Windows RTは『Xbox』になるか『Zune』になるか?

zn003b 「Windows RTが第2の『Xbox』になるか『Zune』になるか」という表現がうまい。Zune の他に Windows CE や Windows for Pen Computing というのも考えられる。

 このアナリストはアプリの数について iOS や Android に水を開けられていると言っている。事実そうだが、RT 用は全て RT に最適化されているという点で他の OS 特に Android 向けのものとは異なるから、それほど悲観する必要はない。ただし、iTunes は絶対に出ない。これは MS の意向ではなく Apple の都合でだ。iTunes の Windows 版が出たのは Windows PC が市場の大半を押さえるプラットフォームだったからだ。Windows RT はそうはならない。Windows 8 があるからだ。Windows RT に立ちはだかる最も大きな壁は windows 8 だろう。

Windows の動くタブレットに魅力を感じるユーザの多くは iPad とではなく、Windows 8 搭載モデルとの比較をするはずだ。まだ、Windows 8 搭載マシンは、Surface pro を始め、高価なものが多いが、これも時間の問題だろう。ネットブックのような価格帯の Windows 8 機が出たら RT は完全に行き場を失う。

 「Microsoftは、Windows 8に一本化すべきだろう。アプリケーションはコンパイルし直せばWindows RTでもWindows 8でも動くと主張することはできる。だが問題の一端は、複数のOSをサポートしようとしていることだ。」という指摘に賛同する。Windows PC を前提としたアプリケーションをコンパイルして動くようにだけしたようなものは混乱のものだ。RT に載せるべきは RT に最適化した UI を備えたものでなければならない。ハードが変われば UI も変わらなければ UX は向上しない。

 ヲタの予想では、Windwos 8 がフォークしてタブレット(ハイブリッド)向けとデスクトップ(ノートPCを含む従来型のPC)に分かれるのではないだろうか。これがユーザが望んでいることだろう。そして、タブレット用はネットブックのような位置付けになり、その時初めて iPad や Andoroid タブレットのライバルなる。しかも、PS2 にボロ負けだった Xbox が改良を続けた結果 Xbox 360 になり PS3 とは互角に戦えるようになったようにだ。もちろんその時には Windows RT は Zune と同じように過去の失敗作の一つに入れられ忘れ去られる時だ。

Windows RTは「第2のXbox」になれるか - TechTargetジャパン スマートモバイル
 IDCのタブレット担当リサーチディレクターであるトム・マイネリ氏は、タブレット市場の動向を伝える報告書「Worldwide Quarterly Tablet Tracker」の最新版で、2種類のタブレットOSを売り出すというMicrosoftの決断は功を奏していないと分析している。2種類のOSの存在は混乱を招き、Windows RTの売り上げの障害になっている。

 「Windows RTで問題になっているのは、価格と利用方法がコンシューマーに見えにくいことだ」とマイネリ氏は言う。「従来、Windowsといえば上位互換性があり、どのバージョンでもソフトウェアを実行できるOSを思い浮かべる。一方でWindows RTは、こうしたOSとは一線を画している。Windows RTを支持する技術的な理由はある。だがWindows RTを何としても購入したくなるような理由をMicrosoftは打ち立てられていない」(マイネリ氏)

 定価500ドルからのWindows RTタブレット端末は、Appleの「iPad」と真っ向から対立する。最高の条件が整えば善戦が期待できるが、現状はMicrosoftにとってベストではない。Microsoftは、タブレット端末「Surface」のリリースから90日以内に10万種類のアプリケーションをそろえると公言していたが、約5カ月たった時点で提供されているのは5万種類ほどだ。

 「アプリケーション不足は今後も問題になるだろう。米Appleの『iTunes』などそれまで使えていたアプリケーションは、当然Windowsでも利用できるとユーザーは考える。だがWindows RT版のiTunesが出ることはないといってよいと思う」とマイネリ氏は厳しい見方を示す。

 記事執筆に当たりMicrosoftにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 IDCの予想では、2013年のWindows RTタブレットの出荷台数は約360万台で、市場全体の1億9040万台に対してわずか1.9%である。一方、Androidタブレットは9320万台、iPadは8780万台になると見ている。

 その後もWindowsタブレットは勢いがなく、2017年までに「Surface Pro」のシェアは7.4%、Windows RTタブレットは2.7%にとどまるとされている。この悲観的な予想は、これまでのWindowsタブレットの業績に基づくとマイネリ氏は説明する。

Windows 8に一本化を
 「Microsoftは、Windows 8に一本化すべきだろう。アプリケーションはコンパイルし直せばWindows RTでもWindows 8でも動くと主張することはできる。だが問題の一端は、複数のOSをサポートしようとしていることだ。そのため開発者の手が足りず、楽観的なコンシューマーやWindowsを応援したいコンシューマーですら、(最後に勝ち残ると思う)いずれかを自分で選ばなくてはならない」とマイネリ氏は指摘する。

 だがMicrosoftは粘り強く、そう簡単には諦めない企業だ。市場でのシェア獲得のためなら、リリースから間もない時期に生じる大きな損はいとわない。オンライン関連の取り組みがその一例で、これまで莫大な資金をつぎ込んでいる。マイネリ氏は、MicrosoftがまだしばらくWindows RTに固執すると考えている。

 「2013年にMicrosoftは何を仕掛けてくるのか。それによって、Windows RTが第2の『Xbox』になるか『Zune』になるかが決まるだろう。ただしZuneのリリース以降、世界は劇的に変化しているとMicrosoftは感じているようで、彼らは今までと違う戦略に立って動いていると私は見ている」(マイネリ氏)

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