モジュール化スマートフォンProject Araの肯定的な未来を見せてくれたVestigenの多機能センサ機器

google-ara 「Araのきわめて安いハードウェアコスト」というのに懐疑的だ。モジュール化するためのオーバーヘッドがコストに跳ね返らないはずがない。モノリシックな端末では短い導線を半田付けするだけで済む部分にコネクタ端子を取り付けやりとりするための汎用チップを介してやりとりしなければならない。一箇所の接続箇所に付2個のチップとコネクタが必要だ。最低価格の組み合わせでは $50 程度らしいが、同じ機能・性能の端末を普通に作ったら $30 くらいで重量は 2/3 でできるのではないだろうか。

 下の記事にあるような特殊なセンサーを駆動させるための電池・CPU・メモリ・OSを提供するプラットフォームとして考えるなら可能性はある・・・かもしれない。専用の検査機器だと数万円するものが数千円のセンサーモジュールを追加購入するだけで使えるようになるなら素晴らしい。

 また「Araのアドバンテージは、起業や研究開発の初期費用が低いことだ。モジュールの費用は、本格的な検査機器などに比べると大幅に安い。部品としてのセンサは今とても安くなっているし、コンピューティングや通信の機能に関してはAraの既製のモジュールをそのまま利用できる。」にもあまり賛同はできない。

 今の技術を持ってすれば、フィットネス・トラッカーのようなセンサーデバイスを開発すれば分析や通信は Android に任せることは可能だ。そして、Ara が普及するにしても、現在普及しているチープ Android を凌ぐことはあり得ない。

 本気で低開発国における飲み水の衛生状態の改善に取り組むなら Android 端末向けのセンサーを開発するのが合理的ではないだろうか。

モジュール化スマートフォンProject Araの肯定的な未来を見せてくれたVestigenの多機能センサ機器
Project Ara(プロジェクトAra)は、徐々に商用製品の発売に近づいている。シンガポールで行われたカンファレンスが、この、‘モジュール的パーツ任意組立/取り替え型’スマートフォンの、近未来の姿を垣間見せてくれた。たとえばVestigenという企業は、さまざまなテストストリップ(下図)を使って、水の水質(飲用適性)や血液の血糖値など、いろいろな検査ができる製品を披露した。

VestigenのCEO Alexander Kriskoの説明によると、このようなツールによってAraはホビイストのおもちゃの域を脱し、世界中の人びとの生活の質を良くしていくための本格的なソリューションを提供できる、という。〔たとえば低開発国における飲み水の衛生状態の改善。〕

Araのアドバンテージは、起業や研究開発の初期費用が低いことだ。モジュールの費用は、本格的な検査機器などに比べると大幅に安い。部品としてのセンサは今とても安くなっているし、コンピューティングや通信の機能に関してはAraの既製のモジュールをそのまま利用できる。

Araは今年プエルトリコで消費者テストを行う予定だが、今後は世界中のエンジニアや医師やエイドワーカー(人道支援活動家)、それにコンピューティング==モバイルである人びとが、Araのきわめて安いハードウェアコストをベースに、今まで一部の先進国でしか得られなかった技術的果実を、いろいろ実らせていくだろう。 Vestigenの製品を見ていて、そう思った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です