ポイントは2カ所ありアップダウンが続く長距離ステージ。逃げ屋が仕掛けて来る可能性が高いステージだ。200kmを超える超長距離単独走行が見られるかもしれない。200kmの峠を超える時点で集団に対して5分以上マージンがあればゴールまでいけるかもしれない。最後10kmはほぼ平坦なので集団が追いついたらスプリント勝負になる可能性もある。可能性として高いのは、小集団が数十秒間隔になって追いつ追われつという展開だろうが。
  7. 5/15 244km Stage7
    これも長いステージ。標高差は1300mあるが、急な所はなく、ダラダラ登りなので、ピュアスプリンターが遅れる可能性は少ないだろう。最後40km近い下りがあるので、少々遅れても追いつけるだろうし。ということで、このステージはスプリント勝負に決定。
  8. 5/16 208km Stage8
    山岳ポイントが二カ所あるが、標高差があまり大きくない事と序盤なので、スプリンターが大きく遅れる事は無いと思われる。勝負は残り20kmに設定された小さな山岳ポイント。ここの登りでアタック合戦が見られる。
  9. 5/17 Stage9
    個人TT。ミラノの歴史的建築物ピアッツア城の周りを複雑に回る。距離は短くコーナーが多いので誰が優勝しても不思議は無い。総合陣は安全運転を心がけてくるだろう。
  10. 5/19 Stage10
    一日の休日をはさんで山岳ポイントが5カ所設定された鬼山岳。獲得標高はかるく4000mを超える。少人数の逃げが形成されると思われる。残り50kmが下りなので、追走集団の超高速巡航が見られる(といいなぁ)。山岳ポイント狙いのスペシャリストの大逃げと集団内での牽制と二つのレースが同時進行しそうなレイアウトだ。
  11. 5/20 206km Stage11
    トリノから地中海への平野部を南下する平坦ステージ。山岳を超えてきたスプリンターが息を吹き返すステージ。終盤に設定された山岳ポイントを利用した逃げが功を奏するかスプリンターチームが計算通りに仕事するかが見所。もちろん、ゴールスプリントの行方も興味がつきない。一番速いのは誰か。
  12. 5/21 61.7km Stage12
    順位のシャフル必至の長距離個人TT。イタリア半島の西岸を通るが、ここの地形は日本にも良くある、リアス式海外のような所らしく、海岸沿いの平坦という訳ではなく、小さな峠が連発している。ジロの個人TTとしては距離が長く、アップダウンも多いので、クロノマンの争いというより総合狙いの直接対決となる可能性が高い。大きなタイム差がつく可能性も高く、2009年ジロの総合争いを決定づけるステージとなるだろう。
    2008のスキー場ゴールといいジロのルート設計者は演出がすばらしい。
  13. 5/22 150km Stage13
    厳しい個人ステージの後で、総合争いは一休み。フィレンツェの市街地ゴールに向けてピュアスプリンターがなだれ込むだろう。
  14. 5/23 174kmStage14
    アップダウンが続き最後は頂上ゴール。一つ一つの山は小さいので、山岳スペシャリストというよりアタッカーがいつ仕掛けるか、緊張の耐えないステージになるだろう。個人TTでタイムを失った総合狙いのチームがライバルを突き落とそうと動く可能性もある。ゴールはボローニャ。
  15. 5/24 159km Stage15
    小さなアップダウンが延々続くが距離が短く、アタッカー向けのレイアウトだが、最後20kmくらいが下り基調なのでスプリンターが追いついて来る可能性はある。タイム差によっては総合争いが繰り広げられるかもしれない。
  16. 5/26 237kmStage16
    これもまたのこぎり状のプロファイル。獲得標高は大きくはないが最終が山頂ゴールなので、スプリンターの出番はなさそう。アタッカー向けのステージに見えるが、タイム差次第では総合陣同士の直接対決が見られるかもしれない。
    ここから先はアメリカン・フットボールの2ミニッツオフェンスのような状態なので、総合争いチームがどう動くか、動かないか全く分からない。
  17. 5/27 79kmStage17
    「79kmって、個人TT?」と思ってしまうが違う。2008年の個人TTを思わせるような登りステージ。たった80kmで標高ゼロから2000mまで上る。最後は平均5%で30km走るという過酷なものだ。オールラウンダーの真の実力が試されるステージになるだろう。総合優勝候補を複数そろえるアスタナのためのステージとなるか。このステージも注目のステージだ。
  18. 5/28 181km Stage18
    山岳を乗り越えて来たスプリンターのステージか。タイム差の開いたアタッカーに対する集団のチェックが甘くなるのでアタッカーが最初の登りで逃げる可能性もある。
  19. 5/29 164km Stage19
    ゴール前13kmで960mを登る山頂ゴール。最後の順位シャフルステージ。総合争いの一騎打ちが見られるだろう。どのチームが、誰が仕掛けるのか。目を離せないステージだ。
    最終ステージは個人TTだが、距離が短く曲がりくねった市街地であり差を詰めることは不可能と思われるので、このステージで個人優勝の順位はほぼ決まるだろう。
  20. 5/30 203km Stage20
    厳しい総合争いを事実上終えた総合陣にとってはクールダウンのような静かなステージになるだろう。最後が登りゴールなのでスプリンターを牽いてきた縁の下の力持ちにもチャンスがあるかもしれない。
  21. 5/31 15.3kmStage21
    ローマの遺跡の密集地を縫う短い個人TT。100年目のジロにはパレードラップは存在しないようだ。順位シャフルを狙って下位選手は積極的に飛ばすだろうが、コースレイアウトは難しく、TTスペシャリストをもってしても大きなタイム差は期待できないだろう。上位陣は3回ある計測ポイントでタイム差をチェックして、タイムとリスクを秤にかけた慎重な走りが必要になる。

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Last-modified: 2008-12-24 (水) 23:08:23