ヨーロッパでWindows Phone一人負け―日本ではAndroidがiOSのシェアを大幅に奪う

 iPhone 自体の売上は減っていないので、それ以上の市場の拡大があるのだろう。日本でもスマートフォンがレイトマジョリティへの本格普及が始まったことを示しているのではないだろうか。後、「Windows 一人負け」とあるが、Android と iOS に収斂しつつある市場で Blackberry が事実上消えただけだ。

 例えば、うちの親にスマートフォンを使わせようと思ったら iPhone である必要は、もう、ない。2年前なら iPhone しか勧められなかった。Android がデジタルヲタクのガジェットレベルの完成度だったからだ。ユーザレベルの体感では Honeycomb がジャンプだったのではないだろうか。XOOM がもろにHoneycombのリファレンスモデルだったのだが、3.2 になるまでは使い物にならなかった。レスポンスは悪いしスリープしていても電池がガンガン減ったものだった。使えるようになったのは ICS(4.0)にアップデートしてからだった。残念ながらその時には Tegra 2 のCPUパワーは非力で残念な感じになってしまっていたが・・・

 Google が Honeycomb をタブレット用と位置づけたのは、レガシーな端末が少なく、比較的ハードウェアの仕様に余裕があったことと、スマートフォンのように電話というシビアな使い方をされないと読んだからだろう。当時はタブレットはヲタクのおもちゃでしかなかったから批判も少なくて済んだのだろう。もちろん、当時から完成度の高かった iPad 2 には太刀打ちできずビジネスとしては大失敗となったが、Honeycomb の失敗なくして ICS は生まれなかっただろう。

 今からスマートフォンを初めて買うようなユーザにとってスマートフォンは携帯電話の延長上でしかなく、様々なアプリをインストールして生産性向上に使うようなデバイスではない。「使ってる電話の調子が悪くなった。電池の持ちも悪くなったし、直すよりは機種変更しようか」とキャリアのショップに出かけるような人たちだ。そして、提示されたラインナップから端末を選ぼうとしたら従来のような携帯電話はほとんどない表を見せられる。買って持ち帰りたいのだから、在庫切れの iPhone を待つようなことはないし、そもそも iPhone という名前も知らない。結果、安心感のある日本メーカー名の入った Android の低価格モデルを買って帰る。

 今、こういうレイトマジョリティはキャリアの Android 端末を買っているが、MVNO と SIM ロックフリー端末が認知されれば、そちらに流れる可能性はある。

 Windows phone が減ったのではなく NOKIA が消えたということだろう。NOKIA が Microsoft に買収されたことで、ブランドの将来性に対して不安になったユーザが他の OS に乗り換えたのだろう。Microsoft がその巨大なエコシステムのどこにスマートフォンを組み込もうとしているのかが見えない。Windows OS 自体が流動的で、8 が第二の Vista になることが明確になってきたことやモバイル用の OS となるといっていた Windows RT が消滅したりというのを目にしていたら、2年縛りの端末を買うときに縛りの間にサポートが切れる可能性があるような端末は買わないだろう。

ヨーロッパでWindows Phone一人負け―日本ではAndroidがiOSのシェアを大幅に奪う – TechCrunch

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