pomera

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 先日発売されたストレートタイプの新型に折り畳みの息の根を止められたか。

 テキストを書くという目的に特化した面白いデバイスだった。テキストを快適に書きたいという需要に支えられバージョンアップを繰り返しラインナップを増やしていた。

 ヲタの勘違いかもしれないが、iOS 4 が bluetooth HID をサポートしたときに流れは変わったと思う。自分の中で少しはあった「ポメラを買ってみようか」という気持ちは完全に消えた。bluetooth キーボードがあれば iPhone で同じことができる。しかも、iPhone に入力するということは、つながるすべてのデバイスで直接使えるデジタルデータになるということだ(方法多すぎるくらいなので省略するが)。この点で pomera はPCを介さないと何も出来ないという歯がゆさがあった。実際に MP-0118 を買ってみて、「pomera は死んだ」と確信した。

 さらに、これに拍車をかけたのはiPadではないだろうか。iPadならキーボードをつなぐことでPCと同等の広さの画面でテキストを書くことが可能だ。pomera についてまわる無理矢理感はほとんどない。ネットで物を調べることやデータのやり取りも可能だ。これらは iPhone でも可能だが、物理的な画面の狭さはどうしようもない。まとまった文章を書きたいときに、一段落文のテキストすら一画面に表示できないのでは困るからだ。

 そこで、最新型のDM100はキーボードの打鍵感を全面に押し出し、単体で使うだけでなく、bluetooth キーボードとしての使い方をサポートした。キーボードとしては高価だしせっかくの ATOK の辞書も使えないのでメリットは少ないが、直接 Twitter やメールにテキストを投げたいときには便利だろう。なにより、pomera を窮地に追い込んだ bluetooth 機能を取り込むという姿勢は素晴らしい。これまでは、「折り畳みでも打鍵感には問題がない」と言っていたがストレートを出したことで、痩せ我慢しなくて良くなったww(MP-0118 は折り畳みでストレートタイプに比べて打鍵感ははっきりと悪い)

 pomera には未来はないと思う。折り畳みの引き篭もり型は自らが否定したとおりだし、最新機種も、DM100 の仕様を見る限り競争力は全くないと言わざるを得ないからだ。7インチのタブレットにキーボードを追加したほうがはるかに便利に使える。しかも、価格は大幅に高い。情弱エグゼクティブリーマンを対象にしているのかもしれないが、そんなエライさんはデジタル土方的な仕事はしないのだ。タブレットもノートPCも3万円以下の勝負になっている。価格競争から離れたところにいる iPad のシェアが多いからそう感じないかもしれないが、「iPad じゃない iPad みたいな奴」とか「小さくて安くて軽いノートPC」の価格競争は熾烈だ。pomera が売れたのは ネットブックより安かったからだろう。今なら直接の対決相手は7インチタブレット+キーボードだろう。そう考えると、pomera DM100 が市場で競争力を持つためには 25000 円程度が妥当だろう。

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